ミステリアスだけど心温まる物語
2018/05/20 10:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
貫井徳郎『転生』は、心臓移植を題材にしたミステリー。
命とは何か、記憶とは何か、自分とは何か、生きることの意味とは?
なんて重い話になりそうな題材を、ミステリアスだけど心温まる物語に仕上げています。
貫井徳郎、やるなあ。
450ページほどはらはらどきどきしながら読んできて、最後の一文に救われます。
「彼女は優しい微笑みを浮かべていた。」
人間の記憶や心とは?
2015/11/05 12:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の記憶や心とはどこに存在するのだろう?心臓移植という重いテーマを扱いながらも、それだけにとらわれない作品になっています。
投稿元:
レビューを見る
心臓移植を受けた主人公は、今までは全く違った趣味嗜好を持つ自分に戸惑う。そして、会ったこともない女性に惹かれる
という現実。これらを解明する
ために、ドナーに会うという
タブーを犯すのだが・・。
展開のテンポのよさが、作品を
読みやすくしている。また、取り扱っているテーマそのものが
興味深い。ドナーが誰なんだと
いう二転三転する展開の後に、
「そういうことか」と納得して
しまう。もちろん、うちが
その方面の知識に疎いから・・
というのもあるだろうが(^^;
投稿元:
レビューを見る
心臓移植を受けた時から、主人公の方は……なのなの。
ありえる?ありうるかのう?んー、あるでしょう。ちう感じ。
ちょいと厚いけれども、さっくり読めてしまう一品でございました。
投稿元:
レビューを見る
心臓移植をした主人公が、移植後に不思議な体験をして、それをきっかけにドナーを探すことになる。脳死や移植は難しい問題を孕んでいるけれど、そういう現実的な問題ではなくて、ちょっと非科学的だなぁと思うような内容。ミステリというかどうかは微妙だけれど、中盤以降の展開はテンポがよく読みやすかった。
投稿元:
レビューを見る
心臓移植された主人公がその心臓の前の持ち主の記憶や感情まで断片的に移植されてしまうというお話。
不思議な話路線でいけば面白くなったかもしれませんが、医学の闇などに焦点を当ててしまったため深みを持たせることが出来ず小さくまとまってしまった感じがします。
つまらないわけではないが面白くも無い凡作ですね。
投稿元:
レビューを見る
彼は心臓移植を受けた。好み、嗜好が
全く変わり、知るはずの無いショパンの曲に心奪われ、絵の才能に目覚める。誰かに殺される夢を見る。ドナーへの謎が深まる。
投稿元:
レビューを見る
前半が冗長。会話が説明的で長すぎる。登場人物も少し整理した方が良い。半分の分量にすればもっと締まった話になる。テーマは一見重そうだが、実は単純。
投稿元:
レビューを見る
自分に移植された心臓は、ドナーの記憶を持っているのか? 移植手術を受けた大学生の和泉がタブーであるドナーの家族との接触を図った時、恐るべき近代医学の闇に直面する。※思っていたより淡々としていた。ちょっと盛り上がりに欠ける感じがする。
投稿元:
レビューを見る
脳移植を受けた男の子が脳のドナーの記憶を夢に見る、真相をさぐると信じられない事実が浮かび上がる、どこかで読んだ事があるような内容。
投稿元:
レビューを見る
期待はずれの一作でした。貫井徳郎という作家に対して期待しているものではなく、また逆に読者を裏切る秀作でもなく、中途半端、の一言に尽きます。臓器移植をめぐる人間模様を描くのが主題なら、真っ向からそれに挑むべきで、《ゴッド・コミッティー》などというミステリーの要素を組み込む必要はなかったはず。また、彼一流のトリッキーなミステリーとしては、本作はあまりにもぬるい。
投稿元:
レビューを見る
臓器移植の問題は
思想とか置かれた環境とか
良いとも悪いとも意見が
はっきりと良い辛い
難しい問題だと思った
投稿元:
レビューを見る
心臓移植したら、だんだんと嗜好がドナーのものに似てきちゃった! ん?『変身』とネタかぶり?!
投稿元:
レビューを見る
【2005.03.10.Thu】
大学生の和泉は心臓の移植手術を受ける。そしてその後の自分の趣味、嗜好が変わってきたことに戸惑う。心臓移植によってドナーの記憶までも移ることがあるのだろうか。そんな謎を抱えながら、和泉は心臓移植という近代科学の闇に触れてゆくことになる。脳死と言う極めて難しい問題、判断。またレシピエントとなる者の価値。触れなければならない、しかしずっと目を背けてきた事実にあえてスポットを当てている。ドナーとレシピエントの命の重さを感じずにはいられない。また医療技術の向上がもたらしたものは、科学などでは片付けることの出来ない人間の深い葛藤であった。
投稿元:
レビューを見る
拡張型心筋症を患った大学生・和泉にはもう、心臓移植をするしか生き延びる道はなかった。だが、母親が売れっ子の小説家で経済的にも恵まれ、そして幸運なことにドナーの見つかった彼は、国内で18例目の心臓移植を受けることができたのだ。それによって信じられないくらい病状が回復した和泉。しかしながら移植後、彼は自分の変化を不思議に思う。今まで特に好きでもなかった肉が食べたくなり、コーヒーは甘いものがよくなった。そして、全く興味のなかったはずのクラシックの作曲家や曲名をピタリと言い当てることができ、そして絵がうまくなった。これは一体どういうことなのか。まさか、心臓の元の持主の特性や記憶?そんなはずはないと思いつつも気になった和泉は、タブーだとされているドナー探しを始める。
記憶が蓄積されるのは脳であるというのは誰もが知っている事実。だからこそ、和泉の奇妙な体験は一体どういうことなのか、気になって次々ページをめくっていた。最終的に和泉はある黒幕と対面することになり、ある”契約”をむすぶことになる。いつもなら、こういうのは納得できない結末だと思うのだけど、今回のは黒幕の”必要悪”主張に、どこか頷いてしまった自分がいた。
人の死を前提とした医療は、諸手を挙げて歓迎されるべきものじゃない。
しかし実際には、臓器移植を受けなければ
生き続けることのできない大勢いる
読み終わった後も、いろんなことを考えさせられた。