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古書店アゼリアの死体 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー59件

みんなの評価3.8

評価内訳

59 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

文中に出てくるロマンス小説談義が素晴らしい。ここだけを取り出せば★5つもの。ちょっと空回り気味のお話を助けてくれるのいはご存知、杉田比呂美のイラスト

2005/01/03 21:07

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「相次ぐ不運に嫌気がさした相沢真琴がたどり着いた葉崎市。彼女を海岸で待っていたのは若い男の自殺死体だった。その彼女に手を差し伸べたのが古書店アゼリアの主人で富豪の前田紅子だった」推理小説。

本の宣伝文句にはコージー・ミステリとある。一体なんだ? そんな疑問を吹き飛ばすのは、イラストレーター杉山比呂美と若竹のゴールデンコンビ。

31歳の相沢真琴の夢は、海に向って大声でバカヤローと叫ぶこと。勤め先の編集プロダクションは倒産し、彼女の打ち出した路線だけは雑誌に受け継がれていく。憂さ晴らしの泊ったホテルは火事で延焼、ショックで脱毛症になり、新興宗教に声をかけられ、強引な勧誘から逃げる時に足首を捻挫。だから神奈川県葉崎の海岸に憂さ晴らしに来た。そこで彼女を待っていたのが若い男の死体。早速、疑いは発見者の真琴に。

その男は一通の手紙を持っていた。そこには前田満知子という名前が。葉崎一帯で勢力を誇る前田家の本家の主人で〈葉崎FM〉〈前田満知子オフィス〉の社長 前田満知子の名が、警察署を揺り動かす。満知子のご機嫌ばかり気にして、早々に事件に幕を引こうとする署長、満知子の言うことを鵜呑みにする署長に反発する現場の担当者。

真琴の言うことを信用しない警察署の五木原巡査部長30歳と、部下のことを気に掛ける上司の駒持警部補は、とりあえず真琴に町に残ることを求める。警察が紹介したホテルに泊ることになった真琴は、食事に出かけた町で古書店を見つける。和服を着た老婦人が客に罵声を浴びせる現場、ロマンス小説ばかりを並べる奇妙な書店。絶版本や奇書珍書が溢れる店。

それが72歳の店主 前田紅子との出会いだった。彼女は満知子の伯母にあたり、大のロマンス小説好き。古書店で繰り広げられる真琴と紅子のロマンス小説談義は読んでいるだけで楽しいが、なによりそれを喜んだのが入院して健康チェックをしようとしていた紅子だった。彼女は一ヶ月間だが、真琴に店を任せることにする。

しかし、それが真琴を更なる不幸に巻き込んでいくことになるとは。葉崎FMのディレクター工藤、パーソナリティーの渡部千秋、前田満知子の娘で美貌のしのぶ。満知子の秘書の古川恒子、ホテルのフロントの篠山麻衣、歯科医の丸岡など多彩な人々が、旧家の不可解な動きの中に巻き込まれていく。死んでいた男は、十年以上前に行方不明になった紅子の甥の息子なのか。

冒頭に前田家の系図が載っているが、これを理解しておかないと話が分からなくなる。それから、トリックがある話ではないので、驚きは少ない。そのかわり文中でのロマンス小説談義をもっと楽しみたかった人のためだろう、親切なことに巻末におまけとして前田紅子のロマンス小説注釈が付いている。

相変わらず若竹らしい、柔らかな雰囲気の小説だが、登場人物の数の割りに、複雑な感じがするのはなぜだろう。もしかすると、私が大嫌いな家系というものが絡んでいるせいかもしれない。核家族化が進み、都会に出てきたせいで、遠い親戚との付き合いもしなくなった今の人々には、案外この手のものが苦手かもしれない。そのせいかユーモアもソフトなラブ・ロマンスも今回は空回りしている気がする。それでも杉田比呂美の優しいタッチのイラストは、見ているだけで心を温かくしてくれるからありがたい。

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紙の本

まさにコージーミステリ

2014/06/18 15:43

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

さまざまな人間関係が絡み合って、見事に最終章へと向かいます。後味も悪くなくすっきり、おすすめの一品です。面白かった。

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2005/04/24 18:51

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2005/04/23 18:05

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2006/12/10 17:24

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2007/11/14 00:25

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2008/01/30 20:42

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2007/12/13 16:52

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2008/04/27 13:54

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2008/07/03 14:41

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2004/02/29 16:32

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2009/06/04 20:19

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2009/11/03 11:23

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2010/01/18 10:15

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2010/10/17 17:01

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