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ブラック・ティー みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー132件

みんなの評価3.6

評価内訳

131 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

まさしく魔法のような作品集である。

2004/10/04 01:44

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間の奥底に潜む弱さをあぶり出した10篇からなる短編集である。
ちなみに再読である。面白い本って何回読んでも面白い。

まず表題作の「ブラックティー」から読者は山本文緒の世界の虜になる。
置き引きをして生活をしている女性が主人公の話であるが、都会に住む者の孤独感がよく表れている。
ラストなんかは本当にハッとさせられた方も多いことだろう。

山本文緒さんは節操のない時代に生きる現代人のナビゲーターである。
他のどの作家よりも平凡に生きることの辛さ・難しさを読者に教えてくれる。

一生懸命に生きている10人の主人公達。
その誰もが弱さを持っている。
その弱さって本当に読んでいてよくわかる。
読者も他人事ではないからチクッ〜と胸に突き刺さるのである。

特に女性主人公の篇が読み応えがある。
文章に躊躇さがないから安心して読めるのであろう。
やはり同性の主人公の話は説得力があるんだよな。
登場する男性が馬鹿げているのも滑稽で心地よい(笑)

『不倫など、珍しい世の中ではない。独身同士にしか恋愛できないなんて考えてみればおかしい。人間という感情の生き物は、法律では縛れない。人である限り、家庭があろうがなかろうが、恋をする時はするのだ。「夏風邪」より』

再読してみて特に目についたのが刺激的な辛辣さの中にも身につまされる話のオンパレードである点である。
自分の危機をある一定のところで悟る展開がほとんどで、意外とメッセージ色が強いのかなと再認識した。
きっと“人間臭さ”が彼女の1番の魅力なんだろう。

本作って私たちの日常において自己を顧みるいい機会を与えてくれている。
少しは自分自身がいとおしくなれた気がするので良かったんじゃないかな。
そうなることによって他人への配慮が今以上に出来る気がする。
読書って本当に人生における貴重な体験を学べる機会でもある。

現在、体調を崩されている山本文緒さんのご復帰を心から願ってやみません。

トラキチのブックレビュー

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紙の本

読後感は、嫌な気持ちにならず、軽く読める。でも心に残り続ける物語。

2023/03/31 22:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:そうすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

一話ずつは短くまとまっていて、スラスラ読めるけれど、一つの話が終わったあとに考えさせられ、うまいなー、と唸る。
誰が悪いのか、ってヒトは決めたがるけれど、みんなが少しずつ悪い。これを読むとそう思う。

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紙の本

隣合せの現実とせつなさ

2002/03/11 00:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちゃい - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どうして山本文緒の描く世界はこんなにせつないんだろう。物語の中にでてくる主人公は、自分とだぶってくる。
 ちょっとしたきっかけ、行き違い、踏み外し。踏み外さなくてきっちりやっていても裏表にしかすぎない世界。一生懸命すぎたり、さみしかったりするなかで 思いもかけなかったような結末が待っている。ぎゅっと抱きしめてもらえる人がいればこんなことには ならなかったのかもしれない。
 でも、自分が立ちあがり、しっかり自分の足でたてば もっと違った世界があるのかもしれない。

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紙の本

胸に痛い。

2001/10/26 00:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る

 会社の先輩に仕事のミスを押し付けられたことに腹を立てて仕事を辞めて以来、その後見つけたどの仕事もうまく行かず、電車の中で置き引きをして暮らしている主人公。ある日、目の前に置き忘れられた見事なバラの花束をきっかけに、様々な感情が湧き上がる。
 『皆と同じようにやってきたつもりだった。古い友人は、もう皆結婚して子供もいる。私もそうなるはずだった』。
 主人公は狂ってしまった人生の歯車について考える。もう一度、普通の生活をすることが可能でありながら、彼女はもうそれを選択することができなくなっていた。
 こんな風に、ちょっとした出来事から自分の思い描いていた「普通」を逸脱してしまう可能性が、誰にだってあるのかもしれない。自分が犯してきた小さな“間違い”を思い返し、そんな痛みを胸に感じた。

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紙の本

正しさは自分のなかにあるもの

2001/09/08 17:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆら - この投稿者のレビュー一覧を見る

 たぶん、どんな人でも「やってはいけないこと」というものがあると思う。それは、単にその社会での常識や法律に照らし合わせたからだけではなく、誰が見ていなくても、自分の心が裁いてしまうもの。

 この本は、たとえば落とし穴にはまるように、きっかけさえあれば誰でも起こしそうなちいさな罪を描いた短編集。どちらかといえば、暗いテーマのそれぞれのお話。ところが、読んでいると感じる一定の距離感(作者と主人公たち、主人公たちと私)が心地よく、それだけに心の微妙な動きが静かに染みわたるよう。

 表題の『ブラック・ティー』は、電車の網棚から置き引きして生活している、かつて普通のOLだった女の子の話。寝る間も惜しんで働いていた頃と同じ街の片隅で、彼女は今こう思う。「常識さえ捨てれば、働かなくても暮らしていける方法があるのだ」と。

 そこにいたる背景は驚くような特別なものではない。けれど、書かれてはいないすき間から、ゆるされることを必ずしも望んではいない痛みが見えてくる気がするのはなぜなんだろう。

 網棚にわざと忘れられた、ブラック・ティーという名の高価なバラの花束。男の人から誕生日に花束をもらえるような、普通の生活に戻ることは可能。それでも、大勢の人のなかでまた生きること、花束を期待することが怖いと立ち止まっている弱さや歪みは、まっすぐな物語よりも私には共感できた。

 他、いじめられている姉を救おうとあやまちを犯した男の子の『誘拐犯』、妻子ある恋人にしてしまった、ある復讐『夏風邪』など。格好良く、綺麗には生きられない危うい現実を一歩引いた愛あるまなざしで描かれた作品たち。

 最近、書店に行くとこの山本文緒さんの本をたくさん見かける。それがなぜなのか、初めて読んだこの本でちょっとわかったように思う。

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紙の本

他人ごとではないなー

2001/08/01 13:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くもざる - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「自分は警察のお世話になったこともないし、もちろん犯罪なんて犯したこともない、だから悪いこととか罪とかとは無縁だ」と思ってる人はいませんか? 「いえいえ、ちょっとした悪いことならしたことはある」と言っているあなたも、実はそのことをあまり深く考えたりしないし、心のどこかで皆やっていることだから大したことない、なんて考えてないですか?

 この本は、そのちょっとした悪いことにスポットライトを当てた短編小説集だ。ちょっとした悪いことでも、ライトを当ててじっくりみてみると、まーそれはえげつない。自分にも身に覚えのありそうなことが出てきて、背筋が冷たくなったり、考え込まされたりする。タイトルの「ブラックティー」とはよく言ったものだ。だからといって、「ほれごらんなさい。あなたも悪い人なんだから」と暗く意地悪に突きつけているわけではなく、その中にも救いがあったり暖かみがあったりする。

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紙の本

誰の中にでもあるちょっとした闇の部分

2001/01/19 18:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:naka-m - この投稿者のレビュー一覧を見る

実は自分はこの短編集の中の一編である「ブラック・ティー」の主人公と似た経験をしたことがある。

---

大学生の頃にカンニングをしたことがある。
大学の処罰は「発見の場合には全教科0点」という厳しいものだったけど、
一方では「誰でもやっていることだ」という気軽な感覚もあったように思う。

その試験の時に自分は問題用紙の後ろにカンニングペーパーを重ねて
問題用紙の上から悠々をカンニングをしていた。

その時黙々とカンニングをしている最中に
いきなり試験教官が教壇から自分に向かって歩いてきた。

「ばれた!もうダメだ!もう一年やり直しだ!」
いろんなことが走馬灯のように頭を駆け巡った。
試験教官が自分の前に立った。
いや、正確に言えば自分の前の席の生徒の前に。
彼はカンニングを目撃され、そのまま教室を去っていった。

自分は噴出す汗を押さえるのでいっぱいいっぱいだった。

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全く何の嘘もつかずに生きていける人がいないように、
人はきっと人生のどこかで何らかの罪を犯しているはずだ。
この「ブラック・ティー」はそんな「ちょっとした罪」をテーマにした短編集。

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2004/10/04 23:13

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2004/10/24 15:23

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2005/05/27 22:18

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2004/12/16 15:39

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2005/05/21 13:37

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2005/05/20 02:01

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2006/04/08 02:00

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2006/06/28 15:43

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