どこまでが本当で、どこまでが虚構なのか
2022/06/05 04:15
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投稿者:KeiM - この投稿者のレビュー一覧を見る
執筆中に何度もデータが飛んだと言う。
プライバシーを守るためにも、名前を変えるだけでは済まないだろう。
これが作り話だとすれば著者は強烈な構成力だ。
ばらばらの話がつながり、広がってまた舞い戻る。情報を小出しに見せる技が巧みすぎる。
文章もわかりやすい。著者が思ったこと、体験したことを実直に語ってくれる。
著者が虚勢を張っていないから、こちらの警戒心を解く。怖いことは怖いと正直に書く、逃げるが勝ちと言い切る。そして勝負から降りると見せかけて----。
文章の表現力もわかりやすい。すっと頭に入ってくる。
暗い家を書けば読む方もどんよりしてくるし、相談者の部屋が明るくなってくればこちらまで光が差してきた気になる。
どんなふうに書いているのか、読み返して分析したくとも、怖くてページが戻せない。
こんなに悲惨なラストでも、最後の会話ですーっと望みの光が射すので救われる。
こんなに読後感のいいホラーは初めてだ。
でも今は読み返したくない。
綿帽子の夢を見ませんように。
レビューで期待し過ぎたかも
2016/12/16 12:55
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
皆さんのレビューで期待値を上げ過ぎたようで郷内氏の他の作品よりも作り込んだ感じがして どうものめり込めなかった。
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感想はブログでどうぞ
http://takotakora.at.webry.info/201410/article_3.html
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老いた女性が語る、嫁いだ家で起きた怪事。
拝み屋である師匠、先輩、そして当時まだ駆け出しだった「私」の元にきた、複数の依頼。
事態が進むにつれてこれらの断片は繋がっていき、一本の筋となり、その忌まわしい全貌が明らかになった時、「私」が決断したのは――。 (『母様の家』)
「嫁いだ花嫁は必ず死ぬ」という旧家に嫁いだ依頼者。助けを求められた「私」は、まずは実地検分をするために現地に赴いたが、そこで奇怪な存在を目にする。調べを進める内に、嫁ぎ先の家が抱える「秘密」が明らかになるのだが、本当の恐ろしさはその先にあった――。 (『花嫁の家』)
これまで手がけた中でも取り分け忌まわしく、忘れ難い仕事となった『母様の家』。そして、前著ではその存在だけが何度か語られた曰くつきの怪異譚『花嫁の家』、二編の中編怪談を収録した怪談実話集。
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読了後、しばらく体の震えが止まらなかった――。
フィクションなら恐ろしい、ノンフィクションなら悍ましい。
ノンフィクションだと思いたくない、フィクションだと思いたい。
だが、読んで受けた恐怖は、間違いなく“本物”である。
胆力に自信がある人は、ぜひ読んでみてほしい。
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「怪談始末」で仄めかされていた花嫁の怪異。
読んでみての感想は、驚愕と嫌悪と因縁の深さ。伝奇小説でも、ここまで複雑な物語はないだろうと思うけど、これ現実の話なんだよな。うぅむ。
そして、解決には至っていないという結末。
怪談に求めている怖さよりも、闇をのぞき込んでしまったという感じでしょうか。怖さの質が違います。
しかし、郷内さんの口の悪さはなんとかならんのか?書籍化にあたっての演出もあるのだろうけど、カウンセリングのような役割をする職業の人として違和感なんだよなぁ。
ま、敬意を払うに値しない人間への対応なので、だれもかれもということではないんだけど。それはわかっているのだけど。
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怖くて物悲しくて、泣ける。前作でも怪談集という体裁を取りながらも拝み屋の体験記として一本通った不思議な面白さがあったが、今作はフィクション風?ホラーとしてさらにすごい仕上がりです。関係ないはずの依頼が繋がっていく様にぞわぞわする。
実話怪談風味を上手く残した拝み屋のドキュメンタリー小説といえばいいだろうか。すごく面白い作風です。職業ドキュメントとしてもしっかり面白くてできている上で、ノンフィクションらしさを消さずに、ストーリテリングに気をつかいドラマ性も出してるんですよね。
全体としてはフィクションと信じています。でないとまじで怖いからです。
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怪談始末よりも先にこちらを読みました。拝み屋に次々に持ち込まれる相談。山奥の旧家を中心に奇妙なつながりが。実話!?ってかなり怖すぎる。夜に読むのが怖い、、、、
と言っても「残穢」ほどではないけど。
なかなか読みごたえもあって、かなりのめりこみました。
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最初、土俗色の強いミステリーかと思った。タイトルの感じとか、カバーデザインとか、田舎の旧家を舞台にした和風の推理モノのそれだったからだ。私はもともと妖怪もお化けも好きだし、怖い話になぞらえたミステリーも好きな方だ、が、だからこそ、怪異現象をトリックと結びつけたり、地方に伝わる伝説を犯人の犯行手順と重ねたりして結局「怪異譚が小道具として利用される」だけで終わってしまうこの手のミステリーは苦手でもあった、純粋に怪異譚を愛する気持ちが踏みにじられているようで。
よって、この本もまぁその手の類かな、と手を引こうとした際、本の帯に小さな文字で書かれていた「怪談実話」という言葉が心に引っかかった。…実話?
この段に至って、ようやく本書をきちんとチェックしてみようと思い、背表紙に書かれた簡単な解説を読んでみる。そこにも、「怪談実話集」との言葉があった。
どうやら、著者は実際に「拝み屋」として商いを行っている人物であり、どこまでが実話でどこからが味付けの部分なのかはわからないにせよ、実体験を元にした作品のようだ。…ふむ、面白そうである。そうして正式に手に取ってからは、それこそ一気呵成にというか、あっっという間に読み終えてしまった。
まず、ちゃんと「怪異譚」である。妄想オチとか精神病オチ等ではない。この大前提が素晴らしい。次に、ちゃんと、怖い。想像の範囲内の出来事が起こる場合もあるし、こちらの予想通りの展開に落ち着くところもある、けれども、それ以上に読み手の心がゾワゾワするような、手抜きをしていない怖さが散見できた。作り物めいた安っぽさがあまり無いというか、妙にリアリティがあるというか…まぁ「実話」なのだから当然なのかもしれないが。
そして、上記と多少矛盾するようだが、リアルな中にも、読み物として面白く構成しようという意思もきちんと反映されていて、そこがまた丁度良いバランスになっている。ただ書き連ねただけの日記風のものでは、読者は順を追って内容を理解していくことは出来るが、点が糸になる過程を自分自身で楽しめないというか、自分で考えることなしに楽に内容を追えてしまう。しかし、例えば本書の「母様の家」では、年月日も名前もバラバラの人物が、ランダムに出てきて妙な話をする。解決したかどうかは記載が無い。だから読み手は安心の枠の中から外に放り出され、え?なにこれ?どうなるの??という疑問でいっぱいになる。しかし徐々に、これらのバラバラのピースが少しずつ繋がっていく。新しい発見と驚きがもたらされる。これは、構成の妙である。
いささか展開に強引なところもあるし、幼稚な言葉遣いの部分もあって気にもなるのだが、それ以上に、久々に怖面白いものを読んだなー、という感動の方が大きかった。
あと、この著者の方の、慎重なんだけど熱いところとか、感覚と理論のどちらも大切にしているところとか、とにかく社会人としてきちんとバランスをとって生活している様子が垣間見えるのも興味深い。「拝み屋」を生業とし、自身が妙な体験をすることも多い方だというに、「そもそも視えるというのは主観的なもの」と言い放ち、観念��と唯物論の間でしょっちゅう悩んだり揺れ動いたりしている。「客観的な力の証明(=物に触れずに動かすとか、壊すとかいった類。誰が見ても客観的に確認できること)はどう捉えたら良いのか」についてもあれこれと頭を悩ませる。面白い。
驚愕なのは、おさめられている中編2編が、実は密かにリンクしていたということ。10万分の1くらいの確率でとんでもない依頼に出会ってしまうことがあると郷内さん自身も作品内で記しているが、まさに、何らかの因縁というか、妙な力を感じざるをえない独特の生々しさだった。
個人的に感覚が引っかかれたところは、「山神」とも言える獣の描写。南国の仮面を想起させる顔立ちに、荒縄のような体毛、蛍光色の臓物というのが、想像の斜め上を行っていて妙に印象に残った。ファンタジーめいているのに生々しいというか、第六感に訴えるリアリティがあるというか…。人間が古代から紡いできたモノというのは、やはり想像やまやかしではなくなんらかの真実が秘されているのではないかと考えさせられる瞬間だった。
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これは怖ろしい。
現代の日本で、こんな複雑に絡み合った、言ってみれば横溝正史的な事件があっていいものだろうか。
そう、これは実話怪談という事なので、驚くのだ。
細かなエピソードひとつひとつが積み重なって大きな物語を形作っており、全体として秀逸なホラー作品として読む事ができる。
しかし、それでいて、山神(?)の正体がいったいなんであるのか、離島の花嫁の呪いがどうなったかについては、ついにわからない。
これもまた、実話怪談ならではの、未解明さと言えるものだろう。それだけに怖さが増す。
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こっわ。この作者にこんな力量があったとは(大失礼) これで終わったと安心した途端二重三重四重に怨念がつきまう、こわい。
思いがけず東日本大震災までからんできた、宮城の人だもの。
関係ないけど女性に年相応の服装要求しすぎじゃね、という
Twitterでおすすめながれてきて絶本だから古本屋探し回ったのだが、これ古本で部屋にあるの耐えられないからデジタルで正解だった。
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ものすごくこわい
郷内心瞳 さんシリーズを読んでしまうとほかの怪談本が物足りなく感じます
そしてこの花嫁の家 はまさに別格
書籍販売していないのが残念です...
電子版はあります
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素晴らしいホラーでした。
読み応えたっぷり。
上手いくらいに伏線が回収されていく様は、
「うわー!!!」となります。
まさかこれも?これも!?となっていき、どんどんとテンションが高まっていく。
畳み掛けが凄まじいです。
ホラー小説に多いのが、途中までは良かったのにラストで突然尻切れとんぼというか、怖さが減るパターン。
これはちゃんと、終わり方も気持ちよく、
最初から最後まで楽しみました。
先日読んだ「ルイの9番目の人生」が絶版で右往左往したのと同様、この小説も絶版だそう。
こちらはすぐに市内の図書館から取り寄せられましたが、
なぜ読みたい本に限って絶版なのか……。
ただ、こちらは電子書籍でも販売があったので、
花嫁の家含む拝み屋郷内シリーズを電子で購入しました。
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シリーズ2作目。
チマチマ読むつもりが面白くて思わず一気読み。
前作よりも楽しめたなー。
結局、あの一族は何だったのか。
不思議な力を持った真也のことも気になるところ。
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なかなかいいんじゃないでしょうか。
ババーン!ギャー!的なホラーじゃないし
映像を文章化しただけのような、怖いことは怖いけど
後にトイレに行きにくい感じしか残らないようなものではなく
すっきりとした怖さです。
主人公の行動に疑問を感じることもないですし
登場人物も多いですがきちんと区別できます。
構成も楽しくてもう一度読みたくなります。
あくまでフィクションとして読んでるんですが
ノンフィクション…ではないですよね汗
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おっっもしろかった……一編一編が短くて、解明されない怖い話の寄せ集め?って思ったら全部繋がってて、点と点が線になったときの鳥肌がすごい。そんで怖かった。でも続きが気になって最後までページを捲っちゃった…
救われない人もいるけど、救われた人もいた。やるせなさに打ち据えられ、その中でもまだ希望がひかめいてる感じが好き
っていうか真也がどうなるのか気になる〜〜!!!!他の著作で出てくるの??とりあえず他の本も読みます!!!!