紙の本
軽やかに描かれる四人の女たち。
2015/08/31 17:57
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
視点人物が四人の女で語られる。四人いても印象は散逸せず、それぞれに何らかの関係があるからストーリーとしてはまとまっている。
ピッキングをして他人の家に入るという「趣味」をしている佐知子のことをほとんど他人の元親戚ミツエが受け容れたり、一番厭な女に思えた里美の前で奈都子が自分をさらけ出し、ある種の協力体制を示すのは意外な展開だったけれど、視点が変わるということでむしろ抵抗なく受け止められる。これがひとりの視点だと、他の人の心の動きが意味不明すぎて破綻する小説になったと思う。
自己愛などのどろどろした感情をふくみつつ、全体としては軽やかな筆致で描かれている。ラストのシーンが、タイトルに繋がっているのも心にくい。
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人の不幸は蜜の味だというけれど、この本に登場する女達の物見高さと偽善的態度はどうにも不快。魅力的な人物がでてこない小説、女たちの日常ってこんなにくだらないことで過ぎていくものかね。でもほとんどがそうなのかもしれない。だってリアルだしありそうな話だから。オチもなんだかすっきりしない。ここから話しを始めてほしいよ。だから題名が「はじまらないティータイム」なんだな。これが、すばる文学賞受賞作??
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えげつなくて不愉快に感じながらも、後半1/3くらいから徐々にその雰囲気に慣れてきて、最後らへんにはちょっとした面白さを覚えながら読み終わっていた。そんなお話だった。
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最後面白くなってきそうってとこで終わったかな。
もひとつ、がんばってほしいところ。嫌いではないです。
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読み始めると おもしろくて どんどんと読みました。
最後がちょっと、どうなったのかなぁ・・・と
もやもやするのですが・・・。
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甥っ子の博昭が「できちゃった不倫婚」
ミツエは元妻・佐智子を心配して訪ねるが、離婚のショックで彼女が「奇妙な行動」をとっていることを知る。
博昭の新妻はミツエの娘に近づき、事態は複雑に・・・
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原田ひ香さん初読み。
ちょうど読み終わった後に
ご本人の講演を聴いたのだけど、
こんな方がこんな小説書いたのかと思うと、
なんか、素直にファンになってしまった。
正直面白くなかったらどうしようという不安が
先行していたんだけど、読んでびっくり。
留保なく面白い作品でした。良かった!
主な登場人物は4人。
母のミツエと娘の奈都子、
その親戚で、夫を奪われた佐智子と、夫を奪った里美。
親戚の離婚と再婚に口を出すミツエがめちゃ面白い。
「パパちゃん」て?
最初はありがちなおばさんだよな、
とか生意気にも思っちゃっていまいち乗れないんだけど、
読んでいくうちにあまりに潔いおばさんぶりに
病み付きになってしまった。
佐智子は他人の家に不法侵入するという
妙な嗜好があるんだけど、
それをミツエに見られてしまった瞬間とか、
ユーモアたっぷりに描かれていて最高でした。
文章表現は講演会でもご本人が言っていたけど、
天才肌というより、努力して身に着けた感がありますね。
よどみなく流れる文体というより、
何度も推敲して形にしたという感じ。
でもそのドンくさいところがいい感じで
コミカルなストーリーにマッチしてた。
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一気に読めた。
可もなく不可もなく。
キャラ設定は割と好きだけど全員半端にしか描かれずモヤモヤする。
途中から急いた感がある。
リアリティがない。
2010.8.14
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「他人の家に入る・のぞく」と 気持ちがすっきりして心が休まる
?? う~ん
新築中の家を見かけると どんな造りなんだろうと
見てみたいとは思うけど・・・
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第31回すばる文学賞受賞作。
ひとりの男の不倫から始まるはなし
保険会社の元重役夫人、ミツエ
その娘、奈都子
ミツエの甥の元妻、佐智子
現在の妻、里美
パワー系181よりおもしろかった。
女はこわいなぁ
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キャラの立った女4人の四者四様がそれぞれの角度から描かれていて面白い。作り込みが完璧とは言わないが、それぞれの人物がよく練られていて、4人とも独特の魅力がある。中でも、一番凡庸っぽかったミツエの変化、変身ぶりには驚かされる。人間いくつになっても、変わったり成長したりできるんじゃないかと思えてきて、元気が出た。
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思い込みの激しい人が何人か登場してきたが、その人の立場なら“有り”かなぁ~と、妙に納得してしまいました
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なんだか・・・イライラしながらも読んでしまう。読んでしまうというよりも、思ったよりも文量が少な過ぎた。夜中にこっそり放送される短編ドラマみたい。
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努力して妊娠し、妻子ある男と結婚にこぎつけた女、その男の元妻。その男の叔母とその娘の4人の女のお話。
人の家を盗み見るという発想と、進みが淡々としていて一気に読めた。
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思い通りになるための「努力」を常に怠らず、目をつけた男を誘惑し妊娠し妻と別れさせた女とその元妻と夫の伯母とその娘。
四人それぞれの歪みと悩みが錯綜する。
誰もが足らず破綻しているが、それを押し通すことはある意味強いのかも。
どんなに間違ってても嫌な奴でも、出産した女が世間的には上だと嘆く言葉には激しく同意。
【図書館・初読・5/17読了】