自分らしい働き方
2017/12/13 10:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高殿円さんの本が好きで読みました。
キラキラとした百貨店の中で、男ばかりの外商で奮闘する主人公。自分らしい働き方が、外商らしくないと言われながらも自分の仕事を見つめ頑張って行く姿が良かったです。続きが気になります!
わたしもデパートの開店でワクワクした
2024/09/21 17:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
デパートの開店でワクワクした気持ちはわたしも解る。お姫様になれた気分とでも言おうか。
お客様をうっとりさせる側に回るのはどんな苦労があるるのだろう。外商部に配属されればお客様のご機嫌伺いを兼ねてのセールス、季節ごとの商品の案内、催し事、日々忙しい。
外商部に配属された静緒の仕事から私事まで、楽しくもものがなしさも秘めて。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初はあまり好きになれなかった登場人物たちが、読み進めていく内にどんどん魅力のある人たちに変わっていきました。ネクタイ一つ、時計一つにそれだけの気遣いがいるなんて、といった驚きもたくさんありました。最近お仕事小説を多く読んでいる気がしますが、色々な世界を垣間見ることができるのは、嬉しいことだなぁと思います。番外編があれば読みたいです。
投稿元:
レビューを見る
「トッカン」シリーズ(『トッカン―特別国税徴収官―』、『トッカンvs勤労商工会』、『トッカン the 3rd: おばけなんてないさ』)の高殿円のお仕事小説。本作の舞台は百貨店の外商部である。
デパートで年間100万円ほどの買い物をする上客は、お得意様口座を持つことができ、1割引きという特典が付くほか、外商員と呼ばれる「御用聞き」が家に出向く。希望の商品を持って行くだけでなく、贈答品の相談に乗ったり、ケータリング等を請け負ったりする。
そうした外商部に働く側の目から見た、お仕事の「裏側」を垣間見られるエンタメ小説である。
年収1000万を超えるのは全世帯の1割なのだそうだが、本書に出てくるお金持ちは、それより一桁上以上の収入だろうと思われる。月々100万にも達するような買い物は、年収1000万ではちょっと手が出ないだろう。
本書の舞台、関西の老舗百貨店・富久丸外商部の顧客は、芦屋の高級住宅地に住むような人々である。
主人公の鮫島静緒は、長身できつめの顔立ち。高卒でケーキ店の営業として働いていたところを、富久丸に引き抜かれ、さらにはそこで手腕を認められて、男の城と呼ばれる外商部で働くことになる。
さまざまな事情を抱え、難題もふっかけてくるお得意様とどう渡り合っていくかが読ませどころである。
「トッカン」シリーズに比べると、幾分落ち着いた筆致で安定感が感じられる。
劣等感を抱えつつも、媚びず、自分の持ち札で何とか勝負していく主人公が心地よい。
ちょっとウェットなトーンが混ざるのも、J-POP的というか、浪花節的というか、気持ちよく涙が流せる感がある。
「上流階級」というタイトルはちょっとナナメに外れている感じもするが、知らない世界もうかがい知れて、しかもエンタメ、軽めに読めて十分楽しめる1冊だと思う。
投稿元:
レビューを見る
嫌な男に 蹴りを入れる 男前な 静緒さん、ステキです♪ 本全体から 宝石を散りばめたような キラキラ感が出ていて ワクワクして読むことができました。
投稿元:
レビューを見る
(No.13-57) お仕事小説です。
『鮫島静緒(さめじま しずお)は、冨久丸百貨店芦屋川店勤務の外商員。男っぽい名前だけれど女性。
ちょっと前まで結婚していたが、ただいま独身。子供はいなかった。というよりそのことでいろいろあり・・・離婚。友人は「ダンナを断舎離」と。
百貨店は女性が多い職場だが、外商員はほぼ全員男性。静緒は冨久丸百貨店で初めての女性外商員として抜擢された。しかも大卒でなく専門学校卒の中途採用だったのに。当然風当たりは強い。
実は冨久丸のカリスマ外商員・葉鳥が自己都合で辞表を提出。人事部は後任を育てるという名目で1年間雇用を引き延ばし、葉鳥氏の跡継ぎ候補として全国の支店・系列店から優秀な店員が10人ほど集められた。その紅一点が静緒。
跡継ぎ候補は葉鳥氏からお客様を数名ずつ譲られ、今までと同じ又はそれ以上のお買い物をしていただく。さらに自分でも新しい顧客を開拓。
1年後も外商として残れるかは、成績しだいという厳しさ。
今まで上流階級とは無縁だった静緒は必死で勉強し、お客様に気持ちよくお金を使っていただくべく努力を重ねるのだった。』
デパート(百貨店)には外商というものがある、ということを知ったのはいつ頃だったかなあ。
母を通じてだったかもしれないな。今とは違ってデパートにもっと重みがあった時代。母の友人宅で外商が出入りしているお宅もあったでしょう。家はそういうことはなかったけど。
私は子供のころも今も、それほどお買い物に興味がない。デパートにわくわくして出かけた、という記憶はないなあ。昔は、買う必要があるもののために行くくらいの感じ。今はデパートより、イオンだわ~。
ここに描かれる百貨店は、静緒の視点しかも外商としての視点なのですが、それでも先の見えない業界の苦悶する姿を見ることが出来ます。
景気はそれほど良いとは言えない。でもお金があるところは実はあるのだ。そのお金をどうやって使ってもらうか、静緒のやっていることは戦いと一緒。
戦いながら、「わたし何やってるんだろう」と時々後ろめたくなったりする静緒です。
あまり縁のない百貨店外商の内幕を知ることが出来、カリスマ・葉鳥氏、天敵・桝家、課長・邑智(おおち)、上流階級のお客様たち、など面白い人がたくさん出てきて、楽しく読めました。
続編出来そうじゃない?書いて欲しいな。
投稿元:
レビューを見る
バツイチアラフォーが百貨店の外商に挑むお話し。
外商ってなんぞや?という人も多いと思うのだけれど、女子にはあこがれの響きがあるのではないかと思う。私も高校時代の大好きなひとの話しに出てきたその単語の明るさを鮮明に覚えている。
高殿さんは関西の方なので、物語の舞台も関西圏です。
このお話を読んだ時に「人生に寄り添えるお客様を」といったカリスマ外商羽鳥さんの言葉が「人生に寄り添える作家を」と言った気がして。高校生の頃から高殿さんのお話が好きで。ファンタジーも歴史物も。そういう風に年を重ねることが出来る作家さんがいて、とても幸せだなと。うちの母親は好きな作家が自分より先に他界していくことが寂しくて仕方なかったようですので。
桝屋やケーキ屋とのロマンスを夢想してもいいのかもしれないけれど、ここはやはり、という気がする。
読んでとても持ちが良くて。頑張ろうかなっておもう。
傷ついても弱くても失敗してもなんで生きているのかわからなくても日々は続いていき苦しいことや悲しいことも相応の対価のように求められる。
それでもいきていくのだね。愚かしいとは知りながら。
高殿さんらしい人物描写と情景/人物の描き方が大変深みのある作品になっています。
…アラフォーで一人も悪くないかなって思わせてくれちゃうのが、難点かもなあ(笑)
投稿元:
レビューを見る
知人から借り本。面白かったです。高卒バツイチ・アラフォーの主人公が百貨店初の外商部員として奔走しますが、仕事に前向きで一所懸命なところが大袈裟にデフォルメされる事無く描かれ好感が持てました。ライバル関係にある同僚との係わり合いも意表をついて可笑しかった^^。トッカンのぐー子も飛び蹴りしてたけど、作者さんは蹴り好き?続編出ないかな~?
投稿元:
レビューを見る
読後感がさわやかなお仕事小説。そーいえば自分にとっても休日に家族でいった百貨店はキラキラしてて特別な場所だったなぁ〜ってしみじみ思い出しました :)
投稿元:
レビューを見る
小説版「リアル・クローズ」ともいえる、いつかTVドラマになりそう・・・。[リアル・クローズ]と違って、この主人公はありとあらゆる「販売」を愛していて、あがいている、現代の日本女子版の「カーリー」のような高殿円らしい作品。
ヒギンズ教授のいない、自前で頑張るイライザは、自分の仕事にも共感できるところなので、深く頷いてみたり。
「なぜ女だけ、仕事と人生とを切り分けて言われるのだろう。」
「値札のつけられない人」になる、というのはかっこいい目標だな、と思ったり、初志貫徹して職人になる道を選ぶ外商の神様がかっこよかったり。
投稿元:
レビューを見る
百貨店外商部に突然配属された女性の奮闘記。
ノルマが月一千万円を超えるという、庶民にはなじみのない外商の仕事がとにかく面白かった。上流階級のまさにゆりかごから墓場までなんでも面倒をみなければならず、オールラウンドな知識が必要な激務である。
ヒロイン静緒をはじめ、同僚や退職を控えたカリスマ外商員などキャラが立っていて好感が持てるし、山あり谷ありのストーリーも楽しい。『トッカン』に続き、素敵なお仕事小説。
投稿元:
レビューを見る
「百貨店の外商」といえば、「たまに耳にはするがどんなことしてるのか知らない」お仕事の代表格である。
少なくはなっているが確かに存在する「上流階級」に向け、百貨店で扱うような「もの」だけでない、さまざまな「サービス」「心遣い」を提供していく。外商という仕事の多様性に驚いたのと同時に、難問奇問を解決しつつ成長していく主人公・静緒の活躍ぶりに、何度も胸のすく思いがした。
続編を、ぜひ読みたい。期待して待つことにしよう。
投稿元:
レビューを見る
上流階級と外商さん、どちらともご縁がナイので、どこまでリアルかわからないのだけど、興味深くて面白かった。
「ゆりかごから墓場まで」百貨店のお世話になる人たちがいるんだなぁとか、そんなことまで百貨店が取り仕切るのかとか、驚きっぱなし。
産まれた時には名前入りのあれやこれや、入学・卒業の際にはお祝いのあれやこれや、結婚の時にも同じく。うん、これは想像できる範疇。
リフォーム。これも最近はいろんなところが取り扱うようになっているので、うん、まあアリかも。
お葬式。……これには本当に驚いた!
兵庫の田舎のパン屋さんで洋菓子を売っていたのが自分の原点となっている主人公の静緒が、叩き上げで男社会の外商に配属されたことや、パワハラ上司やタチの悪いお客を蹴り飛ばす様は痛快です。
お仕事小説と呼んでいいのかは疑問だけど、ドラマ化したら楽しそう。
(トッカンの原作者さんだと知り、納得!)
英国紳士然とした伝説の外商・葉鳥さんについてはもう少し書き込んでほしかったところ。
クリーム王子は立ち位置がわかりにくい。単なる戦友にして親友なのか、彼側の気持ちがイマイチ読み取れない。
そんな中で、登場時は小憎たらしいライバル同僚の枡家が非常によいキャラ。ラストでは思わず応援。
ああ、彼のことはいろいろ書きたいけれど、ネタバレになってしまうので自粛。
本作を読んだ方と、彼の可愛さについて語り合いたいものです(笑)
お菓子も好きだし、兵庫県民なので店のモデルや土地名に覚えがあったりで楽しい読書になりました。
投稿元:
レビューを見る
全くご縁がない上級階級の世界を垣間見ることができ楽しかった
外商さんって,ここまでしはるんやなぁと
年間利用額を知ると,一瞬自分でも使えるのではと思ったが
月額に計算しなおすと,やはりきつい
生活に,ゆとりがあるひとのための制度なんやと,重々わかりました
でも,のぞきみはおもしろい
投稿元:
レビューを見る
人間を階級で分けるなんてちょっと嫌な気分ですけど、それは単なる私のねたみでしょうか?
でもまあ到底自分には関係のない世界をのぞいてやろう、という興味は沸きますね。
洋菓子のバイヤーなどをしていた、主人公がある百貨店の外商に引き抜かれ、外商部員として上流階級の人たちを相手に奮闘するうちに自分自身も成長していくという物語。
いや~外商部というのもあることは知っていましたが、それを利用する人たちって、すごい。
まず百貨店には無いものがないんですって。「ありません、できません」は禁句。宝石貴金属は言うに及ばず、冠婚葬祭の物品からそれぞれの式執行まで、あるいは住宅の建築、リフォームや子供のレアなおもちゃなど、ありとあらゆるもの・・・
「あれが欲しい」「あれ持ってきて」で外商は奔走するわけです。
けれどこれには条件が一つだけあって、それは「金に糸目をつけない」
なんと下品で魅惑的な言葉・・・
無理難題でも、誠意でもって対応するとお客様もそれにこたえてくださる、というように何代もにわたっての長いつきあいが続くともうそれは仕事というより、人生のパートナーのように思えます。
外商部員は、日々お客様の要望に応えるため奔走する合間にも、上流階級の人たちと付き合うために、高い教養、広い知識を日夜勉強するのです。人間何事も、付け焼刃ではすぐにはがれてしまうのです。
偶然見つけた本でしたが、本当に面白かったです。