文字あそびの小説
2014/12/23 15:27
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とんとろり - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の表紙を見て頂きたい。別荘の入り口の階段を見るとよくわかる。出版された本の表紙はワザと絵をさかさまにしてある。
この本はこのように内容もそうなっているということを云っている。
260ページの単行本というにしては価格が1800円と少し高い。理由がわからない。
ネット感想は賛否両論で今騒いでいる。書いてある登場する人物名にアナグラムが仕掛けてあるということだ。
本自体に仕掛けをした名人は何と云っても推理作家、故泡坂妻夫氏で「しあわせの書」だ。氏は回文もうまい。
従ってゆっくり読んだ方がいい。それでも3・4時間で読める。とにかく読みやすいのだ。
この本の読書後の生理的・後味感は良くない。但し、スラーっと読んでしまった人はわからない。悲しい愛の小説だったと思っているかも知れない。昔、実際にあった愛した外国の女性の一部を冷蔵庫に大事にいれて・・・という事件を私は思い出した。
小説自体は心中事件を取り扱った小説である。
本の構成は最初に著者の長江俊和が「出版禁止」について述べている。
〇過去に類似した盗作
〇取材対象者からクレーム
〇差別問題となる場合
が主な理由でそれ以外もないことはないと云っている。そしてなんとか出版にこぎつけたい小説が「若橋呉成」という作家の「カミュの刺客」といって、この小説「カミュの刺客」がそのまま紹介される。
この小説の部分は本の85%を占める。
最後に著者の長江俊和が小説の中の秘密を暴くというスタイルである。
「カミュの刺客」の作者はルポライター「若橋呉成」といい、ある7年前の多量の睡眠薬を使った心中事件を書いたのである。
死んだ男は映像作家の「熊切敏心」女はその秘書の「新藤七緒」である。
熊切には妻がいて元女優の「永津佐和子」である。また彼女には父親の政界の黒幕がいる。
この心中事件は秘書の「新藤七緒」だけが発見が速かった為か生き残ってしまうのだ。ルポライター「若橋呉成」は「新藤七緒」にインタヴューを何度か挑戦する。
あとはネタバラシとなるので書かないがアナグラムを解いて読んでみる楽しみがある。
ここのアナグラムはひらがなにしてその文字の順番を何度か替えて別の言葉に置き換えるという作業である。
□文字は「しかく」と読めばいい。その他にも文字遊び要素が入っている。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
動機不明。何で殺した?何故刺客になった?
殺した後の、インタビューなど、ただの錯乱?
ミステリーっぽく仕上げてあり、山場として描かれた謎の解明も、ただの言葉遊びにしかよみとれず。で、どうした?
評判のわりには、落ちが弱い。
かけている謎もいまいち。だからどうした。
意味不明。
タイトル負け...?
2014/12/14 16:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BACO - この投稿者のレビュー一覧を見る
「今話題の...」というフレーズに釣られて買ってしまった。
もっとマニアック、カルト的で異次元の世界を味わえるものかと想像していたが、なんてことない普通の事件物語だった。
文面や話の回し方に焦りというか安定感が感じられず、引き込まれるものが無かった。
買って残念だった。
投稿元:
レビューを見る
この著者の本は初めてでしたが、文体は読みやすくどちらかと言えばイッキ読みでした。物語はインタビュー形式で進むが、想像以上にグイグイ引き込まれる。最後のドンデン返しがスパイスとなって予想しながら読み進めるのが楽しみな一冊でした。最後の情景はホラー的要素も含み面白かった。
投稿元:
レビューを見る
ルポルタージュ形式の小説でむだがなく、サクサク読めた。ただそのせいで主人公の目線で視点が固定化され、例えば取材対象の心理描写などにほとんど踏み込めないのはルポルタージュ形式の、構造的短所ともいえる。
読み終わった感想を一言で言うならば、ところどころに思い入れというか、例えば太宰治の心中についての作者のオリジナリティへのこだわりは感じられたものの、形式としては「貞子」の系譜に則った、かなり古典的な展開の中に、一元的に収まってしまったかなあ、と。
なんだろう、ルポルタージュ形式といった枠組みはしっかりしているのだが、対象がほぼ一名で終始していたからだろうか?すこし、シングルスレッド、というか、平坦な感じを拭えなかった。シナリオも基本一元的で、輻輳する部分もない。太宰治のくだりで、お、ここでもしや?と、猿丸幻視行とかそのへんを期待しすぎたのかもしれない。
表現などは、さすが映像作家と、ビジュアル映えのしそうなものがみられたが、それもまだ、手持ちビデオの映像をみせられる、ブレアウィッチ的な、計算的チープさをおそらくはあえて狙ったもので、物語に複数の層を与える、というものとはいえなかったと思う。
直感的な面白さと、最後にぱたぱたと展開を早める手法は悪くなかったものの、惜しい、という感じ。
なんか、化けそうな兆しはありつつも、星三つまで、かな。次回作に期待。
投稿元:
レビューを見る
読んでいる間のこの不穏な心情をどう言い表したらいいのだろう。
まさに、引きずり込まれるように溺れるように止めることができないまま読み続けるしかなく。
何が、何が彼をここまで堕としてしまったのか…
この、悲惨なラストを読んでも、なぜか嫌悪感が生まれない。
こういう形は間違っているとしても、どうしても惹かれてしまう。若橋さんにも、七緒さんにも。
人そのもの、というより、その、そのときそこに確かに会った「愛の形」に、どうしても惹かれてしまう。
こんな危険なモノを出版していいのだろうか…
と、ここまでは一読目の感想で。
二読目からがこの小説の本当の目的というかなんとくか。
作者がしこんだたくさんの「謎」をとにかくどれだけ見つけることができるか。何度読めば全部わかるのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
様々な技巧をこらして書かれているだけに、登場人物の薄っぺらい感じが残念。とくに主役のルポライターの性格や人間味、魅力が全くわからなかった。
投稿元:
レビューを見る
ドキュメンタリー作家の心中事件から7年。あるルポライターが生き残った女性のインタビューに成功するが、その記事は封印されてしまう。
面白くはあったが、ミステリーとして読んでしまうと封印された理由が物足りなかった。
(図書館)
投稿元:
レビューを見る
読み終わった後にアナグラムと表紙の意味がわかり鳥肌がたった。
わりと想像できない結末で個人的には楽しめた。
まだまだ隠されたアナグラムがありそう。。気になるーーー。
投稿元:
レビューを見る
過去の心中事件を調べるルポライター。
ルポ仕立てだからか、ぞわぞわ来る。
読み終わって、じわじわ怖い。
投稿元:
レビューを見る
面白かったです・・・面白かったんです。
結末が気になって一気に読んだくらいで、本当は★は5にしたいくらいなんです。
でも読後感が悪すぎた。
なんとなくわかったんだけど、全部が解明されてないからモヤモヤしたままで、解説してくれてるサイトも見たけど、なんかまだあるんじゃないかと思うし、それを考え出したらキリなくて疲れてしまった(苦笑)
あと最後がグロい。
名前のアナグラムの結果もグロい。
グロいのが苦手な方には読むのを勧めたくはないんだけど、それ言ってしまうとちょっとネタバレになりそうだから伝えるにも伝えられず、結局王様のブランチで本仮屋さんが言ってた「人には勧めたくない」が妥当かな。。。
作者さんには一度この本の解説をお願いしたいくらいなんだけど、今までの放送禁止シリーズもそういったことに言及してないからダメかな・・・。
にしても、気になりすぎます。。。
投稿元:
レビューを見る
わかってて読むと、ほとんどギャグだよw
エンターテイメントだね。
2時間で読み終わって、仕掛けも全部わかるよ。稚拙(あ、なんかすみません)で読みやすい。
でも仕掛けじゃないとこで矛盾がある。
あれについてもう少し考えてみよう。もしなんかの仕掛けならすごい、かな?
投稿元:
レビューを見る
なるほど、視覚の死角で刺客は…
最後の「カミュの刺客」の出版にあたっては、二重にも三重にも衝撃的で、奥の深い最近久々の傑作である。
投稿元:
レビューを見る
男女の心中がテーマで物語が進んでいく。犯人は生き残った方か、それとも本当に心中だったのかというありふれたオチかと思っていたら、最後は想定外の展開でジェットコースターに乗っている気分であった。最後の衝撃はすごかった。様々な箇所に散りばめられたアナグラムを解くのもおもしろい!また、太宰治の心中事件の真相までのっていて、勉強になった。指切りげんまんは昔、遊女たちが叶わぬ恋のために指を切って愛を確かめてたといった雑学まで学ぶことが多い内容であった。