月と六ペンスで読みました
2016/02/14 17:47
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投稿者:千虎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都のブックカフェ「月と六ペンス」に行ったときたまたま見つけて手に取りましたが、泣いてしまいました。とてもいい作品だと思います。
東京から、京都でカフェを営む姉のもとにやって来て暮らす妹の目線で語られる物語です。
何度も登場する「あいしてる」という言葉が独特の響きをもって迫ってきます。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこをどう評価していいものやら。
悪く言ってしまうと、ダラダラした文章で、ページがなかなか進まない。
なにかの賞をとってるみたいだけど、どこが良かったのか教えて欲しい。
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序盤はなんとか期待を持ちつつ読んでいったけど、中盤から読みづらくなってきて流し読みで最後までいってしまった。単調な物語は嫌いではないんだけど、、。イマイチだった。
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福井の書店にて。地元出身の作家さんってことで推されてたんだよね。年齢が近めだったこともあり気になって。そういえば新人賞の作品を近い間隔で読んでるなぁ。
雑誌の編集者の主人公は言葉と自分の思いのギャップ違和感を覚えてきて、仕事をやめて京都で姉と喫茶店をやっている。「そのひとの声と重なって、本音や自分すら気づかない思いが 色づいて 聞こえる」という少年に会って……。というあらすじ。なんかちょっと不思議な感じとか文章が村上春樹的かも。
流行の最先端!とか絶品グルメ!とか、強い言葉が広告分野ではいまだに必要ではあるけれど、 そういう部分に違和感があるのかなぁ。地の文には境目が曖昧な、そうかもしれないしそうでもないかもしれない。みたいなニュアンスの言葉がとても多い。
世の中実際に割りきれることなんか多くないと感じてるし、境界線をクラゲみたいにたゆたう感じは個人的に好きなので、名前のつかない曖昧な気持ちを言葉にしようとするところが結構好きだ。
序盤の病んでる描写がなんか生っぽくてぞわっとした。
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うーん…なんか不思議で不気味でふわふわしてて掴み所がない文章だなという印象。登場人物のセリフが詩的すぎてリアリティがない。私の好みではなかった。
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第27回小説すばる新人賞受賞作。京都を舞台にしている作品なので、京都の風景が頭に浮かんでくる。あらすじにも書かれているようにみずみずしい感性と繊細な文章表現がとてもきれいでそういった部分が印象に残っている。しかし、作品に特に共感をできる部分もなく、新人にしては文章力が高いなと思うくらいである。
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文書がところどころ変。
頭にすーっと入ってこない。
まぁそれが狙いなんかな?
鴨川の描写は好きやった。
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京都に集う人々の、やさしい物語。
ことばって、何も表せないのではないか。何も伝えられないのではないか。そう思ったこともある。でも、伝えるために、表すために、ことばが必要なのだ。
舞台は京都。不倫だった恋愛の相手と別れ、美月は東京から京都でカフェを営む姉・奈々子と暮らす。父は亡くなり、母はオーストラリアにいる。カフェの常連客である少年・準や、昔の姉の同級生・織田さんとの日々。やるせない、でもいとおしい日常の描写。まだ折り合いがつかない過去。うまく「声」がことばにならなくて、でもわかりあえる人を求めて。表紙からして、ふんわりとした、でもどこか冷たい作品。
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第27回小説すばる新人賞受賞作。第28回の「ラメルノエリキサ」がよく出来ていたので読んでみたのですが、本作はなんだか抽象的すぎて俺の守備範囲ではありませんでした。残念
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何度も目が滑って文章が頭に入ってこなかった。面白い本は集中して一気に読んでしまう質だけれど、読了までに3、4日かかった。文学的な良さはあるのかもしれないけれど、エンタメ的な楽しさをすばる新人賞に求めて購入しているので、その意味では期待はずれだったな…。
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注意:今回はいつもより多分に私見が入っており、なおかつそれゆえに作者さんの思惑通りの解釈をできていない可能性が高いです。以上をご理解のうえ、書評をご覧ください。
この小説、ヤバい。
亡き父の料理店をカフェに改装した姉から手伝いを頼まれたことを機に、東京での出版社勤めをやめてウェイトレスになった主人公の、カフェに通う不思議な少年や姉と懇意にしていた小学校教諭の青年などとの交流を描いた一年間が書かれた小説。
これだけ読むと、ただの『スイーツ(笑)向けのふいんき←なぜか変換できない』小説。
実際そういう側面は強い。
強いんだけど、その一言で片付けていい作品とは僕には思えなかった。
この小説、ちょっと見方を変えると。
己のものではない言葉を無理くり繰って生きることへのごまかしがきかなくなってしまった主人公が、人に向けられた言葉とその中にある思いを直観できる少年の言動や表情をつぶさに観察することによって、少しずつ自分が言いたいことや感じていることを自分の言葉で表現する能力を取り戻していく物語、とも言えると僕は思うんだ。
だってこの主人公、語りが繊細で洞察力と感受性にめちゃくちゃ富んでるんだもの。物事に不感な状態で生きている人間が一ミリたりとも考えそうにないものやことを、平気でポンポン述べちゃうんだもの。編集者時代にスイーツ食レポの仕事に打ちこみすぎて甘いものの極地、角砂糖を食べなきゃ眠れなくなっちゃったりとか、少年が自分の能力を告白したその晩に彼の感覚を再現した夢にうなされちゃったりとか、愚鈍な人間が逆立ちしてもできないようなことばっかりやるのよね。とてつもなくセンシティブなんだけど、ちょっと内面不器用なところがある。
そんな人間が、過去の女へ未練たらたらな妻子持ちのおっちゃんと不倫状態にあって、得るものこそあれど振り回されまくってたら、そりゃ疲れもしますわな。それに追い打ちをかけるように父親が他界して母親は海外で生活をはじめて、ねーちゃんはねーちゃんで婚外子の流産を機に甘みに痛みをともなう心身の傷を負っているしで、いたたまれないのよ(ねーちゃんの流産のくだりは、あまりのすごみに読んでて鳥肌が立った)。
この物語は、そんなボロボロ姉妹が不思議な少年のカフェ通いを機に、すこーしずつ恢復していく、その兆候が現れるまでをじっくりねっとり書いているように、僕には思えた。そうじゃないなら、織田くんとたなかさんは作中に出てこなくていいし。
とにかく僕は、主人公が「愛してる」って言葉を己の内側から自然とわき出せるようになったことに、ほっとした。こんなことに安堵するようなガラの人間じゃあないけど、この作品だけは別。こういう純真な繊細さを持ってる人間には、シニカルになってほしくない。そここそがこの作品の一番の魅力と僕は思うなぁ。
余談。チーズケーキは恐れ多すぎてしばらく食べられそうにありません。
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結局なにが言いたいのか全くわからなかったけど、文章が綺麗で読んでいて、京都の淡い感じと色んなものが混ざった不思議な感覚を感じた。
うーん。自分で感想書いててイマイチわからん。
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感想をまとめるのがとても難しい小説だった。
第一印象では『甘さ』『愛してる』がキーワードとして沢山描かれていると感じ、小説の中で『甘さ』は感情を表していますがそれは一つの感情だけではないと思いました。
●『甘さ』に関する疑問点
小説の最初の方で、主人公の女性・美月は雑誌編集をするにあたってパンケーキを食べる。しかし、その味を決まった常套句でしか表現できない自分に苛立ち、毎晩角砂糖を食べてしまう「角砂糖現象」が起こってしまう。
パンケーキの特集の仕事が終わるとその現象は消え、美月はバスタブに湯を張って角砂糖を溶かして入る。
その「甘さ」が活き活きと自分の中に根付いていると感じるがその甘さを表す言葉が見つからない。
このバスタブで溶かした「甘さ」はパンケーキの甘さとも角砂糖の甘さとも違うものなのですが、何が違うのかという疑問が残りました。
私が思ったことは、パンケーキ・角砂糖は味覚としての「甘さ」、バスタブで溶かした角砂糖は感情としての「甘さ」だったのかなと思います。
どんな感情としての「甘さ」だったのかは分からないのですが、この後から物語上て感情としての「甘さ」が頻繁に登場するような気がします。
●美月の姉・菜々子の「甘さ」
菜々子は昔付き合っていた男性との間に子供を授かりますが、早期流産しています。
フレンチトーストを食べている時、「姉は子供を産む」と家族に宣言したが、その後に流産してしまうのである。それ以来、姉はチーズケーキを「甘いから、痛いのよ」と甘いものを食べた時「痛い」と言うようになる。
これは、甘いもの(子供・幸せ?)が体内に流れ込んでくるとともに、やがて身体の中から這い出してくるという痛み(流産の苦しみや悲しさ)を思い出してしまうからなのかなと思います。
そうして姉は新しく再開して恋仲にある男性・織田とも付き合わず、中途半端でいる。
私は「甘い」は姉にとって「幸せ」の象徴であるとともに、こどもを産むと決めた幸せな時間と失った時の絶望の二つを思い起こさせるものであったのかな、と感じました。
p.96「私は姉の強さが、残酷さと尊さの両方を孕んでいるように思った」
●「愛してる」の色彩
美月は雑誌編集の仕事を辞めて、姉が経営する喫茶店で働くようになりますが、そこで不思議な男子中学生の「準」と出会います。二人は少しずつ関わりを持つようになり、やがてお互いを好きだと思うようになっていきます。
まず、互いに感じる相手の色について、
美月は「じゅん」という名前の響きから桜が雨に打たれて少しうつむいているピンク色を思い浮かべます。
準は美月を黄色や橙色っぽい感じと言います。
次に愛してるの「色」について
準は人の感情やそれに伴う言葉や色が聞こえたり見えたりしてしまう男の子、そのためこの小説には沢山の感情の色が表現されていますがその中で「ピンク」「黄色や橙色」が描かれている部分を探してみました。
そうして読み返してみると、準が美月をみて感じる色として2つの色が表されていることに気���きます。
一つは、桜みたいな綺麗な靄のお父さんとお母さん。
もう一つは紅葉色のお父さんとお母さん。
両者とも『愛してる』と聞こえるのだと準は話します。
わたしはこの2つの色が『愛してる』象徴だと思うのですが、小説の最後に出てくる『愛してる』は別の色を持っています。
「緑色と青色の『愛してる』が一杯だから」
準のセリフですが、この色はピンクや紅葉色よりも強い意味を持っているような気がします。
ひょっとしたら準と美月が産み出した新しい『愛してる』の色なのかもしれません。
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京都が舞台の小説なので、京都が大好きなわたしには情景が浮かんでとても良かった。
すごく繊細なお話だと思う。主人公の美月、姉の菜々子、織田、準、みんなそれぞれ切ないものを抱えている。準がこのまま心が綺麗なままに育っていってもらえればいいのになあと思いました。
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東京で過ごしていた日々を、京都で過ごすようになって思い出す数々のこと。
東京で雑誌の記者として何十軒のお店を回っていたこと。
結婚している溝端さんとずるずるとした関係を捨てて
京都にいる菜々子姉ちゃんのカフェを手伝う日々を送る美月。
カフェに1人でやってくる中学生の準くん。
自分に無関心な両親との関係や、
他人から聞こえてくる不思議な声や雰囲気を感じ取る準くん。
菜々子姉ちゃんの同級生の世界中を旅してきた織田さん。
人が集まる場所で、さまざまな声を聞き
思い出すこと、いろいろ。
最初からなんとも陰鬱な雰囲気で
どうなることやらだったけど
意外と穏やかな方向に行って一安心だったよー。