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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
小説の中でも現実と同様すっきり終わるということはありません。
被害者の名誉は回復されないし遺族の心が晴れることもありません。
犯罪被害者遺族にまだそれほどスポットが当たっていなかった時代にこれを書かれたのはすごいなと思います。
紙の本
展開に驚き
2023/02/09 11:37
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
母を殺害された真裕子。その犯人とされた教師の松永が裁判で無罪を主張し始めた。凶器はドライバーという自白は警察の誘導によるものだった。そしてその凶器が松永の家の工具箱から発見され、血痕は付着していなかった。冤罪事件としてマスコミが騒ぎ、真裕子の周りもざわめき始める。無罪の空気が流れ始めたときに、検事の速水は警察にある指示を出す・・・・・。
犯人を追い詰める場面にはちょっと寒気がしました。展開の仕方が読書には読みやすくて読み応えがありました。
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上巻は事件が起こってから裁判まで、下巻は公判から判決までを描いている。話は被害者遺族と加害者家族の視点を中心に進んでいき、それに新聞記者、刑事、検事が加わるため、殺害の様子や凶器、殺意を持った経緯など犯人と被害者しか知らないことは最後まで明らかにならない。被害者や遺族が常に置いてけぼり、というのはこういうことなのだとよく分かる。これでは遺族はどこに気持ちをぶつけたらいいのか。加害者の妻は、最初は夫のせいで今までの生活が壊されたのだから、責めるのは仕方ないと思っていたが、あまりにも自分大好き人間でうんざりした。それとも家族が犯罪を犯したら、誰もがこんなふうになってしまうのだろうか。
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今まで読んでいた事件ものとは違い
犯人以外の心の描写に
思わず一気読みしてしまった
普段通りが一番の幸せなんやね
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殺人事件が起きたときの、加害者、被疑者の家族 親、兄弟親戚沢山の人んの人性が 一転してしまう
実際そうなんだろうなと 思いました。
7年後の晩鐘も読もうと思います
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ずいぶんあっさり犯人が逮捕されたなと思ったけど、そこからが本番だったんですね。裁判が進むにつれ真実は揺れ動き、被害者家族、加害者家族は人格から崩壊させられていく。真実はどうなのか、残された彼女たちはどうなってしまうのか… その心理描写はさすがですね。後半は一気読みでした。
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あらゆる立場から犯罪に関わってしまった人たちの物語。犯人もそうそうに逮捕され、遅々とした展開の上巻に比べダイナミックに読み進めることができた下巻。細かい心情描写は乃南アサの真髄。つらい思いをした人とそうでない傍観者において時間は平等に流れるのか、と疑問を沸かせる。
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上巻は何度も寝落ちた記憶が有る。
下巻も・・・とおもいきや
一気に読了。
加害者の妻そしてその一族の
何ともやりきれない気持ちや
落ちぶれていく様などは
ドラマじゃないと思える。
そして被害者家族は
家族を失う悲しさ寂しさに加えて
戦っていかなければならない
守られない死者への攻撃。
相手は他人やマスコミだけでない。
身内にまで・・・
被害者の人生を
置き去りにされる裁判等々
本当に最後まで考えさせられた。
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思ったよりあっさり終わった。
被害者の遺族も辛いが、加害者の家族も辛い。結局真相は藪のなかだが、浮気された上、殺人犯の妻になってしまった香織の悲哀はものすごいと思う。
建部はマスコミの良心のように描かれているが、結局自分の興味のために家族をつけ回しているようにしか見えなかった。
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知能犯の容疑者、妻も弁護士も、そして検察官も警察官も翻弄される。三回忌を迎え、加害者妻と被害者の娘との遭遇と話した場面が、何とも虚しいが、『晩鐘』への予兆か?
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Rさまオススメ本。下巻読了。
なんといっても真裕子が痛々しい。
いや、痛々しいというのとも違うかな。
どう表現してよいかわからないけれど、
とにかく悲しい。
痛々しいのは香織のほうか?
警察の執念によくぞと喝采。
なんともほんとにクズ男だったなあと。
なんで?お母さん。
やはり気の迷いか。
真裕子に思い入れが強くなりつつも、
実は読んでいるときは誰に感情移入して良いものか非常に難しかった。
最後の最後にまたこんなことが、と思わされ、
このあとそれぞれどう生きていくのかと気を揉ませた状態で終了。
また月日が流れたあとの話があるそうですが、
どのようになっているか楽しみです。
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高校生と浪人生、二人の娘を持つ母親が殺害された。数日後に犯人として、浪人生の元担任教師が逮捕された。不倫の末に、殺害に至ったとされ、一旦は犯行を認めたものの、凶器が発見されないまま裁判が始まる。公判で、被告は犯行を否認、弁護士は冤罪により勝訴できると考えた。
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流石に長すぎる。上下巻で1131ページ。母を殺された家族とその被疑者の家族をめぐる物語。心情描写、文章はうまいけれど、展開がスローなのは上巻と一緒。下巻では劇的な展開を期待したが、思ったほどでもなかった。話自体は興味深いけれど、これはちょっと集中力が持たなかった。終章が蛇足に思えたのでその前で終わってよかったような。長かったわりに本当に知りたかったことは藪の中なのも消化不良。とはいえ圧倒されるところもあり(特に上巻)読んでよかった。でも再読だったと994ページ目に気づいたときは自分のボケ具合に落ち込む。
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母を殺した犯人とされる教師の裁判が始まる。
公判というのは続けてやるものだとばかり思っていたが、
期間があくものなのだと初めて知る。
犯人の罪が確定しても、被害者とその家族が救われる事があるはずも無く、
読んでいて気持ちがズーンと重くなる。
家族たちはその後どう生きていくのだろうか。
時間が解決してくれるとは到底思えないが、
何とか光を見つけて欲しいと願う。
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一方で、あなたの近しい人が殺人を犯したとしたら、しかもそれが夫だったらどうでしょうか。―刑事が訪ねてきて、夫が人を殺めたと香織に告げる。捜査の過程で明らかになる夫の姿。裏切り。そんな言葉では済まされない状況におちいる香織だが、夫は裁判で無罪を主張した。いったい、何が本当なのだろうか…。“事件”に関わる“人間”をあますことなく描いた大作。