理論は興味深い。ビジネス書の枠を、完全に超えている良書。
2016/11/03 17:13
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はビジネス書として刊行されているが、その内容は明らかにジャンルを超えている。
普通ビジネス書といえば、実用向けの、深くない内容のものが多い。
また、明確な根拠を示さずに経験から得た結論を掲げる、といったことが多い。
本書はむしろ、心理学の本と言っていいだろう。著者も心理学畑の人のようだ。
内容は濃く、ビジネス書にありがちなハッタリ系ではなく、むしろ科学的な態度の記述。
実例も多く紹介されているが、非常に現実的。
また、単に読むだけではなく、読者も読みながらこの理論を実践できるように、手引きも丁寧に作られてある。
自分も免疫マップを完成させるところまではやってみたが、実際に実験を繰り返し検証してみるところからは、
実践しないで読むだけにしてしまった。
組織についても、自分の所属する組織でもしもこれを導入したら…? とは一瞬思ったが、実際には導入できない。
本書の理論は興味深く、参考になる。
ビジネス書の体裁なので読むのを躊躇してしまう人が多いと思うが、その内容は、しっかりしている本。
ロバート・キーガン の決定版
2022/03/02 12:21
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投稿者:もり - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に良書でした。
ロバート・キーガン の決定版となりうるように思います。とてもいいです。おすすめです
内省を行うための良書
2019/01/03 22:47
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投稿者:pika - この投稿者のレビュー一覧を見る
人が変わろうと思って、「改善目標」を設定しても変われないのは、「裏の目標」が存在するからである。分量は多く、読破するのに時間はかかりますが、知識のインプットとは違う局面で、自分の成長に頭打ち感を感じている方は、多くの気づきを得ることができるかもしれません。
人間性の成熟は、意図して実行できる、という本であると思いました。
2019/11/13 22:38
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投稿者:一読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
技術的な対応ではなく、適応が必要な問題に対応するためにはどうすれば良いか、ということに、筆者なりの回答を示した本です。適応とは、人間性の成熟、物事を一段上から見るための視座、あるいは悟り、のようなものに近いのかもしれません。
適応が必要な問題に取り組むためには、自分の行動発露の核となる感情を知る必要があり、その感情に逆らう行動を意図して行い反応を学習することで、世界の見方と行動を変えることができる、という趣旨であると理解しました。
私は心理学や精神医学には全く詳しくないですが、おそらく認知行動療法に近い活動なのだと思います。あるいは、リハビリテーションのような活動の、思考に対するもの、というものに近いような気がします。
本書の内容は、個人一人で実施するのは想像より難しいところがあるかと思います。また、組織改革としてプロジェクトやタスクフォースとして取り組むものとも少し異なる気がします。実施するには、伴奏者のような役割の方が大切だろうと思いますし、組織的に取り組むならば組織代表者の強く息の長いコミットが必要でかつ人事研修として定期的振り返りを埋め込まれた枠組みで実施しないと、当該手法が自走するまでに至らないと思います。
各ケースは、当該手法の流れと至った顛末を説明するために用いられているため、ケースごとに得られている示唆、感想をどこまで自分ごととして取り込むかは、個々人で判断する必要があると思います。
(以下、自身のためのメモ。もし自分が知っていたら、もっと本書の中身が分かったのかな、と思う内容…マズローの5段会欲求、ジョハリの窓、認知行動療法、学習する組織、悟り、など)
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投稿者:藍玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
集団と、人間の成長過程について、実際のデータに基づき論理的に説明してあります。根性論でなく、なにをどうしたら変化するのか目から鱗です。
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前々から気になってた1冊。旅行中、読もうと思い、持っていくも全然読み進められずにいてやっと読み終わることができた。
最初の出だしの「心臓病患者がなぜ変われないのか」という問いからグッと引き込まれる内容。
要は変わる必要性も分かっているし、変わりたいという想いもある。どうすれば変わるのかという方法も分かっている。
なのになぜ人は変われないのかというメカニズムを解き明かしていることに本書の意義がある。
簡略に言うと、それは人の固定観念に基づいているから。
行動だけを変えても何も変わらない。その行動の裏にある価値観を変えないと変われない。
それが「技術的な課題」と「適応を要する課題」の差。
そして最も驚きだったのは、人が変わろうとする際には「変革をはばむ免疫機能」がそれを阻害するということ。
変わりたいと思う自分が表だとすれば、裏では実は変わりたくないと自然に思っている自分がいるということ。
要はアクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態。
だから進もうと思っても進まず、人は変わらないのであるというわけ。
正直、変革のための具体的な方法まですべて理解できたわけではない。何回か読み込む必要あり。
でも、留学の価値の本質について確信を深められた。
留学に行って人が変わるのは、やはり内面が変わることに関係していることは間違いない。
そしてどうしてその内面が変わるかというと、それは自分の固定観念が明らかになるから。
日本にいたときには気づきもしなかった固定観念があぶりだされる。
そしてその固定観念に支配されないで、自分を支配していたものを「客体」として客観視できるようになる。
こんなことは今明らかになったわけではないけど、学術的な側面から証明されたのは大きい。
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前半面白く読みました。
後半、失速。
ううううん。
でも、仕事を遂行するにあたってなぜうまくいかんのか、
という思考のクセについてなるほどと思ったのだ。
やっぱり自分が読むより、リーダーに読ませないといけない本。
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変われないのには、変わらないことで守れている何かがある。変えたいのであれば、そこへ焦点を当ててアプローチをする。
訳本なだけに読むのには苦労したけども、読むだけの価値がある本と思いました。
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印象に残ったところ。
ハイフェッツは人が直面する課題を「技術的な課題」と「適応を要する課題」に分類する。盲腸の手術や、旅客機を無事着陸させるのは「技術的な課題」。
その種の活動で得られる知識と技能は、言ってみれば、コンピュータに取り込む新しい文書やプログラムのようなものだ。そういう知識と技能にも、それなりに価値はある。しかし新しい文書やプログラムをどこまで活用できるかは、コンピュータのOSで決まる。
本当の能力開発(成長)を成し遂げるためには、単に知識や行動パターンのレパートリーを増やすだけでなく、OSそのものを進化させなくてはならない。
今日と明日の世界で直面する課題の多くは既存の思考様式のままで新しい技術をいくらか身につけるだけでは対応できない。この種の課題に対応するためには、知性のレベルを高めることによって、思考様式を変容させなければならない
つぼみがいずれ綺麗な花になり、イモムシがやがて美しいチョウになってはばたくと知っていたら、
目の前のつぼみやイモムシにいらだちを感じることはない。
メンバーの知性の発達を促すために、リーダーが取るべき大切な行動がある。
つぼみを力ずくで開花させたり、イモムシを特訓してすぐに空を飛ばせたりすることはできないが、
チューリップを豊かな土壌に植え、イモムシにみずみずしい葉っぱを与えることはできる。
支援と試練
「他人に弱みを見せるのは、相手に銃弾を与えるようなもの。みんなの関係が良好なうちは問題ないかもしれない。でも、誰かがその弾を銃に装填して、背後から撃たない保証はありません」
(さわ)
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成長する為には変化が必要とされて久しいが、多くの個人や組織は変われなくてもがいている。その変化への処方箋として改善目標、阻害要因、裏の目標、強力な固定観念からなる免疫マップを提唱する。
改善目標とは、権限委譲して重要課題に時間とエネルギーをつぎ込むなど、自分が目指すこと。阻害要因は新しいことに手を出して仕事を増やしたり、他者に仕事を頼めないなど、目指すことができない理由。裏の目標は他人に依存しない万能人間でありたい、自己犠牲の精神の持ち主でありたいなど自分の中の別な部分が望んでいる結果。強力な固定観念は、他の人に頼ったり、多くのことが実行できなければ自尊心を失うなど本人が無批判に事実と認識していること。
このような分析やコンサルティングで改善目標へと導く多種多様な個人そして組織を描くことで、変化への考え方をとても分かり易く描いている。実際に行うのは自分の心との葛藤が大変で一人ではかなり難しそうだ。
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ザ・アメリカ!という感じ。
要するに集団でやるデブリーフィング+認知行動療法ってわけか。裏表のないアメリカ人には向いてるかも。日本人には馴染まないやり方とはいえ知性的な集団ならできるかもね。
ただ「裏の動機」も所詮は意識化できる範囲の動機なんやろうし、となると、感情を扱ってますよ、従来のコーチング技法とは違いますよ、と言いつつも所詮はコーチング技法のひとつか。
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人や組織に限らず、
問題解決など「変化」を語る前に是非読みたい本。
個人的には星5つでもたりないと思うぐらい満足。
人間は弱いものである。
そして弱さゆえの無意識の思い込み(固定概念)にふりまわされる。
その思い込みにきちんと目を向け、
人や組織の本当の問題解決を目指す。
それを免疫マップという表現で洗い出している。
実際しっかり実践するのはなかなか簡単ではないだろう。
普段意識下にもない無意識に向き合うことをやるのだから。
だからといって諦めてはいけないのだと思う。
我々が固定概念に囚われているということを念頭において、
うまくいかない理由は隠れた無意識にあるかもしれないと
「意識下におこうとする」ことから始めたいと思う。
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立てた目標に向かって歩き続けられないのは意志が弱いというよりも、自分でも気づかない強い固定観念に基づいた裏の目標があってコンフリクトしているからではないか、との考え方を提示している。いわば、アクセルを踏みながら同時にブレーキを踏んいるかのように進んでいないのに疲れてしまう状態。その時に必要なのは、やり方を変える(技術的に解決しようとする)ではなく認知を変える(適用する)こと。そのための固定観念と裏の目標を導き出すステップを具体的に提示している。
固定観念がもし違っていた状況を想定して安全な範囲で検証してみるというアプローチが非常に良いと思った。これまで色々なことが三日坊主になっていて、続かない性格だなあと思ってたけど新たな視点でやってみようかと思わせる良書。
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免疫マップにおける、改善目標、阻害要因、裏の目標、強力な固定観念のうち、裏の目標、強力な固定観念は凄く同感。改善目標、阻害要因が表面的である一方、裏の目標、強力な固定観念に人間の真因が隠れていると感じた。特に勇気を持って裏の目標をさらけ出すことによって、本音で語れるのではないだろうか。
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免疫マップというフレームワークを使って自己変革を促す理論と方法について書いてある本。
フレームワーク自体が分かりやすく、事例やチェックシートまで準備されているため導入しやすい。
私はNLPの理論にそって、どちらかというと行動重視の考え方をとっている(行動が変われば思考が変わる)。しかし、行動が変わっても考え方は元のままということもあるため、両方を変える手段として活用してみたい。