どこまでも続いている
2022/05/13 15:20
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビルに囲まれた商店街での不審死から、幾つもの幕が開けていきます。無関係な人たちに繋がりが生まれたり、劇中の登場人物が現実世界に現れたりと自由自在ですね。
複雑な入れ子構造
2017/11/06 06:21
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この話は最初普通のミステリーのプロローグのように始まり、ホテルの中庭のカフェで待ち合わせた女の一人がもう一方のやった殺人を告発し、告発された方はなぜかその場で飲んでいたワイングラスを落として亡くなってしまいます。
次の章「旅人たち1」では新宿のある地下街の噴水のあるところで就職活動中の若い女性が亡くなった事件が提示され、その目撃者たちの女性に関する証言が著しく食い違っていることに言及され、それが話の着想となった、というようにその後に延々と語られ演じられることになる「話」が暗示的に提供されます。
その話というのが最初の章で告発されている気鋭の脚本家の毒殺(謎の死)で、容疑はパーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かり、警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『告白』を演じさせようとする――という設定の戯曲『中庭の出来事』を執筆中の劇作家がいて。。。というように入れ子構造がどんどん入り組んできて、読者は自分が今小説の中の劇中劇のどの舞台に居るのかあるいは居ないのかよく分からないまま、虚実が入り混じりながらクライマックスに否応なく押し流されていくような錯覚に襲われるような気がするのではないでしょうか。少なくとも私はそういう印象を受けました。
劇中劇のシーンでは台本のように「女優1 どこそこに座って」とか「暗転」等の用語があるので、それと分かりますが、そうでないシーンも視点を変えて繰り返されたりするのでそれがまだ脚本家の書いている話の中のシーンなのか、話の外なのかよく分からなくなるところがこの作品の魅力なのだと思います。
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恩田陸の作品は結構読んでいるのだけど、
今回のものはなんだか好きになれなかった。
劇のなかの劇のなかの劇の…
というのがどこまでも続きそうな、入れ子構造が好きになれないのか、
あるいはそこで提示されることに興味が持てないのか。
ラストが曖昧な作品自体は嫌いではない。
恩田陸の「ユージニア」も「Q&A」も読み応えがあって、
色々考えさせられた。
だけどこの「中庭の出来事」を読み終わった後に、
じっくり考えたいことが頭の中にないのだ。
ただ、「ああそうですか」と思ってしまう。
女優の性とか何とかに興味が持てないし、
それ以上に考えたくなるようなこともない。
山本周五郎賞受賞してるってことはきっと私の感性がずれてしまってるのだな。
自分としては、面白みが感じられない。
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個人的にはかなり面白かった。
どこというでなく、なんとなく。
作中に流れる雰囲気が。
ただ、終わり方には肩透かしを食らった気分。
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劇中劇のある劇を演じる三人の女優。読者からすると劇中劇中劇構造?もう一階層あるかも。
現実が劇とリンクする上に、三人が同じ劇をそれぞれ演じるため、階層は更に複雑化します。
加えてそれとは別の似通った事件や、関係なさそうな二人の男の話も入り乱れて…
書いててこん絡がってきますが、読んでてもこん絡がります。
事実と劇と劇中劇の区別が付かなくなってきますが、それが作者の意図するところ。
読んでいる自分まで劇に巻き込まれるような、奇妙な感覚を味わいます
……が、最後で台無し。
作中で十分体現していたのに、最後にわざわざセリフで説明してしまったせいで白けてしまいました。
良い作品を読むと、読後も作品の世界を漂い続けることがありますが、
これは逆にどっぷり作品の世界に迷い込んでいたのに、最後で押し出された気分です。
やりたかったことは分かるんですがね。残念。
複雑な構成が、終盤に一気に組み合わさっていくのは爽快です。
読み始めてしばらくは本筋が見えず、読むのに気力が要りましたが、ある時点から一気に入り込めました。
……つくづく最後が惜しいです。
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舞台のセリフと現実のセリフ。
舞台の中で繰り広げられる舞台のセリフ。
どこまでが演じられているもので、どこまでが現実なのか。
心して読まないと、あっという間に分からなくなります。
これはもう一度読んで、理解したいなぁと思いました。
ひとつの出来事に対して、さまざまな見方が出来る。
真実はいつだって周りから見ただけじゃ分からないもんだって思い知らされた気がします。
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中庭という四方に開いているようでいて、実は密室でもある不思議な空間を舞台に、現実と、劇中劇とが錯綜する不思議な恩田さんならではのお話。ちょっとプリーストの『魔法』を思い出しました。プリーストより恩田さんの方が仕掛けますよ、と正直に手の内を最初からばらして(というか帯とかでばらされて)いますが。最初ちょっと入りにくかったですが、頭を使わないようにして素直に読む気になった後半はすーっと入れて、最後は自分も観客のひとりになったような気になって読んでいました。やはり恩田さんはすごいです。
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なにが中でなにが外なのか。
順番に展開される話にまきこまれていくような感じがする。
さすが。
現代の人はみんな自分を演じているんじゃないだろうか、
都市は見る・見られるを作り出そうとしているんじゃないだろうか、
それだけでも面白い話だよなぁと思った。
脚本を読まない人には少し読みづらいかな、と思ったけど
個人的にはロミオとジュリエットも桜の園も真夏の夜の夢も奇跡の人も
小説にぴったりな部分をうまく抜いてきたなーと感心してしまった。
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どこまでが(作中の)現実なのか、どこからが架空の物語なのか?
作品は、「中庭にて」「旅人たち」「中庭の出来事」という3つの話から構成されていて、それぞれが関連しつつ、微妙なズレを感じさせながら展開していきます。
最後の最後で、3つの話が繋がっていくところは、「なるほど」とは思うものの、あまり驚きはありませんでした。
ミステリの要素は、薄いと思います。
作品としての構成が複雑なので、集中して一気読みしてしまわないと、理解不能に陥る可能性あり。
「劇中劇を見ているつもりが、劇中劇の中の劇を見ていた」というような複雑さ。
そして、最後は、読者をも作中に巻き込むように、登場人物がこちらを向いて語りかけてきます。
ミステリ的な要素を求めるならば、あまりお勧めしませんが、作品を読み解くのが好きな方や、ひとつの作品を繰り返し読むタイプの方には、とても楽しめる作品だと思います。
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読んだ後に残ったイメージは
「劇中劇」と「女性の心理」。
最後はもう、あまりにも断言できることが
少なすぎてなんかもやもやする。
読み直すと物語の印象が
また変わりそうだが
進んで読み返そうとは
あまり思えない。
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恩田陸再チャレンジ!
話のつくりは凝ってて面白いんだけど、やっぱりあんまり好き!って感じじゃないかなー・・・
てか構成が難しくてよくわかんない(´・ω・`)
そして最初のほうに出てくるフジツボのくだりがほんとに生理的に無理で、
それ以降ずっといい気分で読めなかった・・・
いつか読み返すかもね?
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恩田陸はとても好きな作家です。この作品も構成力はすんばらしい。
でも、やっぱり『六番目の小夜子』とか『夜のピクニック』とか『三月は深き紅の淵を」とか。
そっちの方に魅せられる。
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めちゃくちゃ恩田陸が恩田陸してる本だった。
劇中劇の作品としてはいままで読んだ中で最高!!
劇中劇中劇と並行してすすむストーリーで振り回しといてきれいにまとめる恩田陸は凄すぎ。
やっぱ好き。
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混ざり合う、現実と演劇。
3つの世界が見事に入り組んでるので、
よく読まないと頭がこんがらがっちゃう。
さすがは恩田陸。。。
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いったいどこまでが現実でどこまでが劇の話なのかさらに劇中劇までも混ざっていて、自分が今どこの話を読んでるのか不思議な気持ちで読んでました。
でも、この感じが割と私は好きです。
早く整理したくて夢中になって読んだのですが・・・結局私は整理できず(-_-;)
そのうちまたリベンジしたいです。
厚さも結構あるので読み応え十分です。
今度は整理して読めるといいな。