新装版　播磨灘物語（４） みんなのレビュー

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秀吉を画布に自分の夢を描いていた如水。
自分の才能を世で試したい。それだけで世に出ている。
一気に如水の人柄に引き込まれた。

そして、是非とも備中高松城を訪れたくなった。

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信長の死から。秀吉の中国大返しはいつ読んでもわくわくします。毛利氏との和睦交渉や、信長亡き後の跡目争いの政治的な駆け引きは絶妙に面白い。毛利氏側の考えが渋くていい。小早川隆景が兄の吉川元春の追激論を諌め説得するのに、ここで追撃すれば一時的に勝ちを拾えても将来的には滅亡につながるといった政略論を用いず、ただ「（秀吉が例え我々を騙したにしても）誓紙は、守らねばなりませぬ」との一点のみで反論を押さえ込んでしまうあたり、しびれますね。ここは短期の武功を狙わず、秀吉に天下を取らせて恩を売ろう、とか、それを思ってても口にしないとか、考えの及ぶ範囲が半端ない。
誰もが手練手管を繰り出して死に物狂いで目的を達成しようとするんだけど、お互いの利害が死ぬか生きるかの瀬戸際でぶつかりあうので、全員が満足するような解決策などなくてその交渉ごとも相当の手腕が求められます。力技だけじゃなく、場の空気を読むとか相手の人柄や考え方を汲んで物事を考えないと、とてもじゃないけど解決しない。リーダーの意思決定って組織の利益を第一に考えるものだと思うけど、歴史を見る限りでは大きく妥協したり相手に花を持たせたり、結構妥協の繰り返しなんだなと思う。それが器の大きさにつながるにしても、単なる弱腰では部下もついてこないだろうし、その辺のさじ加減がよく分からない。
秀吉も、後から見れば天下人になるための行動を取っていたように見えるけど、いつでも死ぬ覚悟でどんな場にも臨んだ結果だったのだと思う。しかしまあ最終的に家康が天下を取ることで古い封建制度が強化されて、信長・秀吉が推し進めた合理主義が消え去ってしまったのは残念。

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官兵衛を知れば知るほど、不思議な人物である。
欲もなく、主家に裏切られても許し、晩年は近所の子供と遊ぶほど。
しかし、関ヶ原の最中に九州を抑え第三勢力を作ろうするなど、油断のなさ。
今まで他人を使って夢を描いてきたが、晩年にたった一度だけ賭けに出た行動も予想外に早く崩れ去ってしまった。
もし黒田官兵衛に会う事ができたら「自分の人生をどう思うか。」と聞いてみたい。
「水の如し」と返事がくるのだろうか。

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黒田官兵衛（如水）の話。

福岡出身なのに福岡の地名が備前福岡からきているとは知らなかった。
小学校の社会科とかで教えてくれればいいのに～
それとも常識なんでしょうか？

欲望の小さな者は大きなことは成し得ないものだ、というのが感想でした。
如水の涼やかな気性はとても好きだったけど。

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豊臣秀吉の軍師として名高い、黒田官兵衛の生涯を描いた、司馬遼太郎氏の歴史小説、第四巻（最終巻）。
『起承転結』の『結』にあたる。織田と毛利とのせめぎ合い、信長の突然の暗殺、そして如水としての晩年。荒木村重による監禁事件から、官兵衛は全てにおいて達観した思考と風貌を持っていたためか、秀吉の片腕となって様々な働きを見せるも、武将としての『覇気』が全くと言っていいほど見られない。それはさながら、官兵衛が幼少の頃より嗜んできた絵画と同様、画板の中の主人公を演じるのではなく、それは信長や秀吉に任せ、自分はその物語を描いている人物に過ぎない、という達観した視点。しかもその筆先には、登場人物を自分の思うような方向へ描く、というようなことはしていない。だからと言って、描き手が登場人物に動かされているような描き方もしていない。何とも奇異な感覚に陥らされる。
年を経るにつれて、秀吉が官兵衛への重用を次第に軽くしていったのも、それが一つの要因になっていたのかもしれない。そして官兵衛自身、描き手として自分が嘲笑、というより憐れみで見ていたのは、欲にまみれ裏切りの限りを尽くす武将共の哀れな末路なのかもしれない。そんなことを思わせる結末である。

官兵衛は江戸幕府が成立した翌年まで生きていたにも関わらず、信長が死に、それを討った明智光秀を討ってからが、非常にあっさりとしている。何もなかったかのように… とも思うかもしれないが、本書にも書いてあるように、むしろ信長の死から関ヶ原までの間が、彼にとって最も自由で羽を伸ばせる、有り体に言えば『官兵衛らしく』生きられたような気もしなくもない。秀吉が次第に幅を利かせ、多くの信長臣下の不満を買い、さらには秀吉が重用した石田光成の振る舞いが、一層不満を募らせる。
その間、官兵衛は水面下で九州を牛耳り、日本を隔てるやもしれない勢力を築き上げてきたものの、唯一の誤算は、関ヶ原の戦いがたったの1日で終わってしまった、ということ。その部分は、官兵衛の思い通りにはいかなかったものの、「まぁそこそこ楽しめた」と言わんばかりのさっぱりとした性格は、やはり晩年の達観した性格ならではの成せる業か。

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信長が殺された
その報を聞いた秀吉はいち早く信長の敵を討つべく
京へ行かなければならない・・・
迫力のある中国大返しそして山崎合戦
さすが司馬さんだなぁ～
実際に戦いを見てきたような描写に感動
秀吉が天下をとった後
自分の役目を果たしたと隠居を申し出る官兵衛はかっこよかった
大河ドラマが楽しみになってきました

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黒田官兵衛の生涯を描いた歴史小説、第四巻（最終巻）。
後半は駆け足となり、やや物足りない。秀吉や毛利のことに紙面を割く箇所も多く、最後まで官兵衛の”主人公”としての実像が掴み切れなかった。
ただ、司馬遼太郎のあとがぎを読んで、思わず納得してしまう。

『官兵衛はなるほど生涯、時代の点景にすぎなかったが、しかしその意味でもいえぬおかしみを感じさせる点、町角で別れたあとも余韻ののこる感じの存在である。友人にもつなら、こういう男を持ちたい』

また、掴み処がなかった故に来年の大河でどのように官兵衛が描かれるのか楽しみ。

引用～
・大江広元はもともと京の御所につかえた官人で、源頼朝が鎌倉に幕府をひらいたとき行政の専門家がいないため、京から広元をまねいた。
広元はいくつかの所領をもっていたが、相模国の下毛利庄もその所領のひとつだった。広元は四男の季光にこの下毛利庄をあたえた。季光は地名をとって毛利氏と称した。毛利の祖である。
・家康の側からいえば黒田長政の功績は計り知れぬほど大きい。もし関ヶ原前夜に黒田長政という、鉄色の顔色と一見農夫のような朴訥さをもった策士が存在しなかったら、反石田三成党があれほど強く政党として結束することもなかったであろうし、その反石田三成党があれほどあざやかに家康党として転化されてゆくということもなかったであろう。

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この流れでずっと読んでいると。
信長の暗殺の衝撃は本当にすごい。
まさに日本史に残る大事件だったんだとわかる。

最後は駆け足で終了。
秀吉に天下をとらせてさっと自分はひく。
なかなかできることではないよなぁ

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あっと言う間に読み終わったと言うのが、率直な感想。司馬遼太郎さんの小説はその場の情景が浮かんでくる。
黒田官兵衛は凄い人である。この人の生き方は今の自分に必要なことを気づきかせてくれた。

●策士は人柄が良いというが大切である。仕事をしていると人に動いてもらう必要が多い。その時にこの人が言うことならと信じてもらう必要がある。自分は策士ではないが、人間性を磨くことが大切と改めて思った。

●認識と探求と予想の敵は、我執である。私情を殺せば、たいていの人の心や物事はよく見えてくる。

●無欲で無心で心映えの涼やかな人物でなければ策謀を生むことが出来なかったであろう。欲心な物は欲のためによく働きをするが、しかし欲に気を取られて物事をありのままに見ることができなくなり、ついに身を滅ぼす。

●相手の気持ちや利益も考えて提案を行う。

●感情という物を笑えない。理屈は単独で存在するものではなく、感情の裏打ちがあって現実化する。というより、理屈など、感情によって白から黒へでも変化する。

●無駄遣いを慎み、蓄財に励む。いざ、事を起こす時にはお金が必要。

●いろいろな人で出会い、様々な考えを吸収するとともに人脈形成に努めていく。黒田官兵衛が若い時分から上方に登り、情報収集に努めたことはその後の情勢判断に役に立つ結果となった。

●来たるべき時に備えて構える。播州の田舎に生まれながらもそれに腐ることなく少しづつでも前進していった。

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ドラマや映画を観てる感覚より、『その時歴史が動いた』や『歴史秘話ヒストリア』を観てる感覚に近い気がした。イメージＶＴＲとナレーション、スタジオで解説ってのを繰り返してる感じ。「なるほど！」って思って読むには良いと思う。　山崎の戦い後は駆け足で黒田如水が生涯を閉じるまでが書かれる。正直、この頃が一番読みたかったんやけどなぁ・・・。　水攻めの高松城の話は城主の清水宗治、兄の月清、軍監の末近、この3人が切腹する場面は興味深かったので清水宗治視点の話を読んでみたい。

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戦国の男にしてはさわやか過ぎる？
ちなみに、来年の大河ドラマは原作なし（脚本家オリジナル？）とのことですか、平清盛の二の舞にはならないよう祈ってます。

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織田信長の死後秀吉の政権を創ることに知力を賭けた官兵衛。
おかしいほどに欲がなくその人生を軍師として生きた男、来年のNHK大河ドラマでどのように描かれるか、ちょっと不安ですが。
司馬さんが描いた官兵衛は商人的感覚を持ち商業都市で育ち、貨幣の価値を認め、海外貿易にも関心が・・・。さらに茶道も理解し、クリスチャンでもある。こんな官兵衛はなかなか難しいかも。

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豊臣秀吉さんが天下を統一したあとは、サラっと官兵衛さんの生涯が描かれるのみ。
秀吉さんが官兵衛さんを必要としたのは天下統一までの間で、天下を手に入れたあとはかえって鋭い官兵衛さんを避けていた感がありました。
有能であっても運や時代とマッチしなければ、その才能を持て余すことになっちゃうんだね。
いろいろ考えさせられたお話でした。