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追い求める6編
2017/10/25 02:55
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
真実を追い求めていくジャーナリストの姿には胸を打たれました。偏ったメディアの報道のについても考えさせられました。
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大刀洗万智のジャーナル
2017/05/16 21:52
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「さよなら妖精」と「王とサーカス」でおなじみの大刀洗万智が主人公の短編集。万智が扱うのは、失踪、事故、殺人など、記者としては当然取材するものばかり。しかし、ほかのジャーナリストとは違う視点から事件を見て真相を追っていく。「綱渡りの成功例」だけは謎が、同著者の「古典部シリーズ」や「小市民シリーズ」に出てきそうなものでした。あと「ナイフを失われた思い出の中に」は「さようなら妖精」を読んでいると、登場人物たちの心情により深く触れることができます。
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推理小説としては謎が小粒
2016/12/20 16:57
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投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理小説としては各短篇の謎が小粒だし、謎解きが主眼ではないという感じなので、そういうのを求めている人は肩透かしを食うだろう。但し、クールビューティーな太刀洗万智の人物造形がなかなか独特なので、とにかく彼女が出てくる話としては十分に面白かった。
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テレビドラマになりそう
2016/08/25 00:15
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投稿者:hiroyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
意外な結末が待ちうけるが、人生の機微を描いたミステリー短編集。何かテレビのミステリー劇場として2時間ドラマでやりそうな内容。主人公はクールな美貌の木村文乃でどうだろうか。
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短編推理小説の傑作
2016/04/06 18:40
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投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集であり、どの話も初登場の誰かが記者太刀洗との短い邂逅を語り手となり紹介するものだ。
さよなら妖精、王とサーカスの登場人物である太刀洗は頭が大層切れる女性との印象があったが、今作でも微妙な言い回しや、小さな違和感で点を結んで一つの推理筋をたてている。何冊かでてるのでキャラ読みをしてもいい。
推理小説をこの短い文書量でここまでかききる作者の凄さを改めて知る一作だと思う。米澤穂信の短編と言えば古典部シリーズや、満願、追従五断章などいくつもあるがどれもおすすめである。もちろん、長編ミステリーも素晴らしいのだが作者が気になったら短編から試してみるといいとおもう。ただし、この真実の10メートル手前はさよなら妖精を読了してから読むのを勧める。
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真実とは・・・
2016/01/04 21:09
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投稿者:よみよみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャーナリズムや報道の真実を思い知らされたかのような1冊だった。
この作品を読むと、普段見ているニュースがまた違って見えてくるような感じがした。
また、短編集となっていたが1つ1つが濃厚な物語であっと言う間に読み終わってしまった。
わたし、個人の面白かったものは、後半の3作「名を刻む死」「ナイフを失われた思い出の中に」「綱渡りの成功例」は面白かった。
一応、主人公の太刀洗万智の目線からみる物語の感じではなく色々な登場人物目線からの物語の展開も面白かった。
次は、「王とサーカス」も読んでみたいと思った。
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短編の凄腕
2016/01/02 19:42
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリは伏線の張り方が難しく、どうしても長編にならざるを得ない。が、米澤氏は、短編で見事にそれをやってのけている。筆力がなせる技か。東洋新聞の記者、やがてはフリーランスの記者・太刀洗万智が事件に挑む訳だが、表題作はもとより、最後の「綱渡りの成功例」がよく練り上げられた作品と感心した。太刀洗がなぜ、新聞社を辞めてフリーになったのか。いずれ説明されるのだろうか。
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最後に作者自身が述べているように一人称で語らないほうが良い話。あくまでも主人公たる探偵役の女記者は三人称として語られた方が味がある。短編でミステリーで起承転結とsるのは無理が多いが、探偵ではなく記者である主人公は謎解きも結末もつけなくてよいので短編でもよかったかもしれない。
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太刀洗シリーズの短編集。
「王とサーカス」の様に一人称ではなく第三者から見た太刀洗が語られ事件を徐々に解いていく様が描かれる。
「王とサーカス」の方が好み。毒も薄いし至って普通のミステリ。
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さよなら妖精、王とサーカスに登場した大刀洗万智が主人公の6編の短編集。
新聞記者時代からフリーランス時代まであるので、王とサーカスの前と後の時期が含まれている。
さよなら妖精の登場人物も出てくる編がある。
全体的には、王とサーカスと同様に、ミステリーそのものよりも報道とは何かを問いかけているが、王とサーカス時よりも、自分としての考えを主張している。
以下、各短編の内容;
真実の10メートル手前
太刀洗が新聞記者時代。
あるベンチャーの経営破綻で、広報で社長の妹が行方不明になる。妹にかかってきた電話の内容だけから居場所を探りあてるが…
鋭い推理が読みどころ。最後はどう解釈したらいいのかわからなかった。
正義漢
週刊誌記者時代。
電車の人身事故の現場。話者が少し妙だと思いはじめたら、現れた女性がさらに異様なのだが、それが実は…。
太刀洗を助けたのは、さよなら妖精の同級生らしい。
恋累心中
フリー記者時代。いっしょに行動することになる週刊深層の記者の視線で話が進む。
高校生が心中する。たまたま別件で現地にいた太刀洗は、週刊深層の記者のコーディネートをする。結局は心中ではあったのだが、その裏側のいたたまれない真実に太刀洗は気づく…
高校の先生に即アポ取れたり、未公開のノートの写真が入手できたりと、手まわしが良すぎるが、太刀洗ならと思わせてしまう鋭さ。
名を刻む死
老人が孤独死し、フリーランスの太刀洗が取材する。現場のテーブルに残されていた、ある読者アンケートに目を付け、真相にたどり着く。老人がなぜ名を刻みたかったかがキーとなる。
最後に太刀洗が放つ一言は強烈だが、彼女の思いやりでもある。
ナイフを失われた思い出の中に
さよなら妖精のマーヤの兄が仕事で来日して太刀洗に会い、太刀洗の事件の取材に同行することに。
犯人の手記に隠された秘密に太刀洗が気づき、さらに真相にたどり着く。しかし、物語のポイントは事件そのものより、二人の、報道とは何かの議論であり、マーヤの兄は、太刀洗がマーヤの言っていた通りの女性だったとわかる。
話が少々込み入っていてわかりにくいが、深い。
こんな議論ができるほど英語が堪能なのかと妙なところに驚く。
綱渡りの成功例
台風の土砂災害で助けられた老夫婦の生存に隠された秘密を俵万智が明かす。結果を知れば別にたいしたことじゃないとも思うが。
救助作業に加わった消防団員で老夫婦を知っている男性の目線で語られるが、偶然にも彼は太刀洗の大学時代の後輩だった。
これも最後は、求められていることを記事にする記者の姿勢がテーマであった。
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短編ごとに、ミステリよりだったりジャーナリズムよりだったりしてるので、全体通して両方楽しめる贅沢なつくり。
「名を刻む死」が一番好きかな。
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1991年4月。遠い異国から来た少女、マーヤ。彼女と出会った高校生たちは日常に溢れた謎を解きながら交流を深めていく。異国の少女との出会いと別れを描いた「さよなら妖精」の登場人物の一人であった大刀洗万智のその後を描いたのがこの作品です。
「王とサーカス」へと繋がる新聞記者時代を描いた表題作「真実の10メートル手前」を含めた今回の短編集では、常に真実を追い求める彼女の姿を見ることが出来ます。
また、今作で彼女は記者として、ジャーナリストとして、真実を追い求めるだけではなく、その真実を本当に報道すべきかどうかという事も常に考えているように思感じられました。
「真実」を伝えることで罵声を浴びる事もあれば、人を悲しませ、憤らせる事もある。それだけでなく、その真実は「他者」を、時には「自身」を傷つける事もあるでしょう。それらの責任と危険を負いながら真実を追い続ける彼女の姿には考えさせられるものがあります。(特に前者は「綱渡りの成功例」、後者は「正義漢」を参照)
インターネットやSNSが発達した事で、今では誰もが情報を簡単に発信することが出来る様になりました。時にはメディアより早く事件の情報を発信する人もいるでしょう。
その時、あなたは罵声を浴びる覚悟を、他者や自分を傷つける責任と危険を負う覚悟を持って「報道」を行っているのかと。
その覚悟と責任、痛みを背負いながら真実を追い求める彼女の姿を通して、作者はミステリー小説として謎を問いかけてくるだけでなく、読者の「情報」に対する姿勢をも問いかけている様に見えました。
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ジャーナリスト太刀洗の短編集。全編を通じてジャーナリズムとは何かを問う作品となっている。王とサーカスに通じる一貫性がある。なかでも恋累心中が良い。一見只の高校生心中事件と見えるが、現場に入り違和感を感じ、取材を重ね、推測し、真相に迫るという、この過程と結果が上手く書かれている。短編集には星を付けないつもりだったが、著者の筋の通った作品ばかりであり評価した。
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ジャーナリスト太刀洗万智、「王とサーカス」後の6編。
解決したかの事件の真実に淡々と迫る太刀洗万智、どの作品もわりと普通で切ない話が多い。
正直なところ物足りなかった。
(図書館)
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<ベルーフ>シリーズ。と呼ぶらしい。
あとがきに感動。万智を読めて嬉しいですよ。
「真実の10メートル手前」
「正義漢」
「恋累心中」
「名を刻む死」
「ナイフを失われた思い出の中に」
「綱渡りの成功例」