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そういう世代だからか、小さい時から右翼と左翼を知らなかった。コレを読んでようやく知った。右左なんて常識だから読んどいてよかった。
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普段なにげなくイメージとして使われる、「右」や「左」といったイデオロギーの分け方。実はその定義は相対的なものであり、それぞれの思想は常に流動的なものである。
本書はこうしたイデオロギー分類の起源となったフランス革命の時代に遡って、現代に至るまでの「右」、「左」の思想の変遷について、だれにでもわかるように噛み砕いて説明している。
当然、読み手がほしい知識はそうした一般論ではなく、日本の近代思想についてである。これについては、本書の後半、半分近くの紙幅を割いて説明がなされている。しかし、特に戦後の日本の思想は複雑に入り乱れていたこともあるため、記述も詳細に掘り下げられている部分もあり、私にとってはやや難解な箇所も見られた。
読み進むにつれだんだんとこの二項対立について理解が難しくなってくるのであるが、終盤に田中愛治教授による思想の三次元モデルを紹介し、さらに著者が注釈を加えることによって、それまでの議論がきわめて効率的に整理される。
イデオロギー論としてはごくごく基本的な事柄が書かれているのであろうが、日本の思想史に私のような素人でも触れることができ、そのアウトラインを理解できた点について、非常に価値のある一冊となっている。
折に触れ、読み返したい本である。
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「右翼と左翼って何?」というのを、とっても分かりやすく紹介してくれている新書。図説まで入ってます。とても好印象。
最初に、第一部では右翼・左翼の辞書的な意味合いを紹介。
第二部では、フランス革命などを参考に、右翼と左翼が生まれた歴史的ないきさつを紹介。
第三部では、明治維新前後からの日本の右翼・左翼思想の動向を紹介。
「戦後日本は左翼がトスを上げ、右翼が現実的な枠組みで政策を実行した」「日本の左翼は非現実的で、右翼は理念や思想がしっかりしていない」といった解説は凄く分かりやすい。
何より一番印象に残ったのは、日本の右翼も左翼も批判的に突き離すような著者の浅羽さんの表現かな?こういった初学者にも優しい本を書いてくれる人や、既存の価値観に一定の距離を置き、未来志向?な著書は大事かも。
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用語に対するモヤモヤとした認識が正され、すっきりはする。
しかし、著者の文章が読みづらい。
一つの文が過剰な挿入、修飾を伴って無駄に長い。まわりくどい。
この本を手に取った人の疑問には答えられていると思うが、
下手な文章にイライラするかもしれません。
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2010/11/10 読了。
長くその定義が疑問だった「右翼」「左翼」という言葉についてやっと分かった気になれた1冊。政治やマスコミについて今までなかった見方ができるようになったかな、と。
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「右」「左」を生い立ちから説明している。
右翼と左翼とはフランス革命の時代に議長の席から見て右側が保守派、左側が急進派だった事が語源のルーツ。
右翼と左翼が分かる本。
面白く分かりやすく、興味深い良い本だったと思う。
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「右翼、左翼」という言葉をよく耳にするが、その定義がいまいち理解できていないのでこれを読んでみた。右左の意味からその歴史まで詳しく書かれている。特に戦後から現代にかけての日本の右左の歴史や意味を知れたのはよかった。
ただ一度読んだだけでは、なかなか理解するのも難しい。
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[ 内容 ]
「もはや右翼も左翼もない時代」といわれる。
が、依然「右‐左」のレッテルはさまざまなものに貼られている。
しかし「では右って何?左って?」と訊かれると答えに窮する。
「右‐左」の対立軸は何か?
なぜ「上‐下」「前‐後」ではないのか?
定義はもとより世界史的誕生の瞬間から派生まで、影響された日本の「右‐左」の特殊性から戦後の歪み、現代の問題点までを解き明かし、ここ百数十年の世界史とそれに巻き込まれた日本の歴史がわかる画期的な一冊。
[ 目次 ]
第1章 「右」と「左」とは何か―辞書を引いてみる
第2章 フランス革命に始まる―「右」と「左」の発生
第3章 「自由」か?「平等」か?―一九世紀西洋史の「右」と「左」
第4章 「ナショナル」か?「インターナショナル」か?―一九~二〇世紀世界史の「右」と「左」
第5章 戦前日本の「右」と「左」―「国権と民権」・「顕教と密教」
第6章 戦後日本の「右」と「左」―憲法第九条と安保体制
第7章 現代日本の「右」と「左」―理念の大空位時代
エピローグ 「右‐左」終焉の後に来るもの
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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一般的に「右翼」は保守的・体制的・情緒的・国粋主義・民族主義という言葉で、「左翼」は進歩的・革新的・理性的・普遍主義・自由主義という言葉でカテゴライズされる。
そんな中、学生が「右翼って何?」、「左翼って何?」質問することが多くなったのは、彼らの無知や無関心によるものではなく、最近になって従来の「右翼」と「左翼」というものさしが簡単に通用しなくなったからだそうである。
例えば、中国の反日デモは、右派が多用する用語である「民族」を謳いながらも左寄りと言われるし、アメリカ的資本主義を右寄りと言うことはあまりない。
「右翼」、「左翼」という言葉はフランス革命で穏健派のジロンド党が議場の右側の席を、革新派のジャコバン党山岳派が左側の席を占めたことに由来するが、本書ではその過程も述べられる。
革命末期に恐怖政治で知られる山岳派より左に位置付けられるバブーフという人物が処刑されたが、彼の思想はかのマルクスに影響を与えたとされる。
マルクスはフランス革命で達成されたのはブルジョワジーにとっての自由に過ぎず、共産主義社会を成立させることによって万人にとっての自由が達成されると主張する。フランス革命の時点で既に共産主義の源流が生まれていたのだ。
面白かったのは「国家」、「民族」というのは最初は左翼のスローガンだったという指摘である。言われてみれば、市民革命が起こる前までは国家や民族に対する帰属意識は希薄だったし、近代に至る過程においては革新的なスローガンだったんだと頷くことができる。
で、人々に国家や民族の意識が根付いて国民国家ができてくると、我々は歴史や言語を共有しているという、情緒的・非合理的な意識が生まれて、「国家」、「民族」といえば右寄りの用語となった。何が「右」で何が「左」かという基準は時代背景によって変わるもので、これからも変わり続けるだろう。
特に真新しいことに触れているわけではないのですが、「右翼とは何か」、「左翼とは何か」という現代ならではの問いについて考えてみたい方にはお勧めである。浅学菲才の身である私にとっては勉強になった。
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八木に借りた本、右翼と左翼とはなぜできてどのような考えで今の時代の立ち位置を結構フラットな立場から教えてくれる。
理系の僕でもわかりやすく読めた
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近代史では歴史上常に、極左・体制内右派・体制内左派・極右という4分割された集団がおり、時代とともに入れ替わっているという説明は、分かりやすかった。
もう一点、「平和」「人権」を重視する今の日本の「左」イメージは万国共通ではなく、日本固有のものだということも、目から鱗だった。
つまり、今の「右寄り」「左寄り」のイメージも、時代や国が変われば変わっていくのである。
今、「中道」の考えを持っているつもりでも、いつの間にか、大勢から見たらどちらか寄りになってたりするのだろう。
Mr.Childrenの「タガタメ」という歌に、
「右の人 左の人 ふとした場所できっと繋がってるから
片一方を裁けないよな 僕らは連鎖する生き物だよ」
という歌詞がある。
立場・イデオロギーの違いを受け入れ、お互いの意見を聴くことが大事なのだろう。
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右と左、右翼と左翼って何となく分かる。でも良く分からん。保守と革新なんて言葉も聞くけど左右とどう関係するのか。左右って何を指標にした軸なのか?何で日本では右翼は街宣車で、左翼は組合活動ぐらいしかイメージできないのか。日本共産党は革命する気があるのかいな。などなど。格差社会の到来や民主党政権の誕生で右だとか左だとかが喧しく議論されますが、実はその違いがよくわからない若者向けの解説書。そもそもフランス革命に由来しする”左右”。その歴史や、その後の近代史の分かりやすい歴史解説書としても面白く読めます。また、日本での現在の右と左はどのような歴史を背景にしているのかについて、明治以降の近代日本史を振り返るのにとても本書は役立つと思う。ヘーゲルとかマルクス主義についてちょっと知りたい人にも良い。右とか左って、要は相対的なものだし、保守が守るものもどんどん変わっていくようです、時代によって。
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一寸上下巻ニ冊の本が溜ってしまい読んでる暇が無い。こういう本はきちんとメモをとりながら頭に叩き込まないと覚えられないので一度返却。最寄りの図書館在庫の本なので、時間に余裕が出来たらもう一度。それまで、待ってろよ(^^;)
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佐藤優氏の著作を先に読んでいたので、大体内容も予想できた。が、浅羽氏の見解を知ったことで、右翼と左翼の理解が深まったことは益であった。
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左向きは食えない。
かといって、右を向けと言われて簡単に右を向けるほど単純じゃない。
左翼思想と人間嫌いを混同してはいけないのだ。