ヴェルヌの博識に驚く
2021/05/22 09:26
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投稿者:さんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童向けに縮約して訳した本もあるが、こちらは全訳で、挿絵も当時のものが収められている。訳注も非常に充実している。19世紀後半の自然科学の知見がふんだんに詰め込まれていて興味深い。「人類と決別した」謎の人物モネ船長の自給自足の生きざまには共感する人も多いのではないか。
子どもの頃の記憶
2017/04/23 23:58
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投稿者:RASCAL - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネモ船長やノーチラス号の名前は知ってましたが小説は初読。多分、子供の頃、父に連れて行ってもらって、初めて見た映画がこの海底二万マイルだったように記憶しています。新潮文庫の表紙の絵がかっこいいです。1870年ってことは、明治3年ですよね。ジュール・ヴェルヌ、すごい想像力です。魚の名前がたくさん出てきて、ちょっと冗長だったけど。「四畳半神話大系」とか、森見登美彦さんの小説に、よくこの「海底二万里」が出てくるのですが、森見さんもお好きなんですよね、男の子ならわくわくする小説です。
子どもの頃の記憶がいかにいい加減かと思いながら、また楽しんでしまった
2015/05/06 17:18
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの頃に読んで感動とは言わないまでも印象に残った本がいくつかある。私の場合はSFが多いのだが、このジュール・ヴェルヌの『海底二万里』もその1冊である。
と言っても、その当時読んだのは岩波少年文庫の上下巻本で、小学校の図書館で借りて読んで非常に面白く、結局買ってしまった(買ってもらったのだろうなあ)もので、今でも手元にある。ことさら読み返すわけではないけれど、子どもの頃の強い思いがあり、捨てたりすることができないのだ。
そんな『海底二万里』の新訳だという。しかも、復刻版原書からの全訳だという。
懐かしさと共に、この文庫版カバー絵がすごく雰囲気を出していて、買ってくれと言わんばかりの絵(しかも、上下巻を並べると1枚の絵になるのだ)なので、もう読むしかない。
だが、読んでみて意外というか、長く思い違いをしていたことに気づいた。
ジュール・ヴェルヌと言えばSFの祖の1人だと思っていたので、もっとSF風の話かと思っていたのだが、全然そんなことない。言ってみれば、海洋冒険小説(と、この本の帯にも書いてある)であり、全編にいろいろと記述されているのは海洋博物学とでも言える内容ではないか。子どもの頃の記憶と言うのは、かくも曖昧なものなのだなあ。
さらに、時代も実は(これも冷静に考えればその通りなのだが)けっこう新しい。19世紀後半の、日本の歴史で言えば幕末から明治初期の頃の話ではないか。
言ってみれば、時代の最新の海洋関係の科学の成果をちりばめた、海洋旅行記といった趣もある。
上巻は、主人公(?)のフランス人アロナクス教授が「新種のクジラ」と目された物体を追いかけるアメリカ船に乗り込み、結局その物体に乗り込むはめになり、主に太平洋の海中、海底を航海するという話になっている。
カナダ人の銛使いやアロナクスの召使など、明らかな登場人物は極めて少ないが、上記したようにその情報量はかなりある、そんな第1部だ。
表紙の絵がとてもいい
2017/05/30 20:20
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投稿者:たぬき科マンボウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供のころに読みかけて挫折して以来、全然読む気にならなかった名作。でも表紙の絵があまりに素晴らしくて、今更だけど、やっぱり読もうかという気になりました。新訳ということだから、古典作品独特の翻訳の古臭さもないかなと思ったけど、やっぱりありました。「わが敬愛する〇〇よ、」とか「われらが〇〇は」といった、思わず引いてしまうカビ臭い訳文が随所に。せっかくの新訳なのに、もっと現代風に訳せなかったのかと残念。文字は大きめなので、読みやすいですけど。
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140年前に出版された名作ですが新鮮です!
書店で装画を見たときにワクワクして上下巻共に買ってしまいました。この本は新潮文庫の新訳名作コレクションでしかも刊行当時(1871年)の挿絵をふんだんに収録してあり古典空想冒険小説の新しい装いに気持ちが早くも海底の旅に巻き込まれます。
物語は1866年に世界中を航海する船舶から超大型級鯨が多数目撃される、1867年には大型客船との接触事故が発生し航海の安全と世間の注目からアメリカの軍艦により化け物鯨の退治が実施された。
多くの読者は既知の事と思いますがこの鯨の正体”ノーティラス号”は船長”モネ”によって世界中の海を航海する大型潜水艦でアメリカ軍艦に乗り合わせていた博物学者”アロナクス”とその執事”コンセイユ”、銛打ちの”ネッド・ランド”がノーティラスに拉致されてから大洋を航海する日誌的物語です。
作中には様々な海洋生物や植物が登場し少々うんざり感もありますが、何と言っても未だ見ぬ海底世界がページを繰る毎に目の前に広がりとても140年前の小説とは思えません。やはり名作古典と言われる作品ですね。秀逸なのはモネ船長や乗組員の謎めいた行動や思考が深く暗い海底にシンクロしてこの旅の最初から最後迄目が離せないところです!
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子供のころに読もうとし、長くて断念したと思うが、なんとか読めた。新潮文庫の新訳は当時の版画が入っていて大変うつくしい本である。註釈がやたらに詳しく、分厚い。魚類の名前がおびただしく出ているが、ほとんど全てに学名が付されており、特徴も書いてある。また、キュヴィエ、カトルファージュなどの博物学者、フランス人としてはじめて世界一周をしたブーガンヴィルなどの冒険家、クロノメータやストームグラスなどの計器の名など、丹念な註釈がある。ストーリーは、明治維新頃で、なぞの船舶事故の原因を探し、アロナクス教授が、使用人のコンセイユといっしょにアメリカの軍艦にのるが、太平洋で軍艦は大破してしまい、ネモ船長の潜水艦ノーチラス号に助けられる。このノーチラス号こそ船舶事故の原因であり、そこには地上と縁を切った海に生きる男たちが乗っていた。アロナクス・コンセイユ、そして軍艦にのっていたカナダの銛うちネッド・ランドは、ネモの潜水艦で長い旅にでるのである。海中で狩りをしたり、散歩をしたり、ニューギニアで座礁したりして太平洋をぬけ、インド洋にいく所で第一部はおしまいである。下巻はアトランティスや南極もでてきて、なかなか面白い。19世紀科学のおもしろさがつまっていると思う。ネモ船長のことは結局、最後まで分からない。謎めいた本である。
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子供の頃に読んだ気になっていたが、実は未読だったSFの古典。じっくり読んでみると、その先見性に驚かされる。当時の最新の技術だった電気を動力源とする潜水艦ノーチラス号の性能はまさに現代の潜水艦を予言している。驚くのはプロダクトだけではなく、衣食、エネルギーのすべてを海中で賄う事ができるという自己完結性を実現していること。また化学や動物学の知識も豊富に詰め込まれていて、特に海洋生物についての豊かな知識には圧倒される。少年のようにわくわくしながら上巻を読了。さてノーチラス号はどこへ行くのか...。
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本の装丁がとても気に入って購入。
最初は多すぎる注釈がいちいち見るのが大変でなかなか進まなかったけど、注釈を見ないようになってからはばんばん進んで楽しかった。
かなり昔に書かれた本らしいのですが、今の技術、あるいはもっと進んだような技術が書かれていてとてもワクワクした!
今でさえこんなにワクワクするのだから昔はどんなに素晴らしかったのだろうと思う。
ところどころに入る挿絵も展開を盛り上げてくれるので最高!
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東京ディズニーシーのファストパスがあるけど、実際は使わなくてもすぐ乗れるよね!なアトラクション。 様々な作品に影響を与えたと言われ、愛されるジュール・ヴェルヌの海底二万里を読みました。去年新劇場版エヴァンゲリオンQを見て、その考察サイトをいつくかみて、ちらほら庵野監督の作品である不思議の海のナディアとの関係性を指摘していたり。そしてその不思議の海のナディアはさらにさかのぼった海底二万里を原案としていることを知って読むにいたりました。それだけでなく、ディズニーシーにアトラクションを作ろうとした人が居ることを考えたら相当魅力的な本なんだろうなとうこともありました。
簡単にあらすじ
1866年の世界が舞台。世界各地でなぞの海難事故が発生!船体に大穴があけられて沈没することからイッカクや謎の大型海洋生物の仕業かと噂され当時最新鋭のフリーゲート艦の乗り込む海洋生物の博士と助手。見事犯人に遭遇するが沈没させられ漂流。そしてなんとか助かったと思ったら、それは陸地の人間との接触を極度に拒むネモ船長が操縦する潜水艦ノーチラス号だった。
こんな感じです。 ネタバレ気味ではありますが、読みながら緯度経度が載っていたのをGoogle Mapsにマッピングしてみました。線は読み終えて書いたので結構適当だと思います。
より大きな地図で 海底二万里 を表示
小説で海底の世界一周の旅は、ハラハラドキドキのワックワク。かぶりつくように読むとはこういうことです。
ワクワクする本
今はノーチラス号よりも優れた潜水艦はあったり、作れたりすると思いますが、それでも確かに高性能なノーチラス号は、仕組みを知れば知るほどわくわくさせてくれます。SFなので実現不可能な技術もあるのでしょうが夢を見せてくれます。ノーチラス号のもたらす機能だけで衣食住をまかないながら世界一周旅行をしていきます。それほど高性能ながら、酸素は海面まで上がって補給しなければなりません。どこか影のある船長との旅ということも不安にさせる要素でもあります。これ以上はネタバレになりますので控えますが。
少年向けと言われますが大人も楽しめるんじゃないでしょうか。
この後は不思議の海のナディアからのエヴァを楽しみ、ディズニーシーのノーチラス号のディテールを楽しむ!実に楽しみです!
http://kentno.com/post/43394977885
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冒険ファンタジーものの原点って感じです。
アロナクス博士の興奮が、読者にも伝わってきます。魚の描写がいちいちくどい...とは思うけど、それもアロナクス博士の情熱って事で...;
それにしてもネモ船長が謎過ぎて下巻も楽しみすぎです。
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幼少時に読んだ一冊。
はるか昔に読んだので、内容をけっこう忘れています。再読しようと思っています。
わくわくする冒険譚だったことを覚えています。
子どもには一度は読ませてあげるべきと思います。
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魚と貝の図鑑必須。地図も見ながら、一緒に冒険したかったが、メモに留めた。
ネモ船長の見せる、海底。
コレクションの数々の話。教養書みたいな。
ヴェルヌはなんでも知ってるんですなと。
ネッドランドはなんでも出来て、かっこいいなと思う。
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上下一気に読みました。
小学生時分でも読みましたが、それは小学生用にサマリされていたのですねぇ。
1870年の作品ですが、いまから150年近い昔にこんなSFが生まれるなんて!
ネモ船長は、いったいいずこに!
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とても面白かった。ノーチラス号に会う前も会った後もわくわくしてどんどん読み進めてしまう。海の生き物についての知識がもっとあればいいのに!と思った。図鑑を側に置いてもう1度読みたい。
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ネモ船長とノーチラス号に乗って海底旅行に行く冒険譚。少しレビューや裏表紙を読んでしまった後に読み始めたので、いつ、ネモ船長やノーチラス号が出て来るのか、ワクワクしながら読めた。主人公がネモ船長ではなく、アロナクス教授であることにびっくりした。
アロナクス教授たちが退治しようとしていた怪物がノーチラス号であった。そして、それを退治できなかったがゆえに、ノーチラス号に搭乗することになってしまったアロナクス教授一向。設定が面白かった。そして、ノーチラス号から離れること以外は、すべて自由であるという、一種の捕囚生活が始まった。
ネモ船長と行く海底の旅は、とても楽しそうだった。沈没船のお金を取りに行ったり、南極に行ってみたり、サンゴの林を散歩してみたり、と楽しそうであった。
ただ、外界との接触を全く禁じられた中での生活というのは、必ずしもアロナクス教授のように楽しいものではなく、カナダ人のハンターのような心情で行われるものなのだろう。正体や目的も不明の人物の元で生活することの怖さを同時に描いているように思った。
また、最後まで引っ張っていたネモ船長の復讐の動機や目的がはっきりと描かれていないことがとっても残念だった。