秘境駅へ行ってみた。
2009/11/15 00:07
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はその道の人には有名なウェブサイト
秘境駅へ行こう
の書籍化です。
実は評者は全く鉄道の世界に興味はありません。
※今もあまり興味ない
しかし、付き合いの長い古い友人が病的な”鉄ちゃん”
だったこともあり、その友人に渡されました。
なかば押し付けられるように読んだ本書。
ですが、当たりでした。
本書の内容は、タイトルが表すとおり
日本中の秘境駅を尋ね歩いた著者の
記録です。
普通に生活していたら、おそらく
一生縁がないであろうと思われる
辺鄙な場所にある駅たち。
例えばそこは
既に使われなくなっているような駅だったり
どうしてそうなった?と思うような地形にある駅だったり
各駅停車の汽車が1日に1回位しか停まらないであろう
駅だったりします。
それはそれは、見事に読む人の”駅”の常識を打ち破ってくれる
ものばかりです。
読了後の感想は、よくぞこれだけ日本中の秘境駅を
歩き回ったものだの一言に尽きます。
とてもとても自分には真似できません。
そして、秘境のような場所にある駅を
書いた本書は読書を通じてとっても素敵な
非日常を自分に提供してくれました。
と、ここで書評を終えるなら初めから書評を
書くことはしなかったのですが
この本で秘境駅No1に認定されている
室蘭本線の小幌駅に行くことになってしまったのです。
もちろん言い出したのは先に書いた友人。
本書を大絶賛した手前
何となく断れなくなって、普段は乗らない汽車にのり
小幌駅へ行ってきました。そしてあろうことか
1泊の野宿までしたのです。
一日に朝と夕方に1回ずつ汽車が停まる小幌駅。
夕方に訪れ、ホームから崖を降り、崖下の海岸で
野宿。まるで日本にいるような気がしませんでした。
そして、生きた心地もしませんでした。
それなりな準備をしてたからよかったものの・・・
それにしても秘境とはよく言ったもので、その名の
通りの場所でした。
なぜ、そんな場所に駅があるのかについては
本書を読むことで謎がとけます。
話は変わりますが、ビジネス書で有名な経済評論家の
勝間和代氏は著作の中で
「本は読むだけではだめで、何か一つでも実行に移すことに意義がある」
というような主張をされていたような気がします。
まぁ色々と賛否両論ある方でしょうけど、上で言っている
事に限定して考えるなら正論だと思います。
評者はビジネス書ではなく、一部のマニアのための本で
勝間氏の提言を実行する事になったのです。
結論としては、めったに出来ない貴重な経験をした
というところでしょうか。
そして勝間氏ではありませんが
実行してみる事の効果も感じました。
普段、自分が読まないジャンルの本を読む楽しさ。
そして、そのような本に書かれている事を実行に
移すことによって得られる、自分にとっての非日常。
自分の世界観の広がり。本を介した人と人のつながり。
そして本の持つ可能性やチカラ。
文章にしてしまうと、なんとも陳腐な言いまわしですが
確かに実感した次第です。
なお、本書を立ち読み感覚で覗いてみたい方は
タイトルで検索をかけると、書籍の内容そのままの
ウェブサイトがヒットします。
そして、本書の楽しみ方ですが
自分の住んでいる地域の秘境駅を探したり
自分が知っている地域の秘境駅を探したり
自分が実際にその場に行ってみたり(あまりおすすめしません)
等があるのではないかと思います。
自分の知らない秘境駅の記事も
大変興味深く読むことが出来ました。
ジャンルが独特でもあるため声高に
誰にでもおすすめできる本ではありませんが
ちょっとした非日常を感じたい方には
そっとおすすめしたい1冊です。
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全国の秘境駅を苦労しながら訪問する筆者。
普段、人がいない、電気がないなんてところに行く機会がないから非常におもしろかった。
webならかまわないけれど、本として読むとなるともう少し文章がうまかったらいいのに、と思ってしまう。
2006.7
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秘境駅は、もともと作者である、牛山隆信の作った造語で、「鉄道でしか行けなくて民家がほとんどない駅」のこと。本来駅とは人が集まるところにあるものだ。この本で紹介された駅の中には駅である存在そのものが不明である駅もある。ときに遭難しかかりもしながら、これらの秘境駅を紹介する作者の鉄道に対する愛情もすばらしい。鉄道ファンだけでなく、酷道・険道・廃道ファンや廃墟ファンが読んでもおもしろいだろう。
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秘境駅とは”確かに現役の駅ではあるが、無人で、周りになにもない
または道が無く孤立した駅”を指す。この狭い日本になぜか多数ある。
時には遭難寸前までなりながらも、辿りつく執念に感服。
春に訪れれば楽勝な豪雪地帯の秘境駅にわざわざ真冬挑戦する。
著者のコダワリだろうが「春行こうよ!」とツッコミたくなる。
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図書館。鉄ではないが古い駅舎やさびれた無人駅はとても惹かれるので
読んだものの、写真は小さいわ白黒だわヘタクソだわ
なによりブログをそのまま載せたのか知らんがとにかく文章がへた。
せっかくいい駅行ってるのにぜんぜんよさが伝わってこない。
もったいないです。続編は少しは改善されてるのかな。
ところで関係ないが本当に駅寝って怖そう。
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本来は人が集まる場所なのに、歴史の流れで置いてきぼりにされた駅の数々。写真がもう少しきれいならいいのに、と思っちゃいました。
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なぜココに? なんのための?
行くのはなかなか気骨が折れると思うけど、ちょっと行ってみたい、見てみたい気もしてくるよね、こんな駅。
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「なんでこんなところに駅が?」という駅の探訪紀。面白いんだが、文章をもっと整理してくれないとなぁ。写真も豊富なので、文庫ではなくムックで出せばよかったのに。企画段階での編集者の腕が悪かったか。
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著者の牛山隆信さんのことは、漫画『鉄子の旅』で知りました。
旅の案内人・横見浩彦氏の暴走ぶりと比べ、実に冷静温厚な印象で、常識人といふ感じを受けたのであります。
その後秘境駅のTV番組に牛山氏本人が出演し、やはりテンションを抑へた調子で秘境駅の解説をしてゐました。意外と普通の人なんだな、とその時は思ふのです。
ところが本書を読むと、やはり普通の人ではないことが判明します。
北から南へ、選りすぐりの秘境駅31駅を紹介してゐますが、まづ普通の人なら近付かうともしない駅ばかりですね。例外は最後の肥薩線の駅でせうか。これらは「いさぶろう・しんぺい」なんかで訪れた人が多いかもしれません。
牛山氏は、秘境駅を「鉄道以外の手段でたどり着くのが困難な駅」と定義してゐます。駅に通じる道がない、周囲に民家がないなどその存在意義が疑はれる駅ですね。そんな駅にわざわざ苦労して訪れて、時にはやむなく線路やトンネルを渡ります。これは真似をしてはいけません。
そして宿泊は駅寝。まあ普通の妻子持ち会社員なら避けるでせうが、著者はむしろ嬉々として敢行してゐます。いかに気に入つた駅であらうと、わたくしはそこで寝やうとは思ひませんな。
しかしそれぞれの駅自体にはえもいはれぬ魅力を感じるのであります。「俺も行つてみたい!」と考へる人たちのために、それぞれの章末に「ビギナーのための行き方ガイド」が付されてゐます。
くれぐれもマナアを守つて、秘境駅めぐりをしませう。
わたくしから一言述べますと、長時間の待ち時間もあるので、本を持つて行くと良いでせう。ま、JTB時刻表一冊でも十分愉しめますが...
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11171738168.html
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秘境駅ブームの火付け役?というか元祖な本。
この本で知った「田子倉」駅を見に行った時には、
駅以外何もない駅なのに、やたらめったら人が来ていて
ビックリしました。
みんなこの本、読んだのかなあ。
初版が古いので、紹介されている駅の中には既に廃駅もあります。
残念・・・
色んな駅があるんだなあ、行ってみたいなあと
旅に出たくなりました。
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飛行機あるいは特急列車で目的地に直行し、そこでパッケージ化された観光をする―この本の著者は、少なくてもそういうのは自分の旅のスタイルではないという。私も、可能な限りはローカルな鈍行列車での旅の方が好きだ。ただし、私の場合には、やはり一応はそれ相応の観光地なり何なりの目的地はある。ところが、著者のそれは秘境駅なのだ。もちろん、そのほとんどは無人駅であるばかりか、そこには何にもない。民家の1軒さえもないのだ。北海道から九州まで、著者が巡った選りすぐりの秘境駅の旅。酔狂といえば酔狂な旅だ。
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著者とは同年であった。本書では1999~2001年の間の秘境駅探訪記が記されており、この短期間にこれだけ訪問するのはサラリーマン作家には大変だったろうと想像される。しかも厳冬期の北海道での雪中ビバークのような駅寝には驚かされた。秘境駅へ行くというのは、確かに既知の観光地へ出かけるのとは違い、事前のリサーチが重要だ。軽妙で、でも抒情的な文章は、どこか宮脇俊三氏の影響を感じる。
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この書籍は、牛山隆信氏の「秘境駅」の推薦駅ですが、載っている駅数が少ないですが、その分著者が「秘境駅観光」モデルコースなど載っています。
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著者のHPの方が断然お薦め。書籍というカタチに嵌め込まれ、記述が上品に流れてる。HPの方は生き生きしてる。
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読書録「秘境駅へ行こう!」3
著者 牛山隆信
出版 小学館文庫
p84より引用
“ そう、このあたりは全国的にも有名な豪
雪地帯なのだ。このため真冬に只見線に乗っ
て社葬を眺めていると、隣の只見駅までは道
路が通じているものの、田子倉駅に行く途中
で明らかに「ここから先は除雪不可能」とあ
きらめたように道路は山積みのままの雪の中
に埋もれていく。”
目次より抜粋引用
“秘境駅1小幌駅(室蘭本線)
秘境駅2張碓駅(函館本線)
秘境駅19影待駅(高千穂鉄道)
「秘境駅への旅」お薦めモデルコース
全国「秘境駅」ランキング”
電機メーカーに勤めながら日本中の鉄道を
全て乗りつくすことを目標とする著者による、
全国の存在はあるが利用度が極めて低い駅を
訪ねて回った記録を記した一冊。文庫書き下
ろし。
北は北海道から南は宮崎県まで、廃墟と見
紛うような駅や周辺の写真と共に紹介されて
います。
上記の引用は、福島県の田子倉駅について
書かれた項での一節。
登山や紅葉見物、ダムがあるのでその関係者
が利用するそうですが、冬は完全に雪に埋も
れるとのこと。それでも鉄道は除雪して走っ
ているそうで、鉄道関係者の執念を感じさせ
る話です。
秘境駅への行き方ガイドに、観光案内とグ
ルメガイドも書かれていて、鉄道や駅に興味
なくても、少し見てみるのもいいのではない
でしょうか。
同じように旅してみたい人向けに、モデル
コースが載せられています。ただ、20年以上
前のデータですので、真似をするのならしっ
かりと調べ直さなければならないでしょう。
うっかり取り残されると、命に関わるような
駅もあるようですから。
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