紙の本
甘くて読みやすい
2016/02/18 16:55
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tix - この投稿者のレビュー一覧を見る
痛い事件もなく、酷いろくでなしも登場せず、
ゲイとノンケとの、ごく普通の恋愛の成就までを綴った作品です。
後書きで、後半書き下ろし分のタイトルを
「初恋」にしようかと思った、と書かれていたほど、
木原作品にしては甘くて読みやすい『ザ・BL』。
前半は雑誌掲載作品で谷地視点です。
リストラされて冴えない谷地のアルバイト先に通う元上司の榛野。
榛野は話し方が端的すぎて妙だし、表情が無いから谷地視点だと考えも読めないし、
谷地が内心嫌がってるのに、頓着せずにしつこく通って来る榛野を
最初の頃は、コミュ障なのかと思いました…。
後半は書き下ろしで、榛野視点。
ヘッドハンティングで別会社に転職し、
そのままロンドン勤務になった榛野の元を、谷地が旅行で訪れます。
榛野視点でようやく榛野の思考回路が理解でき、
案外普通の人だったとわかりましたw
この後半では、前半のエピ+αの過去を榛野視点でなぞっているのと、
谷地がロンドンに来てくれたことでテンパる榛野の様子が描かれているので、
榛野!可愛いじゃないか〜!!
と、読んでいて一気にテンションが上がりました♪
紙の本
スィーツ系でした
2020/09/21 06:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと甘いかなぁ程度に思って手に取って読んだら、
激甘スィーツ食べた感半端ないです。
(いや、蜂蜜の巣をがしがし手づかみで食べた感じかも)
深呼吸
リストラされ弁当屋でアルバイトしている中年男って
身近にいたらどうよって考えながら、
ゆったりした人視点なんでもだもだしたストーリーだなぁって思う
まあ、榛野さんもわかるように説明してないし、谷地さんも察しなさすぎ。
最後までもだもだした感と予感だけで終わるお話。
深呼吸2
1はこれで終わってしまってどうするんだぁって感じでしたが
2があって良かったです。
榛野視点を読むと今までの色々が一気に見方が変わります。
それにしてもロンドンに谷地が来て慌てる榛野のとっちらかりぶりがすごすぎる。
鼻血だしてしまうシーンとか・・・おいおい大丈夫か状態です。
「泡になって消えたい」
「隕石でもなんでも地球に落ちてきて、滅亡すればいい」
「記憶喪失になりたい」
って、どれだけ乙女よ。
あまりの乙女ぶりに読んでいる方が気恥ずかしい。
(ま、やっていることは乙女ではないけどね!)
ちょっとテンパってやりすぎてしまったりするけど
心がもたついている感じが伝わってくる。
そんな焦った気持ちが谷地時間に修正されて・・・その上で最後に至る。
執着していたけど、自分の気持ちが「恋」って認識できるところに落ちて
読者としてもきゅんとする。
そんな「恋を知る」お話でした。
(恋を云々するかわいらしいお年頃ではないけれど)
後書きで作者が「初恋」ってタイトルにしたかった旨書いてあって
ああそうね、納得な感じです。
1よりも2での谷地さんの方がスペック高い人間に見えるのは
きっと榛野視点だからなのかなぁって感じです。
(でも外資系にお勤めできてそれなりの仕事が出来ていたのだから、
見えないだけで基本スペックは高いのかもしれませんね)
木原作品にはBLファンタジーがほとんどない。
でも恋する乙女はいるって感じ(乙女ではないけど)
木原作品のスィート系のこういう流れは嫌いではありません。
電子書籍
本当にくっつくのか…?
2020/07/01 10:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まぐろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレ注意でお願いします。
元上司と元部下、しかも元上司は自分にリストラを言い渡した年下の男、というなかなかくっつく姿を想像できないスタートでした。
わたしが谷地(攻め)の立場でもバイト先にこんな元上司が頻繁に来るなんてストレスになりそうです(笑)
ほっといてくれ、まさにそう思いました。
最初は谷地視点で、リストラされた後で2人の距離が徐々に近くなる様子が描かれております。
榛野(受け)が必死に谷地と接点を作ろうとしてるのが、よくわかります。畳で寝てしまう姿はとてもかわいかった。
谷地視点だけだと、榛野の気持ちは全くわかりませんが、榛野視点を読むと一気に見方が変わります。
谷地に会いたい、そう思い弁当屋で働いていることを調べて通う姿は健気です。
そして、ロンドンに谷地が来て慌てる榛野がかわいすぎる。コンドームやローションを見られてへこむ姿とか、財布を忘れて焦る姿とか、不器用なところが本当に愛おしい。
最後の冷蔵庫につまった谷地の愛に泣かされました。
本当に2人はくっつくのか…?と最後までドキドキした作品です。
2人の幸せな姿を読んでいただきたいので、短編集もおすすめしたいと思います。
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また泣いてしまったww 心に沁みる置き土産。穏やかなパターンだった。これも好きだな〜じんわり萌えた。構えなくても読めますw
プライドもエゴも忘れた時間の中へ一緒にいける相手。
一緒に働く弁当屋のおばちゃんの何気ない行動で、元上司に対する谷地の感情の振れ幅を表していて後を引く。グイグイ読む読む。
耳の所は、ギャっ!痛いのきたか!と思ったらそうでもなくて良かったwwwww でもお人好しでツイてない人ってキャラが毎度の如くリアルな感じで…。
お腹がいっぱいになる方がいい。ここズシーンときて胸が詰まった。その前のノンケ相手に容赦なく往復ビンタ食らわすようなロマンチックさの欠片もない告白wwwwwww が強烈パンチww 好きだw
ロンドンでの甘いところも楽しかったし。満足〜!!
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最後、谷地のいない部屋に帰ってきたとき、榛野がリンゴを食べて涙をこぼすシーンにもらい泣きしてしまいました。わかるわぁ…恋ってそんな感じよね… 全体的にほのぼのでキュンキュンしました。
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完璧主義な受が、攻男の前では相手にもされず失敗ばかり繰り返して悶々と想いつづけるところが健気で可愛らしかった。
攻のゆるい大人の魅力も受のうまくいかなすぎて拗ねてしまうしぐさもとっても良かったし、何か後ろ髪引かれるようなラストも作品の雰囲気に合っていて良かったです。
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木原さんらしい作品。
好きな相手の気持ちを考えすぎるくらい考えて
ぐるぐるしているホモと
鈍感ではっきり言われてようやく気付くノンケ。
『美しいこと』とか『恋について』とか
似た路線だと思う。
でも飽きないなぁと自分で思う。
普通似た展開だとお腹いっぱいになる傾向があるんですが。
榛野がカワイイ。
どうしてくれよう、コイツ、と思うくらいカワイイです。
相手が大人だから余計なんだろうなぁ。
ぐるぐるしちゃって。
話はよかった。本当によかった。
で、挿絵。辛口コメントしか吐けません。
この方の初期のイラストか何かですか。
この挿絵描きさんの漫画とかイラストとか見たことなくて
今回が初めてなんですが、ラストの正座絵がいただけない。
バランス悪すぎ。描線が素人臭い。
他、手が気になるくらいにダメ。
BL絵描きさんて手に萌える人が多いので手がヘタな人が少ないのに
珍しいくらい手に魅力がない。
この作品においては残念な絵描きさんのレベル。
他の作品では知らないので、上手い人なのかもしれないけど
本音を言えば、絵は不要だったかも。
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思考の傾向もペースも全く噛み合わない二人の間にどう恋が生まれ成立していくのかとても面白かった。冷徹で合理的思考ゆえに常に神経尖らせてる榛野だからこそ、独特の視点を持つまったり癒し系オヤジ・谷地に惹かれたんでしょうね。小説掲載作では推測はできるものの明確には描写されてない部分もあるけど、榛野視点の書き下ろしで推測の裏打ちを貰える感じ。榛野の心情がわかって可愛く思えます。終盤は木原さんにしては甘々じゃなかろうかと思える展開で和みました。wこれからもっと甘くなるってところで終わってるのも木原さんらしい。
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大人の男の背負っている世間体とか、矜持とかに同情しつつも、そのシビアなしがらみの中にきらっと輝くピュアでかわいい恋心や、飾り気のない本音に、キュンとさせられてしまいます。
主人公の谷地は43歳。BLというにはアダルトですが、読んでいるとそんなに年齢的なことは気にならない、いい男です。ただ、谷地はその年齢で外資系の会社をリストラされ今は弁当屋でアルバイトする身。出来ない男ではないのに、出世欲も無く淡々と無難に働いていたのがかえって災いした感じです。草食系そのもの。後でリストラされた理由がそれだけではないこともわかってきます。
そんな谷地が働く弁当屋に毎週やってきて弁当を買っていくのが、彼にリストラ宣告をした張本人の榛野。元上司でしかも年下です。彼がどうして弁当を買いに来るのか、谷地には不可解で、気分も良くありません。
『榛野が嫌なのではなく、彼が引き連れてくる感情が嫌だ。榛野が来なければ、自分は単なる弁当屋のアルバイトでいられる。そこに榛野が来ることで、自分は年下の上司に会社をリストラされた無能な男になる。』この一文で、谷地の複雑な胸中が一発で理解できます。
読んでるほうには、榛野が来る理由はBL的にわかってますが、常識的な感覚で生きてきた谷地には悪く勘ぐってるくらいに謎です。だから、坂口が言った「リバ」の意味もわからず、携帯での嫌がらせにも無反応な谷地の、あまりの鈍さにかえってドキドキさせられました。それが普通の感覚なんだろうけど。
書き下ろしでは榛野視点で話が進行して、谷地への想いの変化からリストラの真相まで、気になっていたことが榛野の気持で描かれていて、とても納得できます。
仕事も恋愛も感情的にならず、冷静でドライな榛野と、捨て猫にも餌を与えるような情があって、求める者を受け入れる器の大きさがある谷地はとても対照的。谷地はノンケで榛野の恋愛感情には気付かなかった鈍さもあったけど、ゲイを受け入れようとする心の広さは持ち合わせている男なのがよくわかります。しかも、ロンドンでは意外に積極的でした。相手の気持に気付けば、谷地なりのペースで距離を縮めようとしています。
そんな谷地の行動に舞い上がったり、動揺したり、らしくない大失態をしてしまったりあたふたして、果ては鼻血まで出してしまう榛野に笑っちゃいけないと思いつつ笑ってしまいました。冷血漢に見えた榛野のかわいらしさがいちいちあふれ出ていて何度読んでも胸が熱くなります。恋するってこういうことだよね、と心底共感しました。好きな人の前で、恥ずかしい失敗をしてしまう榛野の気持全てが愛しくなります。あるよ、そういうこと…っていうエピがいっぱいでした。
谷地もここまで来たらもう鈍いのか鈍く見せてるのか微妙です。分かっていて膝乗りになった榛野のことを楽しんでいたとしたら、ちょっとSっ気アリかも。二人のHシーンは後半のみですが、感情の高まりと絡んで、とても印象的です。谷地の主導権が意外に?すてきで、とてもよかった。
遠距離恋愛の切ない気持に胸が痛くなりました。経験あったらこれは泣けます。マフラーにリンゴ、静かな部屋の描写、どれもたまらなかった。
その後の二人も気になりますが、もっと気になったのはロンドンでの谷地の心境です。アレを見つけたときの気持ちを知りたい…
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読みながら、この流れでこの二人本当に最後くっつくのかな…と心配しながら読んでた。
他のBL作家さんだとこんな心配しないけど、木原さんならありそうで怖い。でも思ってたより全然ハッピーエンドで終わって良かった。
てっきり逆かと思って読んでたのでそこもちょっと意外。
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甘酸っぱかった!雑誌の続きがずっと気になってたのですが、思ってたよりずっとラブラブで甘酸っぱかったです!ハァハァ 初恋って素敵。今後の二人については坂口の榛野リバ発言に期待したいと思います。てか、雑誌の時点では当然逆だと思ってたよ…。
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ロンドンでの榛野にはめちゃくちゃ萌えたし、手のひらで阻止は斬新すぎてそして榛野の心情に泣けました。ラストもよかった。
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寒い冬にほっこりできる切なくてあったかいお話。
カフェオレ飲んでるシーンとか飲みたくなります。
榛野くんが谷地さんを好きで好きでたまらないのが、
とてもよく伝わってきて、これはあてられちゃうよねぇと思ったり。
そして、惚れられてる谷地さんも40過ぎて会社をリストラ、弁当屋で
アルバイト中とは思えないほどの魅力的な空気感の人で。
榛野くんの恋愛速度は谷地さんには早過ぎるのだけど、
そこを相手に歩み寄って一晩で乗り越えてくれるところとか
大人だなぁ。素敵だなぁと思いました。
しかし、日本家屋に一人で住んでるおじさん(一見さえない風)
というのは完全に萌え。です。
そんなジャンル探すの難しいけど。。。
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甘い…甘いよ……!!!!
なにこの甘さは!!
受けが可愛すぎる…
最初は嫌な奴で思考回路が理解不能と思ったけど、書き下ろしの受け視点読んだらただの不器用受けだったっていう…
攻めが優しいおじさまで、ナイスカップルだと思いました
いつかまた読み返したい一冊
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木原さんの作品の登場人物の考え方はとてもリアルで共感できる。だから説得力がある。
ただ受けの青年はこの先もこの人相手で満足できるのかなあと
ちょっと心配に。
あとやっぱり自分をリストラした人と恋愛関係まで行くのはちょっと人が良すぎるかな。