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投稿者:にゃおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私達は常に物事を定義付ることで理解しようとしている。しかし、その定義が誤りであったなら。
例え定義が間違っていたとしても、生きていく事はできる。それが、欺瞞と後悔によって支えられた脆いものだとしても。
人の定義は、愛の定義は、性の定義は。有ると思っているだけで無いのかもしれない。
端麗でえげつない
2020/08/10 11:42
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長野ワールドなんですけど、ちょっと異質な感じもある。
多分、舞台設定が現代(あるいは過去)でないためかもしれない。
でも湾岸地帯の描かれ方は、作者らしい美しい表現です。
読者としては色々な情報がパズルのようにちりばめられていて
それを拾い集めているうちに迷宮に迷う感じ
その中で主人公のいらだちや焦りも拾い上げてしまう。
ただし、鏡島家の生殖システムのえげつなさはちょっと辛い。
それを硬質な端麗な文章でさらりと綴っているけれど、実はかなりえげつないです。
アンモラルとかいうとかいうよりも、えげつないなぁって。
初読の時は長野さんの文章でなければ、読みすすめないほどだと思ってました。
、現実のインターセクシャルのことを知った後に読むと少しだけ感じ方も違います。
ただし、鏡島家の世間を欺いて行う生殖システムのえげつなさは変わらないと思いますけどね。
途中でなんとなく予感はあるのですが、
(主人公以外の人々の言葉で)
ラストで本当のサマー・キャンプの意味がわかってちょっとほっとする。
唯一消化不良を起こす感じに読後なったのは
未成年の主人公がその家で暮らしていた経緯なんですけどね。
長野さんの描く主人公の少年は
どこか根なし草的な少年というだけない不安定さがあるんですよね。
(再読レビュー)
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あー、これあただの変態だー。
分かっていたのに読んでしまう。
17の長野さんとの出会いはそれだけ強烈だったということなのねきっと。
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温(ハル)のひと夏の出来事。
近未来なのかな?
すごく感情で表される部分が研ぎ澄まされて簡潔化されてしまうとこんな感じかも。
さっぱりしすぎた人間関係の世界でした。
読んでて「あれ?」という違和感は最終的にはパズルを完成させたようにすっきりしました。
タイトルの理解も、あ、そっち!?と一本とられたものでした。
山田君、座布団持ってきて!(By笑点)
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「新世界」シリーズ完結後第一作だった気がする。文芸誌のインタビューで「初めて苗字のある主人公」とか書かれていた気がする。苗字があっても長野ワールドは長野ワールド以外の何物でもないと私は思った。最後「お前のサマーキャンプは……」というセリフで、ああ、本全部でサマーキャンプだったんだなって。
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性別と記憶がテーマ…だったと思います。何か、微妙に科学的と言われればそうなんだろうけど、でも首を傾げちゃう感じ。何だか途中で主人公が置いてきぼりになっていたように感じたりしてました。
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主人公・温(ハル)の淋しさが、ものすごく伝わってくる作品。
獣医の辰(トキ)がたまらなくかっこいい。
何度も何度も読んでいますが、なかなか難解な話のため、何度読んでも頭をひねる作品。
でも惹きつけられるように、また本を開いてしまいます。
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不安定な恰好で読んだため、よくわかりませんでしたが。。なんか話も飛び飛びで、まとまりがない気が。ただ、作者のかきたいことを書いただけ、っていう印象でした。
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私が最初に読んだ長野さんの本。
この本を読むきっかけは、
私が好きな人がこの本を読んでいた。
それを知ったときに買ってみた(笑)
近未来が舞台になっている本です。
最後がね、ものすごく切なかった
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物語の舞台となる湾岸の景色が素晴らしい。処理サイトであるジオデシックドームのチューブから、青空や青い海へはらはらと無機質に降り注ぐプラスチックの薄片の描写がとても美しい。生殖医療や性的な問題を描くウエットさが、青い臨海の風景によって打ち消されていて、しかし逆に人工的でよそよそしい印象。登場人物に好感を抱くことはなかったが、面白かった。
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温(ハル)と辰。ルビ。
何故か読んでいる間lovelessの立夏と草灯が浮かんでニヨニヨ。温と辰の関係からか…?
後半、温なしで生きれない辰のだめっぷりにときめいていたら、まさかの最後。やられました。見事に。
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最後にしまったやられた…!とおもいました。
後半の辰の駄目な大人っぷりも大変よろしい。温がいないと生きていくこともできないっぽい。
ダメダメだ〜などとニヤニヤしていたところを非常にあざやかにひっくりかえされて、ああうまいなあ長野さん、という感じです。
まあ読んでくださればわかります。
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この本の題名でもある
「サマーキャンプ」の本当の意味を知ったとき、
切ない気持ちが胸にあふれた。
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家族の愛というよりは、性別のお話。
生殖器、性表現、ややこしい。なので染色体でそれを判り易く。。。
あんまりなってねえ。
面白いのだけれど、「面白い」のであって、悲しみや孤独、それらを鬼気迫るものに感じれない。
そこでとてもそれを体現できる痛みの只中にいるのがルビではないかと思われる。
だけど、そこまで深くは描かれない。
主人公は傲慢すぎ、云ったことが裏目に出ては後悔しやりこめられてばかり。
「なに・・・・すン・・・だよ」て、何回云うんすかww
でも、そんな彼が思い返せば自ら「なにすんだよ」的なことを行い、自ら思うようにやりこめたのは少年版ルビだけだった。
そんなことを思い返させ、ほっこりさせられるラストシーン。
結局はヒワ子のもとで暮らした日々が「サマーキャンプ」であり、辰の家にもどるのか。
辰にとっては温はかけがえのない存在で、温は少年ルビに惚れる。
ん〜。ここでは性別が重要なのに、「女」の描かれ方があまりにひどい気がする。
ABITAS-C1(アビタスシィワン)
この語呂すきww
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ちょっと難しい内容でした
最期にタイトルの意味を知ったときやられた!と思いました
辰の駄目な大人っぷりと温のかっこよさ(?)のバランスがいいです