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成功者の下積み時代
2020/06/10 09:01
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投稿者:姫路ねこ研究所 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かのジャイアント馬場は読売ジャイアンツのピッチャーだったことはプロレスファンなら周知の事実だろう。どんなプロ野球選手だったのか?といえば、二軍ではそれなりに活躍をしたが、一軍では通用せずにひっそりとプロレスに転向をした、くらいにしか知らない人も多い。では実際にはどうだったのだろう?
本書は馬場正平の生い立ちから始まる。小学生の時から体がどんどん成長を来す。周囲の人たちの心無い言葉や態度は悪意の有無に関わらず、馬場少年の内向きに追いやって行く。ずば抜けた身体能力からの野球との出逢いも足に合うスパイクが入手できず一旦は断念するなど、何かを始める前から挫折に追い込まれていく。それでも馬場少年の能力を見出した周囲の人の奔走もあり、野球部に入部、甲子園出場こそかなわなかったが、読売ジャイアンツから声がかかり、入団する。入団後も二軍では活躍を見せ、身体の大きさも相まって二軍の遠征では欠かせない存在になっていた。そんな中、視力障害が出現。幼少期からの身体の成長も、下垂体腺腫の症状と判明したため、手術となる。当時は生死を分ける大手術。幸運にも後遺症なく退院した馬場は活躍を続けるが肩と肘に故障が発生、自由契約となる。大洋ホエールズと契約を果たすが、寮での大怪我のため、選手生命を棒に振り野球界を去る。その後のプロレスでの活躍は言うまでもない。
体の大きさ故に常に好奇な目にさらされてきた馬場正平。彼がプロ野球、プロレスと自分の道を見つけることが出来たのは、当時の下垂体腺腫切除術を乗り越えた強運もさることながら、中学時代のモルモン教との出逢いではないだろうか?教義を熱心に学ぶことで、自らの中に神を見出す。そして周囲への感謝の念を抱くことができたのではなかろうか?そしてモルモン教はアメリカ起源で指導者は日系アメリカ人。アメリカには体のおおきい人はたくさんいる。彼は日本では巨大だが、アメリカではそこまで大きいわけでもない。信徒の方々が彼の大きさを好奇のまなざしで見ることなく受け入れたのも日米の違いもあるのではなかろうか?
成功とは言い難い馬場選手の野球人生。王長嶋など、彼より才能豊かな選手たちを目の当たりにしたためか、あきらめがついていたようだ。本書の最後に、プロ野球引退直後の馬場正平のインタビュー記事が載っている。アップの顔写真が載っているが、とても晴れやかな笑顔だ。日本プロレスに入門前の記事だとは思うが、その後の大成功を予感させるような表情だ。
巨人軍時代の馬場の話は貴重
2016/07/02 14:23
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投稿者:hiroyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
力道山に次ぐプロレス界のスーパースターと言って良いジャイアント馬場。そのプロレス時代の話は多く語られ、本も沢山出版されているが、野球の巨人軍時代の本はそんなに出ていないと思うので貴重である。長嶋茂雄、王貞治が入団してくる前のプロ野球はまで国民的スポーツではなく、胡散臭い興行と見られていた時代である。馬場の巨人軍末期、この3人が一瞬交錯する。後の夫々の活躍を見れば、ドラマチックで、現在から見れば、これから輝く昭和の前哨であった。
拍子抜け
2021/08/10 21:56
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投稿者:井端隕石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう伝記ものの常として、大物にはまず取材できないという事がある。重なりは少ないが、長嶋茂雄、広岡達朗、王貞治など存命の巨人OBには何も聞けなかったのか。唯一、自身の200勝を決めた試合に馬場さんと投げあった杉下茂にインタビューできたのは収穫だが、内容は拍子抜けなのは惜しい。
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