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投稿者:ハイビスカス - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かった。
心情を丁寧に描いてあり、キャラクターを応援したくなる。
星一つ減ったのは、差別を差別という単語でストレートに表現してしまい考える余地が少ない点、レオンが無能という設定のわりにはやたらと有能に見えるところ、ゼクスの発達障害があまり意味を持たなかったところから。
応援したい作家さんです。
人間模様を描いたファンタジーもの
2019/09/12 17:46
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブックオフでたまたま手に取った一冊。魔導士が迫害されているという、他のファンタジーものとは少し毛色の違った話。強大な魔力を持ちつつも、それを操る術を知らない弟子と弱い魔力しかないながらも操る術には滅法長けた師匠。ある国を舞台に、ある出来事をきっかけ敵、味方に別れざるを得ない魔導士の葛藤や、師弟関係の素晴らしさなどが書かれていて、ファンタジーものでありながらも、人間模様がすごく良かったです。シリーズものとのことですので、書店で買ってでも、次も読みたいと思いました。
人間性の話しであり魔法の世界観が独自で惹かれた
2017/03/25 06:36
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投稿者:よしヒーロー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は一流魔導士の素質を持ちながら器不足で三流に甘んじているレオンと、超一流の器を持ちながら制御方法を学ばず処分されかけていた少年ゼクスを中心として展開する。
魔導士師弟の関りと互いの成長・前進、激しく動き出した時代を生きる周囲との関係を描く部分は普通に人間性の話しである。つくづく、寿命があるためにいつの時代も同じように葛藤を持ちつつ生きねばならない人間のサガを思った。
本書で特筆すべきことは魔法の世界観である。これは従来の呪文をつなえて魔法を発動するという決まり事を脱した新たな世界観であり、今後もこの世界観が展開されることを望む。
久しぶりに一気読みしたファンタジー小説であった。
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魔法と剣のファンタジー。ただし魔道士は賤しい身分とされ虐げられていた。
そんな世界で、知識は豊富だが生まれ持った才能が足りず三流の魔道士レオンと才能はあるものの操る術を知らないゼクスが戦乱に巻き込まれて行く。
単純な勧善懲悪のファンタジーではなく感情的な部分が描かれているファンタジー。なので読み終わってもスッキリしない部分が残る。魔道士を虐げ忌み嫌う村人たち、流されるように解放軍に加わるゼクス、追われるように討伐軍に加わるレオン。それぞれに感情移入でき読み応えはあった。
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第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。
魔導士が下賤の身分とされ、虐げられている国ラバルタ。人一倍勉強して豊富な知識を持っているのに、天与の才に恵まれなかったため三流魔導士として私塾を開きながら生きるレオン。比類の魔導の才を持ちながら、ある理由から魔導を学ぼうとせず、処分されかかっていた少年ゼクス。レオンの元にゼクスが強制的に弟子入りすることになり、物語が始まる。
びっくりするような展開は少なく、ハリポタのような呪文が出てくることもないけれど、その分、安心して読め、素直に楽しめました。また、とても読みやすい文章で、すいすいとページをめくっていけました。
魔導士のいる異世界ファンタジーなので魔法も描かれてはいますが、物語の主軸はレオンとゼクスの師弟愛や、魔導士たちの生き様にあると思います。魔導士たちの必死な姿に感動しました。
アストリア王子率いる解放軍とラバルタの停戦後の世界、レオンとゼクスのその後について、書いてくださると嬉しいです。
(続編の『魔導の福音』に描かれるのでしょうか?)
続編も読む予定です。
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第1回創元ファンタジィ新人賞優秀賞受賞作品。
世界観がしっかりしているハイ・ファンタジー。剣と魔法の異世界ファンタジーのド直球。文章は読みやすいがしっかりしている。文体も王道という感じ。心象描写は少な目かな。
ファンタジーは好きだけれどラノベテイストは苦手、という人におススメ。ラノベ的お約束な要素は一切入っていないので。まさに大人も楽しめるファンタジー。
ただまあ物語の流れや設定は王道なので、正直目新しい部分は特にない。逆に言えば安心して王道を楽しめる作品、とも言えるけれども。そして解説にあった「空気感」がないせいか? ハマるまではいかなかった。あんまり心に残らないというか、あと一歩という感じ。でも伏線も回収していて捨てキャラクターもいない、とても丁寧な作品だったので、この著者の次回作が楽しみ。
ゼクスが二重三重の差別に苦しんでいる、というのは読んでいてこちらまで苦しくなり、腹立たしくなった。どこへ行っても侮蔑の対象にされる。その高すぎる能力さえも、嫉妬とやっかみの対象に。侮蔑と嫉妬は紙一重なのかな、とも思った。
ゼクスもレオンも他のキャラクターも、すごく「生きている」という感じがした。薄っぺらいキャラではなくて、ちゃんと人間している。弱いところも汚いところもあるし、矛盾している部分もある。ダーニャが反発し続けるのではなくて、戦争の罪を飲み下すところとか。
一番好きなシーンはゼクスが初めてレオンの導きによって魔導を使ったシーン。二人の上に水が落ちて虹ができる光景が目に浮かんで、その美しさに心が震えた。
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面白かった。しかしファンタジーを読んでいるという感じは薄かった。異世界の物語だがそれに伴う世界観がほとんど見えてこないからだろう。作者は少数派に対する差別を心底伝えたかったようだが(続編でも同じらしい)魔導師に対する蔑視にここまで固執する必要があるのかと少し疑問に思った。文章はよどみなく違和感もなくとても読みやすくて良かった。でもやはり読み終わってもファンタジーという気がしない まぁ続編も読むけどww
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レオンという師匠に出会えたゼクスは嬉しい。ゼクスという弟子に出会えたレオンも嬉しい。という状態になるまでの辛さ、哀しさは普通じゃなかったね。
この世界で暮らす人々の中で魔導士という立場の人達も普通に暮らせるようになるといいなぁ
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魔法を使えるひとたちが虐げられている世界で、必死に人の役に立って、感謝されるように頑張っている魔法使いたちの話。
まだまだ魔法使いが自由になるまでは遠いようですが、いつか平等になる日のための犠牲はとても大きいですね。これだけ踏み倒してきたからこそ、ゼクスとエヴァン、数々のまち、みんなみんな傷つき傷ついて終わったので、続きがあるようですが、最後はハッピーエンドであってほしいです。
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重厚でとても心打たれる話でした。創元ファンタジィ新人賞?これで新人なのですか?良い出来栄えだと思います。ただ、血統や職業ではなく突然持って生まれる魔導士の能力を持ったものが異常に虐げられ最下級となる設定がどうにも腑に落ちませんでした。だって“天才”と同様に真似のできない素晴らしい能力じゃないですか。まあ、魔導士設定じゃなくても、こういった差別意識からは争いしか生まれないでしょうけど。
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内容は差別や内乱と成長を主軸にしていて重厚感がある感じなのだけど、一番大事な魔術に関する描写が余りに薄くて入り込めなかった。
『小屋一軒吹っ飛ばす』など登場人物たちが事態を教えてくれるんだけど、どう吹っ飛んだのか、吹っ飛んだ後どうなったか、などの説明がないから重大性や異常性がイマイチ伝わってこない。
ゼクスは凄い才能の持ち主だから、凄い才能だから、って押し付けられている感じでした。
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6:読了ツイートを見かけて購入……したのだけど、面白いのか面白くないのかちょっと判断を保留したい一冊です。登場人物の関係性とかはすごくよく練られててぐっと引き込まれるんだけど、世界設定というか、舞台装置が薄っぺらく感じたんです。叙事詩についてあまり明かされていないからかもしれないけど、単巻読み切り前提でそれは反則かな、とも思うし、魔導士の地位があまりにも……何というか、都合が良すぎる。いくら被差別集団であっても、お母さんが自分のお腹を痛めて産んだ子に対してそう思うか?とか、もっと体系だった魔導の研究はされていないのか?とか、<鉄の砦>って結局何よとか。魔導はどう考えても白兵戦力より使えるわけで、「間合いに入られれば弱い」のであれば間合いに入られないような戦略を練って戦術を用いるべきで、復讐心に燃える魔導士たちが唯々諾々と従っているのはなあ……とか、国を滅ぼしたいわけじゃないとか、何かこう……今ひとつのめり込めなくて。
期待が大きすぎたのかも知れないけど、一番残念なのはゼクスの一番の特性であるディスレクが全然活かされてなかったこと。こんなに強い個性を持たせるなら、もっと書きようがあったのじゃないかな……と、同じようなジャンルに生息しているからこその辛口なのですけど。
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Twitterで師弟の絆を描く物語という宣伝文句を見たけれどその通りの作品だな…と。
読了後の解説で応募作の段階ではファンタジーに大事な空気感がないという評価だったというのを読んで、確かに改稿があってもまだその点は不十分だなと感じてしまったけれど、ファンタジーものというよりは師弟の成長の物語として読んでいたのでそこまで気にならなかった。
人は誰しも自分の心を完全には制御できないし、自分自身にも己の心の裡を掴みかねることもあるし、そのときなにを為すべきかの正解が都合良く目の前に現れてくれるわけじゃない。
登場人物はそれぞれに迷いを抱えていて(重要キャラなのにそこまで掘り下げられなかった人物もいるので今後の登場に期待したい)ときにこれで良いのかと立ち止まりながらもそれぞれの道に進んでいく。己の道が見つかった人物の生きる姿は潔く美しい。
共に手を取り合い歩んでいくことを選んだ師弟に祝福を。この先の道も読みたい。
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理不尽と闘い、闘い続けた先にみえた自分の有り様。
普通の人々を戦争にむかわせる見えない狂気。
未来を考える事が大切な事だと思えます。
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師弟関係、識字障害、能力の意義・存在意義、差別意識、争いといった普遍的なテーマを、「魔導」という切り口で描いた作品。文庫で読んだ。
ゼクスとレオンの視点で読み応えがあるし、ガトーやアスターを初め多くの魅力的な存在がでてきて読みやすい。ただ、集団の中で仲間と絆を造っていく過程があっさりしすぎている気はする。仲間たちもそれぞれに魅力的なだけに。そこも書き込んでしまうと、1巻ではまとまらなかったか。ちょっともったいない。