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☆掟上今日子の家計簿☆
2024/05/16 22:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
忘却探偵《掟上今日子》シリーズの、第7弾です。
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【掟上今日子の誰がために】
《雪に閉ざされたペンション》という、ある種ミステリの典型的なクローズドサークルの舞台で起きた殺人事件を解決するため、御簾野警部は、忘却探偵の掟上今日子に依頼した。
現場は悪天候から外部と遮断されていたため、犯人は宿泊客かペンションの従業員に限られるのだが、殺された女性はペンションに初めて来た客であり、また、他の客とも接点がないため、そのうちの誰かから恨まれるようなこともなく、殺人の動機が不明だった。
クイボノ(事件によって誰が利益を得たか)から考えた掟上は、真犯人の身勝手かつ救われない真相に辿り着く。
【掟上今日子の叙述トリック】
ミステリ研究会のメンバーが合宿で殺されるという事件が発生した。
《グランドピアノで殴られ死亡した被害者》は、持っていたスマホで叙述トリックの傑作と言われる『xyzの悲劇』の電子書籍を開いていて、これがダイイングメッセージではないかと考えられていた。
ミステリに不慣れな二々村警部は、掟上に「叙述トリックとは何か?」の講釈を求める。
本作は、警部と掟上今日子との対談のみで物語が進行していく。
また、事件の真相(解決)に余白を残すのも特徴的だった。
【掟上今日子の心理実験】
《地下室に監禁されていた男》が殺害された。その部屋は電子錠でロックされており、死亡推定時刻には誰も入室していないことが記録上判明しており、ある意味密室殺人だった。
百道浜警部は、怖れに近い感情を持つを掟上今日子に、事件の解決への助力を申し出る。
「掟上今日子の叙述トリック」を読んだ後だからか、叙述トリックが際立つ作品だった。事件の真相はそれほど複雑でもないが、凄惨な事件だけに、解決役は、百道浜警部のように、誰かに頼みたくなることは、わかるかもしれない。
【掟上今日子の筆跡鑑定】
ある殺人事件の容疑者Aは、当該時刻に遊園地の脱出ゲームをしていたというアリバイを主張していた。脱出までに少なくとも1時間半はかかるというゲームだったが、1時間以内でクリアできるのであれば、謎解きイベントマニアを自称する容疑者Aのアリバイが崩れる可能性があった。
遊佐下警部は、最速を誇る掟上今日子に、その脱出ゲームを最短はどれくらいの時間でクリアできるか検証して欲しいと依頼した。
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今回は、4つの短編集であったが、どれも面白かった!
☆掟上今日子の家計簿☆
2024/05/16 22:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
忘却探偵《掟上今日子》シリーズの、第7弾です。
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【掟上今日子の誰がために】
《雪に閉ざされたペンション》という、ある種ミステリの典型的なクローズドサークルの舞台で起きた殺人事件を解決するため、御簾野警部は、忘却探偵の掟上今日子に依頼した。
現場は悪天候から外部と遮断されていたため、犯人は宿泊客かペンションの従業員に限られるのだが、殺された女性はペンションに初めて来た客であり、また、他の客とも接点がないため、そのうちの誰かから恨まれるようなこともなく、殺人の動機が不明だった。
クイボノ(事件によって誰が利益を得たか)から考えた掟上は、真犯人の身勝手かつ救われない真相に辿り着く。
【掟上今日子の叙述トリック】
ミステリ研究会のメンバーが合宿で殺されるという事件が発生した。
《グランドピアノで殴られ死亡した被害者》は、持っていたスマホで叙述トリックの傑作と言われる『xyzの悲劇』の電子書籍を開いていて、これがダイイングメッセージではないかと考えられていた。
ミステリに不慣れな二々村警部は、掟上に「叙述トリックとは何か?」の講釈を求める。
本作は、警部と掟上今日子との対談のみで物語が進行していく。
また、事件の真相(解決)に余白を残すのも特徴的だった。
【掟上今日子の心理実験】
《地下室に監禁されていた男》が殺害された。その部屋は電子錠でロックされており、死亡推定時刻には誰も入室していないことが記録上判明しており、ある意味密室殺人だった。
百道浜警部は、怖れに近い感情を持つを掟上今日子に、事件の解決への助力を申し出る。
「掟上今日子の叙述トリック」を読んだ後だからか、叙述トリックが際立つ作品だった。事件の真相はそれほど複雑でもないが、凄惨な事件だけに、解決役は、百道浜警部のように、誰かに頼みたくなることは、わかるかもしれない。
【掟上今日子の筆跡鑑定】
ある殺人事件の容疑者Aは、当該時刻に遊園地の脱出ゲームをしていたというアリバイを主張していた。脱出までに少なくとも1時間半はかかるというゲームだったが、1時間以内でクリアできるのであれば、謎解きイベントマニアを自称する容疑者Aのアリバイが崩れる可能性があった。
遊佐下警部は、最速を誇る掟上今日子に、その脱出ゲームを最短はどれくらいの時間でクリアできるか検証して欲しいと依頼した。
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今回は、4つの短編集であったが、どれも面白かった!
過剰と欠如とズレ
2018/05/06 22:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきにもあるが、『退職届』と対をなすように今度は男性警察官が依頼人として登場するシリーズ。しかしなぜ「家計簿」? まあお金の話が多いかな。いつもだと思うが。内容はいつも通りのテイストで不満はない。だけど色んな意味で過剰か欠如、そしてズレ。西尾作品はどれもそうだけど。「叙述トリック」のピアノのトリックは過剰で無くてもいいんだけど、ある方が西尾作品らしい。「筆跡鑑定」は普通の作家なら脱出ゲームをもっと描写するよな。「心理実験」はこちらの方が叙述トリックっぽい。今回の短編には推理オタクの思考が何らかの形で絡んでいるのが目立つが、まあそれはいつもか。さあ、次作の趣向は何だろうか。