SF、幻想、怪奇など様々なジャンルの作品が収録されたブラッドベリ氏の小説世界が楽しめる一冊です!
2020/05/24 10:27
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アメリカの作家で、SF小説や幻想文学、怪奇小説などを得意とされているレイ・ダグラス・ブラッドベリ氏の短篇集です。同書には、ブラッドベリ氏の特徴とも言うべき、SFやブラックユーモア、詩情あふれるものまで多彩な作品が収録されているにも関わらず、全編において何かセンチメンタルな空気を感じさせる独特に雰囲気が漂っています。表題作の「猫のパジャマ」をはじめ、「あたしは猫好きなの」、「ぼくだってそうさ」、「さなぎ」、「連れて帰ってくれ」が収録され、ブラッドベリ氏の世界が楽しめます。
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
この短編集全体で言うと特別上等とは思えなかった。でも既読だったのは1篇しかなく、年代もばらばらとは言え初読ばかりだったのでやはり楽しめた。玉石混淆の感もあるが表題作や「趣味の問題」「酋長万歳」「変身」「さなぎ」など好ましい作品も多かった。著者最後の作品ではないが、それでも創作の中心だった短編集の最後のものとなれば感慨も深くなるのは当然。
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『SFの抒情詩人』と言えばこの人、ブラッドベリの短篇集。文庫版には、単行本には収録されていなかったエッセイが追加された。
比較的短い短篇が収められているので読むのに時間はかからないが、そこはブラッドベリ、どれを読んでも面白い。表題作にもなっている『猫のパジャマ』が一番面白かった。
また、文庫版の『訳者あとがき』は、翻訳家のブラッドベリに対する思いが伝わって、追悼文としても素晴らしい内容になっている。
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タイトルに「猫」とあって、ブラッドベリとあれば
なおさら買ってしまう。
ブラッドベリときけばSF、ファンタジーと
カテゴリー分けをしてしまいがちだが、
短篇集を読むと、どうしようか悩んでしまう。
今回は
「さなぎ」「酋長万歳」
「ふだんどうりにすればいいのよ」
「用心深い男の死」「三角関係」
「帽子はどこだ、急ぎはなんだ?」
「雨が降ると憂鬱になる(ある追憶)」
「完全主義者」
そして表題作「猫のパジャマ」
『ヒヨワでヘッポコな三文詩人の感性』が描く
甘美、ほろ苦い物語が、いかに過去にとどまらず
現在の、将来の人生を照らすのか、
人が満たされるためには、何を受け入れ乗り越えて・・・
SFやファンタジーの世界への逃避ではなく、
現実世界へのヒントをくれる気がする。
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なんというか物悲しさがブラッドべリの作品には漂っていて、特に「雨が降ると憂鬱になる(ある追憶)」がずしんと来ました。特別収録エッセイ「連れて帰ってくれ」でなんとなくその理由がわかったような気がします。挿画は長崎訓子氏。
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単行本を買いそびれていて、つい文庫本を買ってしまった。あの単行本の装丁は持っていたかったなあ。
てっきり、読み切りの長編かと思ったら、短編集だった。友人が地下室から見つけ出してきた初期作品や晩年の作品が並ぶ。「序文―ピンピンしているし、書いている」で、執筆の切っ掛けを披露しているが、チョッとネタバレ気味な印象もある。でも、さほど気にはならない。まあ、ブラッドベリの短編なら40年位読んできたんだし。楽しませてもらった。
むしろ、「三角関係」「趣味の問題」の表題の方が、ネタバレ気味?まあ三角関係の最後は、更に深くて、流石だなあと思わされた。
「猫のパジャマ」は落語の宮戸川を思い出した一遍。
長寿だったブラッドベリもピンピンしてないし、書いてもないんだけど、まだ未発表の短編が出てくるだろう。そして僕はきっと手に取るだろう。
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タイトルで手に取った本。
海外文学は相性がいまいちなんだよな、と思いながら手にしたけどやっぱり相性が悪かった。面白くない訳ではないのだけれど、相手の発信している情報をちゃんと受け取れていない居心地の悪さがあります。
三角関係は割りと分かりやすかったかな。
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母から貰った。最近ブラッドベリに手を出している+タイトルのかわいさからくれたのだと思われる。
無痛症の男が背中をフジツボで引っ掻かれる話が好き。男が『きみ』と表されるのがいいね!
読めば読む程ブラッドベリはSF作家ではないのでは…と思っていたが、訳者あとがきのブラッドベリの魅力は美しい描写力と胸を締め付けられるようなノスタルジーとの表現に納得。
電車の中で読むのに適した作家。
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ノスタルジックな話が多い短編集。
ブラッドベリの本は、不思議な感じが好きでよくよみます。でも、文化的な知識があれば、もっと理解出来るのかも。
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この胸に迫る郷愁はなんなのでしょう。アメリカ人でもなきゃそんなに年齢を重ねてるわけでもないのに、泣きたいような懐かしい気持ちになるのです。
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池袋・梟書茶房で出会った本。
(全ての本にカバーが掛けられて売られており、あらすじで本を選ぶ体験)
短編集であるが、時代背景(少し前のアメリカ)をよく知らないので結構読むのが大変だったが、せっかくであった本なので読みきった。
読んでも意味が理解できない話もあったので、また知識を付けて読み返したい。
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数十ページずつの短編なのにまるで舞台作品を連続して観劇しているかのよう。それも1つごとに全くの別ジャンルや時代観だし、登場人物もシチュエーションも多彩。テンポもよく軽快で、いろんな種類の戯曲を次々読んでいる気持ちになれるしめちゃくちゃ満足度が高い。
ブラッドベリの作品はじつは絵本の『夜のスイッチ』しか読んだことがなくて、そういえばSFの巨匠よね…と傑作短編集との評判でこの本から手を付けたのですが最高でした。好きだな〜!!
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華氏451度を読んだ流れで、新旧織り交ぜた短編集を読む。
なにより、猫という題名と装丁に惹かれたのが大きい!
気楽にさらりと一編ずつ読むのに最適な本。
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途中まででタイムアップ。おしゃれで可愛くてこそばゆいお話がいっぱいだった。
ラジオで、たまたまブラッドベリの名言を知り(一晩ぐっすり眠ること、十分間泣きわめくこと、チョコレート・アイスクリーム一パイント分、あるいはこの三つの全部、これがいい薬なんだ)、さらには気になっていた作家さんの名前の由来がまたブラッドベリだと聞き、こんなに何度も聞くのは何かの縁かと読み始めた。これしか書架になかったから、もう少し深掘りしたい作家。
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有名な著者とは知らず、何となく手に取った作品です。短編集というよりショートショート集といった感じで、驚きや意外性よりは穏やかな感情を呼び起こさせるものが多い印象でした。
以下、面白かった話をいくつか。
さなぎ
人種の話はなかなか実感が伴いませんが、そこに友情があることは分かります。白い肌への憧れ、白人が日焼けして黒くなろうとすること。古い作との事ですが、現在でも読むに足りるものだと思います。
完全主義者
何この、何。何なんでしょう。全てが思いどおりになることは無く、夢を叶えたとしても一番あって欲しい未来が手に入らない。何度も思い返す物語です。
趣味の問題
最高の心根と最悪の見た目。
友好的なのに、見た目だけでこうも拒否される悲しさ。でもそれを意に介さない。異質なものとの共生というのは普遍的なテーマで、多くの日本人も、遅ればせながら直面していくことになるのでしょう。
猫のパジャマ
言外や行間に示されていることが多く、文化の違いか、壁を感じます。でも猫に向ける視線が暖かで、ラブストーリーとしてもいい感じです。
マフィオーソ・セメント・ミキサー
なんというか、不可能な願望を叶えた人を祝福する物語に見えます。喩えるなら死んだ子供への愛を存分に語り、蘇らせるような。同時に、それが絶対に叶わないという悲しみもあるようです。
俺の敵はみんなくたばった
意味わかんないけど勢いが楽しいです。お前それだけやらかして、よく友人面していられたな。
夜明け前
何から逃げてきたのか。何となく分かる。2035年。小説が書かれてから85年後。太平洋戦争が終わってたった5年しか経っていない時の作品です。
酋長万歳
大統領も苦労してんなww
もはや先住民が賭けに勝ったという事実は覆せないので、国をかけて勝つか負けるかの勝負。船でこの土地から出ていけというメッセージまで受け取ってしまいました。