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紙の本
円熟の短篇集
2021/07/28 23:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹の短篇集としての最高傑作としてこれを推す人も多いかもしれない。初期からのファンには「沈黙」のような教科書的にも思える作品は別に春樹が書かなくともという気がしなくもないが、円熟の短篇集としていいだろう。
紙の本
レキシントンの幽霊
2002/01/08 20:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:7777777 - この投稿者のレビュー一覧を見る
喪失と不可思議な物語。なにかが抜け落ちてしまったような読後感を覚える。
なかでも沈黙は、大沢という男が僕に対して過去を回顧するという作品が一番。寡黙で村上春樹氏本人を思わせるような大沢が僕にたいし、ゆっくりとゆっくりと自分の過去を語ってゆく。そこで大沢は傷付いた過去を語り、読者はそれにのめり込まれてゆく。大沢の人柄滲み出た回顧は、それを肯定する人間、否定する人間どちらをも、その違いを感じさせないほど共感させてしまう。こんな透き通った語りを出来るのは、村上春樹氏だけであろう。
紙の本
心のやみを垣間見たとき
2001/09/08 17:39
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投稿者:ゆら - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語の行方は不可思議であるけれど、描写の克明さや、語り口の安定感でリアリティを感じる7つの短編集。
全体的にダークトーンといった感じの重さがあるのは、それぞれのテーマに、ありふれた日常の中に身を潜めている心の闇、孤独や暴力、恐怖を扱っているからだろうか。
いじめを描いた『沈黙』。本当に怖いのは、いじめている当人ではなく、自分では何も生み出さず、表面的なことを無批判に受け入れ、踊らされ、集団で行動する「顔のない人たち」。沈黙という攻撃を受け続けた「僕」の言葉が、重く心に残ります。
自らの過去の過ちによって残った心の傷、その恐怖心との葛藤を描いた『七番目の男』。一夜を過ごした居心地の良い屋敷での、現実と非現実の狭間のない不思議な体験を描いた表題『レキシントンの幽霊』。孤独であり続けた男の半生を淡々と描いた『トニー滝谷』など。
過去に、実際にあったできごとを、村上さん自身のフィルターを通し、スケッチ風に描いた『回転木馬のデッドヒート』という短編集があるけれど、表現の精巧さとフィクションとノンフィクションが重なり合ったような雰囲気は、それに近いものを感じた。
短時間でさらりと読める量でありながら、心の奥深く問いかけてくるようなそれぞれのテーマに、ふと立ち止まってしまう一冊です。
電子書籍
見えないものを描き出す
2018/05/16 03:50
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
深い孤独に落ちていく男子高校生の運命を描く「沈黙」が圧巻です。名前のない群衆の恐ろしさが伝わってきました。