日本経済への恐るべき警告の書です!
2018/11/11 09:16
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本経済の先行きについて語った驚くべき警告の書です。巨額債務を抱えながらも、長期にわたる景気低迷からの脱却を至上命題として掲げる日本銀行ですが、目に見えるような成果は一向に上がっていません。本当に日本経済の出口はあるのでしょうか。本書は、この先に待つ悲観的なシナリオをも考慮した驚くべき警告の書です。
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
金融に関してこのようなわかりやすい説明してくれる本はありがたい。
来年度の政府予算が決まったようだが、国債残高が増えこそすれ、減ることもないようだ。大半が国民が買っているのだからギリシャのような心配はないという識者も多い。しかし、これは外国人には買う人がいないということだと言われると頷ける。
本当に日本の将来は大丈夫なのか。残念ながら、日銀はもちろん、政府の誰も説明してくれていない。なんとなく、変な方向に進んでいるのに誰もとめられないのだろうか。戦争に突き進み、破滅した戦前が想起される。
悲劇の結末で苦しまないように舵取りをお願いしたい。そうなってしまっては誰も責任なんか取れないのだから。
言うに事を欠いて「外国勢に買ってもらえない日本国債」とはこれいかに。
2017/05/06 22:51
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投稿者:ヂャリや - この投稿者のレビュー一覧を見る
あきれる。
不安をあおることで飯を食っている人たちが世の中に存在するのは、致し方なしとしてもだ。
ギリシャの例で散々脅した挙句、「わが国はギリシャがとったような手は使えません」とのたまう。著者が吠えているように、日本国債の外国勢比率がとても低いからだ。
けっして買ってもらう必要がないと書いていないところが眉唾もいいところだ。
債務面ばかりの強調で、債権面には一切触れないのがこの手の輩の手法としても
バランスシートに触れないのは最早、素人でさえも、うさん臭さをかぎ取るリテラシーくらいはあるのではないだろうか。
別の項では「日本がIMFの管理下に入る日」ときた。
日本の出資比率が第二位のであることを知らないいわけでもあるまいに、ここまでカマスか?
とあきれることしきりであった。
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日銀の財政ファイナンスを問題視する経済の本。太平洋戦争直後の銀行封鎖・新円切り替えと財産税について細かく書いてあって役に立つ。本当に90%とか取られたんだ…。今まで河村小百合と白井さゆりをごっちゃにしていたけど、別人だった。主張が似ているので混乱してしまった。
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17
世界中が仰天した異次元緩和
2013.04.~
年間約50兆円という型破りの規模、前代未聞の規模で国債を買い入れてマネタリーベースを供給するという量的質的金融緩和Quantitative and Qualititative Easingを開始。
質的というのは、ETF指数連動型上場投資信託やJ-REIT不動産投資信託の買い入れが雲拡大し、株や不動産といった資産価格への働きかけも行ったから。
2014.10.~ 追加緩和で年間約80兆円に増額
20
結果
QQEの開始から3年半あまりが経過した2016.10.
消費者物価は、2015.04.以降は前年を僅かに上回る程度の水準に戻る
2016.01.以降は、前年比マイナスの幅が、月を追うごとに拡大。
22
日銀による国債の買占め
26
この3年半余りを振り返れば、財政再建に向けての取り組みは棚上げ状態。
27
日銀がQQEという事実上の財政ファイナンスを続けられなくなった時、わが国の財政と経済にとっての危機が訪れる。
32
債務腸製の2つのパターン
1.連続的な債務調整 10年20年といった長期にわたり国民生活に重い負担が及ぶ
ex.
・毎年10%~30%も物価があがる高インフレーション
・金融抑圧 閉鎖経済の中で金融抑圧をやると、多くの国で高インフレが起きる
32-45
2.非連続的な債務調整 国民生活が切り捨てられる
ex.
・対外債務調整
・国内債務調整→金融危機 ギリシャ預金引き出し規制 敗戦後の預金封鎖
57
財政制約を意識する欧米主要国
61
リーマン・ショック後の2010年
各国は2013年の財政収支赤字の半減を共通の財政再建目標として掲げた。
ドイツやスペインでは、健全な財政運営を行うことを政府に義務付ける条文が憲法に盛り込まれた。
イギリスは「財政責任憲章」立法レベル、政治的な合意レベルでルールを設けた。
70
日銀の量的緩和は世界初の試み
世界各国の中央銀行にとってゼロ金利状態の下で非伝統的手段による金融政策運営を行ったのは、2001~2006年の日銀の量的緩和が初めての経験だった。
72
マネタリーベースを増やしてもマネタリーサプライは増えず
92
出口戦略を一切明らかにしない日銀
100
バーナンキ・ショックと資産買い入れの縮小
116
マイナス金利導入の結果、損失覚悟で国債を買い入れせざるをえなくなった日銀
132
ギリシャは財政指標を粉飾していた
143
ドラギ欧州中央銀行総裁が、SMPによる国債の買い入れを停止した。
145
ギリシャは、戦後初めての、先進国の、デフォルトの事例になった。
157
「日本は貯蓄率が高く、国債の殆どを国内で保有しているから、財政運営が危なくなるようなことはない」と言うバカもいるが、それはあくまでも日本政府が健全な財政運営に努め、市場がそれを評価し、低い金利で国債を発行し、財政運営を回すことができている限りにおいての話。
放漫財政で借金を増やし続け、市場金利が上昇する、もしくは事実上の財政ファイナンスを行って巨額の国際を買い入れ続けている日銀の金融政策が行き詰まり、政府の財政運営が回らなくなった時、ギリシャがとった手は使えない。
急激な債務調整の負担は、すべて日本国民に向かう。
159
ラインハートとロゴフは『国家は破綻する』2009で
「公的国内債務のデータを探すのは、ほんの十数年前のデータでも、ほとんどの国で考古学の調査をするようなものだった」和訳p.172 と述べている。
日本は第二次世界大戦時に財政破綻している。
170
1946.02.17. 預金封鎖および新円切り替えが断行された。
最後の調整の痛みは日本国民に向けられる。
176
日銀に蓄積され続ける大きなリスク
192
日本がIMFの管理下に入る日
209
財政運営リスクの問題に一切触れない日銀
213
中央銀行の先行きの金融政策運営に一切言及しないリフレ派
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『アベノミクスによろしく』より、詳細な異次元の量的緩和政策への懸念と批判。著者のことは、しばらく前にマル激に出演したのを見て知った。抑制が効いた筆致と、著者の職業倫理に共感を持った。
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中央銀行が出口もはっきりさせないで金融緩和に突き進んでいったのがよく分かる。目先だけよければいい、根本的な解決は後回し。原発政策と同じ構造だ。ちゃんと中長期の展望を持たないととんでもない事態が起こりそう。とんでもない事態が起こるまで見ないふり、リスクに備えて動かない。まさに福島の原発事故と同じ。
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財政破綻を日銀の財務諸表の観点から解説。
①日銀券を大量発行してインフレになると、誰が損をするのか?(率で課税している税金は増えるが預金は実質目減りするから国民が損をする)、
②低利率の国債を大量に保有する中、その量がBS上日銀券発行高をゆうに超え、超過準備が大量になることが許されている日本で、金利をあげると逆鞘が生じ日銀の財務運営が死亡→誰が補填?
③無利子国債→政府には一瞬メリットがあるように見えるけど②の問題が残る。
欧米は金融政策の面でもしっかりと縛りがありできる限度や条件がある。財政の面でも国債の償還ルールなどが日本ほどにはゆるくなく身の丈にあった長期国債の発行が行われてる(日本は短期債の借り換えで繋いでいるので低金利だが、綱渡りの財政運営。)。
財政破綻した場合、国外調整として債務免除をして解決できない日本は国内調整するほかない。その時、無理やり国民の資産を目減りさせる財産権の侵害を行うか、増税で徴税を行なって債務を返すか、社会サービスを切るか、、といった選択肢を迫られる。
日銀の財務運営の点は恥ずかしながらよく理解してなかったので勉強になった。新刊も出たので復習も兼ねて読みたい。