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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
副業で殺し屋をしているコンサルタント。連絡係は歯科医と公務員。
「殺し屋」と言えばゴルゴみたいな印象だけど、このお話の殺し屋は至って普通の青年です。
普通の家庭に育ち、大学を卒業して、社会に出て、殺しの才能もあったから副業してる・・・みたいな。恋人アリ。
事情はどうあれ、請け負った仕事は完遂する。
その後、なんで殺されたのか分かります。殺し屋の理屈で解釈されるのが面白いですね。
人を喰ったような性格の主人公、職業柄浮世離れした恋人、一見殺し屋っぽい公務員、もう一人の連絡係の歯科医は色男だから「伊勢殿」。
登場人物は少ないですが、みんな個性的で楽しかったです。
殺しのシーンはあっさり。そこは全然込み入ったやり方はなしです。
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石持さんらしい、論理を突き詰めていく会話と、主人公である殺し屋の、プロの技。どちらも面白い。
彼らが議論の対象とするのは、殺しのターゲットが残した謎というのもユニーク。
シリーズ化されたら嬉しいなー。今度は、「伊勢殿」にも、もっと活躍していただいて♪
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【一件につき、六百五十万円で承ります】コンサルティング会社を営む、富澤允。彼には裏の仕事があったのだが……。殺し屋が真面目に推理する異色の「日常の謎」短篇集。
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パターン自体は石持さんの作品ではよく見られるものですが、殺し屋という設定がしっかりはまっていた。序盤はもうひとつでしたが、「同伴者」から一気に面白くなりました。徹底的に冷静な主人公のキャラクターが気に入りましたが、「吸血鬼が狙っている」のオチは彼女がちょっと可哀想(笑)。
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表の稼業は、フリーの経営コンサルタント、
裏の稼業は、フリーの殺し屋…。
その正体を知っている者は、
つなぎ役の公務員の友人に、恋人の漫画家。
決して、特別感のない、
どこにでもありそぅなふつぅの日常にある、
しかし、異常な世界が自然と馴染んでおり、
これまで、ありそぅでなかった作品でした。
作品は、依頼編と解決編の2部構成となり、
序破急の破(殺人シーン)がない構成が、
作品に、より一層の日常感を与えていて、
短編らしく面白味だけが凝縮されており、
作品のよさが、巧く引き出されていました。
同じよぅな2部構成のミステリーだと、
柏井壽さんの『鴨川食堂』がありますが、
そちらは、パターンをうまくお約束化して、
シリーズ化されているので、本作品も、
シリーズ化を目指して欲しいな~。
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連作短編集。
経営コンサルタントの富澤允は、副業で「殺し屋」を営んでいる。
650万円の料金で殺人を請け負い、依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。
ターゲットが実在し、氏名と写真が一致すれば、引き受ける。
依頼は仲介者を通し、依頼人の思いもターゲットの事情も問わないし、小説の中でも出てこない。
断るのは自分に危害が及ぶと判断したときだけ。
非常にビジネスライクで、そこに徹底しているところが面白かった。
(図書館)
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殺し屋の話としては面白いんだけど、もともと3か月に一編づつ出してたみたいで、毎回同じ説明が必要だったんだと思うけど、10数分で次の話を読む者としては、「コピペで同じ説明されてもな・・・」という感じでした。
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「依頼が来たぞ」の連絡役の一言から始まる殺し屋の仕事。3日のうちに下調べをして、引き受けるかどうかを決める。引き受けたら、依頼者から入金があった時点から2週間以内に対象者を殺す。このサイクルを淡々と繰り返す殺し屋を描いた連作短編集なんだけど、対象者を監視しているうちに、いろんなことが気になってしまう殺し屋の富澤。作品は「殺す」ことが目的ではなく、その殺しの裏に隠された秘密の謎を解いていく方式になっているのが、何ともこの作家さんらしい構成。あまり読んだことのないタイプのミステリー。
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石持浅海作品に、ろくでもない人間は色々登場したが、今回は主人公が殺し屋だという。設定を聞いた時点で乗り気ではなかったが、ご本人曰く自信作らしいので、手に取ったわけである。
表の顔は経営コンサルタントという殺し屋、富澤。彼と、直接依頼を受ける「伊勢殿」の間に面識はない。間に仲介者の塚原が入り、互いに裏切れないシステムになっているのは、なかなか感心する(おい)。
殺し1件の料金は、650万円。理由は、東証一部上場企業の平均年収が、そのくらいだから。この業界の相場を僕は知らないが、決して安くはない。それでも定期的に仕事が舞い込むのだから、需要はあるのか。世も末だ…。
仕事に当たり、依頼者やターゲットについて、余計な情報を入れないのが富澤のポリシーだというが、その割にはよく調べるし、仕事に関係ない謎に首を突っ込んでいるような…。頭が働くだけに、その好奇心が、いずれ致命傷になるのではないか?
とにかく、そのポリシーのおかげで、ウェットにはならず、殺し屋が主人公の割にはからっとした読後感であり、尾を引くことはないだろう。そういう意味では、手は出しやすい。でもねえ、やっぱり思うのである。こいつら頭おかしい。
極悪作品『凪の司祭』に比べれば、はるかにましとはいえ、殺しで稼ぐことを何とも思わない3人と、富澤が殺し屋と承知して付き合っている恋人の雪奈は、特殊な人間だ。こんな連中でも、家族や恋人が死んだら、悲しいと感じるのだろうか。
座間味くんが犯罪者だったら、きっとこんな感じなのだろう。幸い、座間味くんは内面は見透かすが、命までは取らない。富澤は、殺した上に読まなくてもいい内面まで読んでしまうのだから、ターゲットがあまりにも浮かばれない。
殺人という行為を、あまりにも軽く描く、ミステリーというジャンル。それでも、ミステリーはやめられないんだよね。
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ひとりにつき650万円で承ります。ビジネスとして「殺し」を請け負う男、富澤。仕事は危なげなくこなすが、標的の奇妙な行動がどうも気になる―。殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕。
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コンサルティング会社を営む中年男性・冨澤允が主人公。顧客は主に中小企業なので、儲けはあまり出ないが、副業のおかげでそこそこ楽な暮らしをしている。その副業がなんと殺し屋なのである。依頼人と殺し屋の間に2クッション置くことによって、双方共の安全が確保されるという仕組みで仕事を請け負っている。料金は前金で300万円、成功したら350万円。悲壮感も罪の意識も感じさせない軽いノリなのが、物語の世界ならではだろう。ターゲットの周囲の腑に落ちない点を調査し、連絡係の塚原や恋人のユキちゃんと一緒に推理して、すっきりさせるのもいつものことである。納得できないと仕事は請け負わないのである。たまに人助けもするが、あくまでも我が身に被害が降りかからないようにである。そして仕事をすると決めたら、一瞬もためらわずにこなす。冷酷無比な殺し屋のように聞こえるが、その辺にいるごく普通の男性であるというミスマッチが不思議である。読んでいると、冨澤に肩入れしたくなってくるのも不思議である。あくまでも物語世界の中だけということで、愉しませてもらった一冊である。シリーズ化されるということで今後も愉しみである。
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6つの短編からなる物語。物語の発想は良いし、各章謎解きも冴えているが、ただ、上手いけれど、面白いにはならなかった作品。
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殺し屋がターゲットのことを知りすぎて感情移入しないようにするのはわかるけど、この主人公は私生活でも感情的になることが無さそうで怖い。相手を思いやっての行動ではなく、自分の不利にならないようにしてることを隠してない。殺し屋じゃなくても嫌な人…。
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【収録作品】黒い水筒の女/紙おむつを買う男/同伴者/優柔不断な依頼人/吸血鬼が狙っている/標的はどっち?/狙われた殺し屋
設定は面白いが、ぎりぎりで不謹慎。
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ビジネスとして副業で殺し屋を営む冨沢。
依頼はさまざまだが、ターゲットには不思議な者も多い・・・
殺し屋と日常の謎(?)という組み合わせ。
徹底してビジネスライクなのが面白い。
短いお話が何本も入っていて、しかもすこしずつパターンが違うのはさすがである。
長編でよんでみたいな~
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経営コンサルティング業のかたわらに殺し屋を営む主人公。ターゲットを観察しているとそれぞれに奇妙な行動が。そのちょっと気になるその謎を解きつつ仕事を遂行していく。
なんだろなあ。。「殺人」と「日常の謎」のアンバランスさが。登場人物や雰囲気は「日常の謎」よりで全体的にひたすらほのぼのとしています。でもそれでいて殺人は殺人で遂行されていくなんともいえない気持ちの悪さ。
そのアンバランスさこそが売りというか狙いなのでしょうか?残念ながらちょっと自分にはあわないかなあ。。