太ったり痩せたりは脳のせいだとするが
2016/07/07 23:47
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投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
確かに人体の神秘で食べたカロリー以上に動けたり食べ過ぎてもさほど太ることはないというのはあるが
まだ実際はこの原因がどこから来ているかわかっていない。しかし本書では「それは脳が原因」という。根拠は「脳がエネルギーの2割を消費するから」……ってだけ
確かに脳の影響は大きいだろうがトンデモ理論も多く鵜呑みにしてはいけない
私たちの「食欲」という欲求がどのようにして生起するのかを科学的に解明した書です!
2020/02/18 12:19
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「食欲」という欲求がどのようにして生み出されるのかを科学的に解説した画期的で興味深い一冊です。食欲という生理的欲求は、もちろん、生命体を維持していくために重要なものですが、現代ではその食欲がコントロールできずに、過剰な栄養を取り過ぎ肥満という悪循環に陥っているという状況も多々見られます。同書では、食欲という欲求を生み出す脳内の仕組みを中心にして、それが生起するメカニズム、さらに制御できなくなるメカニズムなどを誰でも分かるように丁寧に簡単に解説してくれます。なかなか興味深い内容で、読み進めるうちに「なるほど!」と思わず、納得してしまう一冊です!
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肥満研究の歴史を交えながら、食欲の生理学を解説。脳の生理学もすんなり頭に入ってきた。今までの断片的な知識が繋がっていく爽快感。大学時代に講義してもらいたかった。面白い。関連論文読み直してウンウンなるほど頷いた。
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体重の恒常性
レプチン、アディポサイトカイン
長期的には体脂肪、短期的には血糖値
レプチンの減少=体脂肪の減少、が飢餓感をもたらす
動物は空腹が長引くと活動が増える=覚醒レベルが上がる
サーチュイン遺伝子は、低栄養状態で活性が高まる=死亡率は定かではないが、健康状態はよくなる。
美味しいと実感して食べること、従ってながら食べ、は厳禁
早食いはNG
夜8時以降は副交感神経が活性化するので食べないこと
水分をとること
別腹は、食欲の報酬系の刺激
食欲抑制剤シプトラミンは、副作用で販売中止
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食欲の発生するメカニズムについての解説。生命維持のために最も大切な機構であり、今でも全容は解明できておらず、食欲だけを外部的に抑えることは全くできていない。ホルモンや脳に働きかけを行うと性格まで変えてしまうことになる。
短期的には血糖、長期的には脂肪の量が脳にフィードバックされ食欲を促す。その伝達経路は多数あって様々なフェイルセーフが施されている。
食欲を抑えるには地道な方法しかなく。適切な量をゆっくり食べることが重要なようだ。
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食欲に関する脳と体のメカニズム(脳が中心だけど)を、それまでの研究史を抑えながら判り易く解説した本。
研究史における学者たちの仮説や実験の結果、そこから得られる結論が丁寧に記されていて、文系脳の自分にもわかりやすかった。さすがに物質名や人名は覚えられなかったけど。
こういった脳の研究は、それに関する異常が存在するからこそ発展していくのかなと思った。
時代によって常識が変わってゆくのはおもしろいけど、こわい。効果のないor使用法によっては危険な治療薬の存在は考えるとすこしぞっとする。
そういえば、痩せ薬ってとても儲けを産出しそうだけど、本当に開発されていないのかな?倫理的に抑制がかかっているだけかな?巷のダイエット薬はうさんくさいものばかり。
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食欲はどこから生まれるのか◆レプチン発見物語―ob遺伝子との長い戦い◆レプチン発見がもたらした波◆二次ニューロンの機能◆視床下部から行動へ◆ヒトの食欲と食生活◆食欲に関する日常の疑問◆食欲の制御は可能か?
著者:櫻井武、1964東京都、医師・医学者、筑波大学大学院医学研究科修了、金沢大学医薬保健研究域医学系研究科教授
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食欲についてかなり詳しく、医学書的な感じで深い知識を得ることができる。詳しすぎて難しくなっていて読み難い部分も屡々あったが、これはブルーバックスの特徴といえば特徴であり、良い点ともいえる。
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人の体重は、本来は食欲を調整することによりある程度一定の体重になるようになっています。
脳の中の食欲調節部位は、視床下部というところです。
視床下部腹内側核は、満腹中枢と呼ばれ食欲を抑制し、視床下部外側核は、摂食中枢と呼ばれ食欲を増加する働きを持ちます。
摂食中枢や満腹中枢を刺激するサイトカインと呼ばれる微量活性物質が体のいろんなところから分泌されることがわかってきました。
http://ameblo.jp/nancli/entry-11549612557.html
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本書は、食欲がどのように起きるのか、そしてそれがどのように行動に移るのかを克明に解説したもの。とくに、脳の中で起きていることを中心に説いています。
食欲の科学的解明の歴史からはじまり、レプチンの発見や、ニューロンの話など、順を追って論証を積み重ねています。無意識で行われる食欲の調整も、微妙で精緻な制御の下に行われていることを知ると、人間の身体の奥深さを感じることができます。
最後の章で、食欲のコントロールについて言及していますが、これは一般的なダイエットのお話しではなく、医療として今後そういったことが可能かどうかのお話しなので、ダイエットを期待して読もうと思った方にはお薦めしません。
全体的には専門用語が普通に使われています(ところどころ字句の解説はありますが)ので、一般の方が読むには難しいかもしれません。医療者や、医療に従事する人など、ある程度の専門的な知識を持っている人にお勧めです。
『本でもって』内のレビュー
http://books.genpoudou.com/?p=35
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食欲のしくみ。抑制するのは、そもそも根本的にむずかしい。一時的には可能だが、それを臨床的な効果をあげるには長期に続ける必要があるはず。
食欲・睡眠・情動がつながっている、オレキシンの発見も非常におもしろかった。
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体重は、脳が食欲をコントロールすることによって一定に保たれている。脳内で食欲がどう作り出されるか「ヒトの食欲」のメカニズムを脳生理学が解き明かす。
「食」という字は、「人」を「良」くすると書く。よりよく生きるため、上手に「食欲」と付き合いたい。
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仕事に必要な知識を得るため取り寄せて読んでみた。前半は、生理学・脳科学的な観点から食欲の機序が説明されている。しっかりと説明されているが、もう少したくさん図を入れても良い印象を受けた。通勤電車の中で読んで理解するのは、ちょっと難しかった。後半は実生活と関連した視点で描かれていて良かった。末尾に参考文献が列挙されているのは良いのだが、どの記述部分がどの論文に対応しているのかがよく分からない。論文のように記述内容と参考文献がリンク付けられるとなお良かったように思う。
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櫻井先生といえば、「オレキシン」という覚醒の維持に関わる神経ペプチド(ナルコレプシーという睡眠障害にも関係する)の研究者として有名な方である。私は前著「睡眠の科学」で先生のことを知り、本書も読むことにした。
睡眠から食行動の研究者に転向されたのかと思ったが、そうではなかった。オレキシンという物質は食欲にも大きく影響を与えおり、そもそも摂食行動を亢進させる物質として最初に発見されたのであった。素人的には「睡眠・覚醒」と「摂食行動」を分けて考えてしまいがちであるが、オレキシン作動性ニューロンを介して密接に繋がっていることが改めてわかった。
また、このニューロンは「行動選択」や「動機付け」に関わる『報酬系』にもアクセスすることができるらしい。人間にとって1番の「報酬」は食べ物という示唆は腑に落ちた。
日常的に食事をした後に眠くなったり、逆に食べないと覚醒してイライラしたりすることは誰しも経験するが、本書を読んでその理由が科学的に理解できた。
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食欲を精密にコントロールする脳は、ときに食欲を「魔物」に変える。絶妙で皮肉な食欲のメカニズムをわかりやすく解き明かす!