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せっかく知財の勉強も力を入れてきたところだったのに異動先は全然違う部署。
でも、知財の知識は決して無駄じゃない。
勉強し続ける、これって、とっても大事なこと。なぜなら。
著作権で多くの場合に問題になるのは、依拠性、類似性。
アイデアだけでは著作性はない。
例えば、未来から来たロボットが男の子を助ける話と言うだけなら法律的には問題ない。
だが、多分、いや、今の世の中間違いなくパクリと言われるだろう。
シャーロック・ホームズも「相棒」もみんなエドガー・アラン・ポーのパクリになっちゃうだろ、
と説いたところで、炎上は間違いない。
法律上のOKと、感情論(一般的な心情)でのOKにはだいぶ乖離がある印象だ。
また、著作権侵害と言っても、実損害が出ていなければ、いくらTwitterで騒いでいたって意味をなさない、のだが。
企業としては「やっちまった……」のであれば経営上の問題が大きい。
だから知財は皆が知っておくべき知識なのだ。
簡単でいいからね。
知財もどきと著者が言う、建物やパブリックドメインとなったはずの絵画。
これは本当に難しい!
契約上の問題なので、と言われてしまうとどうにもならない。
守りたい側の気持ちもわかるし、使いたい側の気持ちもわかる。
うーむ…
私は建物に著作権は一般的に発生しないが、使用方法を定めているところがあるので安易に使うな、と社内に知らせてきた。
訴訟リスクや金銭支払いリスクを考えての対策だ。
法律上は問題なくても、と言うことはザラにある。
だから複雑で、面白くて学び続ける必要がある。
巻末の参考図書も役立ちそう。知財に関心のある方はぜひ。
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題材は入りやすかったが読みやすいところとそうでないところがあり全体的には入門としては難しかったと感じました。楽しく学べはしませんでした。自分にとってあまり興味のある分野ではなかったのか?諦めずに他の知財入門書も読んでみようと思います。その後、読み直したい。
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著作権・特許等の実例を用いて、分かりやすく、面白い内容だった。エッ~!そうやったんや~と、ちょっとビックリな事も満載。タイトル通り「楽しく学べた」一冊。
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「普通の新書」みたいな知的財産法の本。
学問の特性上、法学、特に実定法には新書が少ない。たまにある新書も、神田秀樹『会社法入門』や水町勇一郎『労働法入門』、そして本書の類書といえる小泉直樹『知財法入門』など、教科書の章立てを抜粋したような無機質な本が多く手に取りづらい。
その中にあって、通勤通学の行き帰りに読んで数日で読み終わるような、無類の手軽さを誇る本書は貴重といえる。もちろん教科書のような体系だった知識が身につく訳ではないが、一定のイメージを得られるところにまず意義がある。
そして内容についても、著作権と特許権に加えて商標権についても扱っており、意外とカバー範囲は広い。
個人的な感想としてはすごく面白かったという訳ではないが、それでも非法学徒に向けた入門書としては充分だと思う。
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稲穂 健市
東京都生まれ。東北大学研究推進本部特任准教授、弁理士、米国公認会計士(デラウェア州Certificate)。横浜国立大学大学院工学研究科博士前期課程修了後、大手電気機器メーカーにおいてソフトウェア関連発明の権利化業務、新規事業領域における企画推進・産学連携・国際連携などに従事。約7年間は米国カリフォルニア州にある研究開発拠点の運営にかかわった。知的財産権を楽しくわかりやすく伝える知財啓蒙の第一人者。科学技術ジャーナリスト(筆名:稲森謙太郎)として執筆した著作に、『すばらしき特殊特許の世界』(太田出版)、『女子大生マイの特許ファイル』(楽工社)などがある。
楽しく学べる「知財」入門 (講談社現代新書)
by 稲穂健市
先人のスキルを習得する方法として、古くから「模写」が行われてきた。現在でも美術を学ぶ学生は、名作を「模写」したり、その画風を真似たりすることで鍛錬を積み、切磋琢磨している。「模写」が能力向上のために、それなりに効果的なものであることを否定する人はいないだろう。著名なオランダ人画家のゴッホにしても、歌川広重の浮世絵の影響を受け、その模写をしていることは有名だ。
驚かれる方もいるかもしれないが、身体に彫った「刺青」も美術の著作物である。 『合格! 行政書士 南無刺青観世音 ~自分と人を信じて生きる~』鬼塚康(本の泉社) という書籍を巡る裁判では、「刺青」に関する著作権について争われた。 書名の冒頭に、いきなり「合格! 行政書士」と書かれているので、行政書士の試験対策本を連想された方も多いと思われる。だが、試験対策が書かれているのは、最後の章だけであり、そのほとんどは、著者の鬼塚氏が、様々な理不尽な目に遭いながらも奮起し、苦難の末に行政書士試験に最終合格するまでの半生を綴った内容となっている。
たとえば、 2003 年 4 月、綾小路きみまろ氏が「サラリーマン川柳」からの盗用を認めて謝罪した。また、 2004 年 11 月、元「モーニング娘。」の安倍なつみが故・相田みつをやaikoなどの作品を、作詞の際に盗用したことを認めて謝罪・謹慎している。さらに、 2015 年 12 月には、平浩二氏の「ぬくもり」の歌詞がMr.Childrenの「抱きしめたい」と酷似しているとして、そのCDが自主回収された。
最近では、何らかの盗作疑惑が取り沙汰されると、インターネット上に直ちに「検証サイト」が立ち上がり、そこで著作権侵害を前提として、議論が盛り上がることが多い。 今世紀初頭に発生した作家・田口ランディ氏を巡る一連の盗作疑惑が、この種の騒動の先駆けだろう。本来であれば、著作権侵害か否かについては裁判で決着をつけるべき話なのだが、インターネットで独自の検証が進み、それに基づく非難や批判が拡大した* 18。
ついでながら、ジョブズの亡くなった後にアップル社から発売された腕時計型の情報端末の商品名は、「iWatch」ではなく、「Apple Watch」であった。商標権のトラブルを未然に防ぐためにこのようなネーミングになったと言われているが、もしジョブズが生きていれば、どれだけ面倒なことになろうとも、「iWatch」とすることにこだわった気もする。
『本当にあったHな話』とは、ぶんか社が発行していた読者投稿のHな話を漫画化した成人向け雑誌のタイトルである。もともとは月刊誌で、コンビニの雑誌売り場の成人コーナーに置かれていた。残念ながら 2015 年 8 月に廃刊となったため、筆者は国立国会図書館で閲覧請求し、その表紙と中身を確認した(Hな雑誌もきちんと所蔵されているのだ)。
その竹書房の雑誌のタイトルは『まんが快援隊』というものであった。これだけだと『本当にあったHな話』と全然違うのだが、その表紙に、「本当にあったHな話がてんこ盛り!」「実際にあったエロ話がてんこ盛り!」「本当に出会ったHな話」などの文字が併記されていたことから、ぶんか社はこれらが商標権侵害にあたるとして、竹書房を東京地裁に提訴したのである。
ちなみに、日本の特許第 1 号は、漆工芸家の 堀田 瑞 松 による「堀田錆止塗料及び其塗法」である。その名のとおり、錆止め用の塗料とその塗り方に関するものであり、漆工芸で使用する漆に柿渋、生姜、酢などを配合した塗料を使うことで、船底の錆つきを防止するというものであった。
ふたつ目は、「ゴルフシミュレーションゲーム環境装置」(特許第 4041197 号)。 ソフトバンクグループの孫正義社長が自宅の地下室に設置していると噂される、風を体感しながらショットができるゴルフ練習装置に関する発明である。こちらは引用された技術などから容易に考え出すことができないとして、「進歩性あり」と判断されている。
ピーターラビットは、ポターが描いた絵本のキャラクターで、公式にデビューしたのは、 1902 年 10 月に商業出版された『The Tale of Peter Rabbit』(邦題『ピーターラビットのおはなし』) においてである。ウサギを擬人化しただけではなく、その愛らしい仕草や表情から世界中で人気を博し、同展覧会のウェブサイトによると、 35 ヵ国語に翻訳され、世界 110 ヵ国での累計発行部数は 2 億 5000 万部であるという。
「その行為は違法なパクリなのか?」「世間の空騒ぎにすぎないのか?」「権利を主張する側の言いがかりに過ぎないのか?」ということも、ある程度わかるようになっていただけましたら、著者としては嬉しい限りです。