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龍臥亭事件というよりは都井睦雄の真実。
この都井睦雄の真実が本編(?)より遥かに面白かった。
石岡さんが謎を解いたというよりは、
謎は勝手に解けていった感じ。
そりゃ御手洗潔が出てこないはずだなと思ったり。
いわゆる真犯人も唐突且つ不自然に退場した彼女で、まあ、そりゃそうだよなって感じ。
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長い大作。御手洗が居ないけど人気のある評価の高い作品らしい。読んで納得。
石岡くんらしい形はとても好ましい。
出てる事件はどれも実在したものでびっくりだった。島田荘司の作品は結構実在した事件を下敷きにしたものが多いけど虚構と現実の境が曖昧で、実話をなんと上手く小説として組み込むのだろうと感嘆する。
この話の石岡くん、40代前半かな?
女子高生にドギマギしてるのはちょっと引くけど石岡くんだから許そう。
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上巻で見え隠れしていた津山三十人殺しが下巻では主役になっていた!
あまりに詳細で、その章が明けたのち、関係者の名前や関係性を若干忘れかけていたほど。
以下ネタバレ
龍臥亭がもぬけの殻になってたところは幻想小説めいて怖かった。石岡くんがとにかくふにゃふにゃしてるので、いい具合に不安さが増した。
全編通して私はとにかく幼女の無事を祈っていて、4歳の子を連れて夜中に百度詣する母親にマジでやめてほんとやめてと石岡ばりに懇願していた。
もうクライマックスシーンとか言わんこっちゃなさすぎて…
石岡くん、ボロボロになりながら頑張ったなぁ。再現実験してたとき、思ったとおりになるかどうかハラハラしていたのは新しい感覚。確かに名探偵たちってなんであんな自信満々に再現できるんだろ。
旅館ものの推理小説読んだあとにちょいちょい気になる「あそこの家、これからどうすんだろ」問題。私としては夫を殺され情夫がえらいことをしでかした女将さんが最後まで割と平気な顔してたのがちょっと怖かった。これからどうするのか気になるな…。
石岡くんが長男を疑ってたのと同じくらい私は女子高生を疑っていましたよ。
最後までちょっと気持ちが悪い石岡おじさんでしたが、大冒険を経て石岡くんをやや好きになった私なので上巻ほどのムズムズ感はなくなんとかギリスルー。
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石岡君の石岡君による石岡君の為の物語である。
見所は果てしなく、石岡君の葛藤、御手洗の手紙、犬吠里美との恋路(?)、津山事件をモチーフにしたその舞台背景などなど数多あるが、なんと言っても一番は石岡君の推理を龍臥亭の面々や、警察官連中に披露するシーンだろう。
個人的にはそこが一番心配で一番感動したと言える。
お疲れ様。頑張った石岡君。
まぁ、別れの最後まで健康的な腿がどうとかって言ってんなこいつ(笑)とも思ったが。
こりゃ御手洗も呆れて当然だろう笑
「石岡君、今からぼくが言うことをよく聞き、よく考えて欲しい。今日本には、君のような人がとても多い。能力はあるのに自分が無能だと確信し、勝手に劣等感の井戸の底に落ち込んでいるような人たちだ。そして自分の今の位置が、道徳的だなんて馬鹿げた勘違いをしている。こんな勘違いを助長したがるような輩に、決して耳を傾けてはいけない。連中は取るに足らない小物だからね。
劣等感に落ち込むことは、全然美徳なんかじゃない。周囲に迷惑をかける、ただの怠惰さにすぎないんだよ。君たちは揃って、早くそこから這いあがらなくてはいけない。そのための手助けなど、ぼくは決してしないぜ。また、誰にもできはしないんだ。一人でやらなくっちゃね。そのために、ぼくが今君をおだてることもしない。
君に言うべきことがもうひとつある。その場にいる多くの人たちは、まだ君が救世主だということを解っていない。口にも出せずにいる。しかし君の力が発揮されるのを、羊のようにじっと待っている。みな、君の救けを期待して、辛抱強く待っているんだよ。大衆とはそういうものさ。この一件は、君の力が試されている。君は運命にきちんと応えなくていけない。それは君の義務だ。人命がかかっているんだぜ、自分にはそんな力はないなんて勝手な屁理屈をこねて、楽をしないでくれたまえ。
一生井戸の底にじっとすわっていたいのなら何も言わないが、そこだって居心地がいいばかりじゃなかったはずだ。そろそろ立ちあがって、井戸をよじ昇る頃合いだ。君がまごまごしている間に、また人が死んでしまう。必要なら、ぼくのやり方をよく思い出してくれたまえ。繰り返すが、君はもう充分に経験を積んでいる。一課殺人班の若手刑事なんかよりも、今や君の方がずっとベテランなんだ。材料の集め方も、分析の必要性も、直感の大事さも、すべて君は知っている。あと君に必要なものは、自信だけだ。成功することを信じているよ。頑張れ。」