紙の本
ほっこり
2018/10/19 21:58
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投稿者:ふみしょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
蕪村が登場する 優しくて妖しい短編集。
毎晩一話づつ読むのが楽しかった。ほっこりできます。
電子書籍
蕪村の画も見たくなる。
2018/06/15 16:49
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
話のきっかけや聞き役に蕪村を置き、少し不思議な世界を描いた短編を集めた一冊。ちょっと不思議なことを上手く使って人間を描いた、読むと静かな心になる話ばかりである。
「かわたろ」は語り方も一ひねりの工夫があって良い感じのやさしい河童の話。表題の「踊る猫」では特に猫が踊るというわけでもなく「そういうこともありますかなあ」と静かに雨の中の語らいが続く。
小説宝石の新人賞を受賞したという「梅と鶯」は、少し設定がこなれきれていない感も受けたが作者の作風がしっかりと出ている「やさしいふしぎ」の世界であった。
蕪村は俳句が有名だが、不思議な話や画にも才能を著している。本書と、同様な作品を集めた著者の「狐と踊る」は、あやかしのはなしではあるが蕪村の句や画の背景を想像して取り上げた作品とも言える。表題作の中で描かれる作品は実在し、まさにこのようにして描かれたのではないかとの想像が膨らんでいく。歴史上の有名人をがっちりと書きこんだ小説も良いものだが、こんなふうに断片からイメージを膨らませてくれる作品も良いものだ。改めて蕪村の俳画などを見直してみたくなった。
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江戸時代の俳人にして絵師の与謝蕪村。
蕪村の見聞きした摩訶不思議の出来事を綴った幻想奇譚。
蕪村の怪異に対する目線がとても柔らかいから、どれも優しく温かな気持ちになれる。
切なく泣けるものも多かったけど、読後は爽やかで清々しい。
不思議を不思議と真っ正面から受け入れて愛おしむ。
蕪村の案内で素敵な時間を過ごせた。
続編の『恋する狐』も是非読みたい。
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句や詩を創る旅の途中やら京に戻った後やら与謝蕪村が見聞きした不思議な物語の連続短編集。
面白かった。
河童、雪女、月の兎にウブメ。妖達のお話なれど人情味が溢れていてあたたかな雰囲気が漂う歴史ファンタジー。自然の描写も美しく、最後の梅と鶯はなんとも切ないなかにも梅香り立つ艶やかさはお見事でした。
あの句の背景にこんな事があったのかなどと蕪村に詳しかったらもっと楽しめただろうに無知が故に損をしているのかもしれない。それでも小難しい事は全然なくゆっくりじっくり楽しめた。
きっとこの先何度となく読み返すであろう一冊に出逢えた喜びは大きい。
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短編集。与謝蕪村とその旅先で出会った人・もののけについて。鷲と烏がいい。蕪村シリーズではない、受賞作もすごくいい。
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昔の日本の人情味あふれる世界に行ってみたいとしみじみとした。
最後の梅と鶯は本当に美しかった。自然と人の織りなす情景が心に沁みわたってきた。折口さんありがとう。
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Tさんのお勧め。
あまり面白くなかった。
妖怪物は嫌いじゃないのに、与謝蕪村に興味がないからか。
最後の「梅と鶯」は悲しい話だけど良かったな、
と思ったら蕪村が出てきてなかった。
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与謝蕪村が主人公の連作短編集の第一弾。
円山応挙も出てくる(ネタバレ)。でも、私がイメージしてた応挙と違った。
応挙と蕪村の競作した絵、がぜん見てみたくなった。
テーマはあやかしの話なので、河童のかわたろとか、雪女とかでてくるけど、短編ごとに
趣向を変えてあってすごい。
鉦叩きの話に出てくる、親に虐待されてる子が不憫でならない。小説の中のことなのに、
まわりの人たちに気に掛けてもらって、なんとか無事に生き延びてほしい、優しい子のままでいてほしいと願わずにいられない。
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与謝蕪村を狂言回しに据えた9つの短編とデビュー作が収録されており、そのうち3回ほど泣かされました。たまにはスマホ弄りの手をちょいと休めて、江戸時代の幻想奇譚に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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画家で俳人の与謝蕪村が見聞きした“奇譚”九話と、著者のデビュー作である独立短編一話が収録されています(計十話)。
「日本昔ばなし」が大好きだった私には、本書のような妖かしだったり、現世と異界との狭間が感じられる話はどれも好物なので素直に楽しめました。
中には第五話「雪」のような切ない話もありましたが、蕪村さんの柔らかで優しい物腰もあってか、全体的に温かな雰囲気です。
第七話「鳶と烏」には、妖怪は出てこないのですが、偏屈な遣り手婆の心を開いていく蕪村さんは、さながらカウンセラーのようで、爽やかな読後感のお話でした。
独立短編の第十話「梅と鶯」は、切ない幽霊の話なのですが、哀しい中にも優しさや美しさが感じられて、こちらも好きでした。
本書の続編「恋する狐」も一緒に借りたので、これから読むのが楽しみです。
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江戸時代の俳人にして絵師の与謝蕪村が出会う不思議で人情味あふれる物語を集めた短編集。
それぞれ妖怪や怪異が絡む話だけど恐ろしさはなく、優しいもしくは切ない物語。
『雪』と『夜の鵺』は特に切なくてホロッときてしまう。
ほんのり暖かい気持ちになれる本。