友人に欲しくはないけれど、愛おしさがある
2017/08/22 20:41
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「感情8号線」と同様に、登場人物の大半は、余りお付き合いしたくない類の若者たちだが、何処か憎めないところのある、“妙に愛しき隣人たち”でもある。
通勤時間帯の電車が止まる事態に、様々な人間模様を絡ませて描く力は、この著者独特の持ち味と思う。それぞれの生き方、思惑を細かなエピソードを交えて綴られる各編は、テンポの良い会話や独白と相まって、最後の章まで飽きさせない。
登場人物の中で感情移入出来たのは“フリーター”と“駅員”くらいだが、特筆すべきはフリーターのトイレの場面。ここの表現は筒井康隆のスラップスティックを思わせもするし、吉田聡の「湘南爆走族」の一編にあった「ツッタカター」の場面をも思い出させてくれた。まさに“畑野智美、恐るべし”と感じた。
人生という名のプラットホーム
2020/03/21 13:50
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
偶然にも通勤ラッシュの駅で鉢合わせした、6人の男女の行く末に引き込まれていきます。それぞれが抱えている悩みや試練を乗り越えて、小さな一歩を踏み出していく姿が清々しいです。
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あらすじ(背表紙より)
朝のラッシュ時に電車が緊急停止。授業に向かおうとしていた大学生、バイトに遅刻しそうなフリーター、トイレに行きたくなったデザイナー、恋人の部屋から会社に向うOL、自宅から出られなかった引きこもり、駅のホームで女性駅員は…アクシデントに遭った六人の男女それぞれの物語。仕事に恋に、止まっていた心が再び動き出す。人生応援小説!
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ある日の積み重ねが日常を作り、人生を作っていく。切り取れば物語のような一瞬なんて、たぶん誰だって探せばあるもの
「頭で考えなくても、そのうちに決められる時はくる。別に完璧じゃなくていいんだぞ」
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ローカル線で朝の通勤ラッシュで電車が止まってしまう。
そこを起点に、恋が始まる大学生、バイトの人間関を見つめなおすフリーター、今後の人生設計を考え直すデザイナーなど、6人の視点でそれぞれ人生の岐路を迎えることに。
総じて面白かったけど、最後各パートの接点が電車が止まることだけでなく、もっと色々織り交ざった展開になればよかったなと思う。
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Tぬ、おススメ本
とある朝に止まってしまった電車にかかわる人たちの短編集。
それぞれイマドキの人たちという感じがした。
いろいろと割り切っていたり、そうでもなかったり、無駄にいろいろ考えてしまう子もいたり。
読後感は思いのほか良い感じでした。
しかし、OLさん。悪い子じゃないと思うのだけど、人を蹴るなよ。
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みんな好き勝手考えて、好き勝手生きてる。そんな日常の中に、ふいに立ち止まって考える瞬間がある。これは「成長物語」じゃない。彼らのありのままの感情をぜんぶ「それもまた人生」って受け入れている感じが、安心する。
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どの話も、このあとどうなったのよー?!って思ってしまう。
やっぱり畑野さんの作品に出てくる男子が好きだと感じる。
フリーターの永山の
「残念な人で、何もできないというフリをしていた方が人生は楽だ、柴崎みたいに仕事に意欲がありなんでもできる人になりたいとういう人生はたいへんだろう」
この思い、すごく響いた。
すごく考えさせられた。
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朝のラッシュ時に電車が緊急停止。アクシデントに遭った六人の男女、それぞれの止まっていた心が再び動き出す物語。
一種の『if』ものになるが、客観的に見て人生が大きく変わったわけではない。しかし、このままズルズル行っていたら悪い方向に流れていただろうという人たちが、運命のいたずらにより一瞬にして気持ちの変化が起こる。その瞬間のさりげなさが作者の巧いところ。
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朝のラッシュの時間に電車が止まった。
そこに居合わせた人たちの話
大学生、フリーター、デザイナー、OL
そして、引きこもり、対応している駅員
普通の人たちの話。
どの人もそれぞれ悩んでいる
電車が止まった事で、答えのきっかけを掴む
全てがいい方に解決するわけではないけれど
よかったねと思える
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好きよ、こういうの。
なんかうまくいかないし、何かあるのかなー?と思ったら何もないよ!みたいな残念感だったり、モヤモヤする展開ばっかりだけど、そのモヤモヤが明日へのエネルギーなのさ。
まぁでもきっと現実もそうだよね、分かる分かる、ってなるかっていうと、まぁそういうわけでもないんだけど、まぁ要するに好きなんだろうね。しょうがない。
と言うわけで、こういうのばっかりやっていると悶々として鬱屈しそうだけど、スパーンと解決してばっかでも飽きるし、たまにはこういうのも良いわ、てことかな。
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やっぱり大好きだー!畑野智美&連作短編集。
駅の前の大学生男子、ちょっとちゃらいけどこういう大学生活やってみたかった。
ホームにいたフリーターの女の子が、電車の中にいた美大卒の男の子の通うレンタル屋に出入りしてるのとか、その男の子が電車の中で見た、おじさんを蹴っちゃったOLというのが次の章では主人公になってたり、こういう仕掛けにニヤニヤが止まらない。
どの話も好きだけど、この現代において「結婚して専業主婦になりたい」と思っている女性が2人も出てきて(もちろん彼女たちは悩んでいるのだが)、昭和生まれとしては嬉しい。こういう女の子がいてもいい!人それぞれ!
駅員さんの話に出てくる人は、みんな横浜線の駅名みたいな苗字なんだよなー。それもおもしろかった。
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読了。電車が止まったことで起こる連作短編集。こういう設定の話は大好きだけど、それぞれの主人公が、読んでてモヤモヤしてちょっとしんどかったけど、それがいい方向へいくかなというが時で終わる。
#読了
#読書好きな人と繋がりたい
#畑野智美
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南部芸能事務所を全シリーズ読み耽るし、環状8号線も、海の見える街も、直近では大人になったら、神様を待ってるでは感動で震えた。なので続編のタイムマシンは遅いくらいでようやく読める行幸しかないって事。で登場人物が出会う前に挫折します うーんどうにもこうにも入って来ないんですが、何故だかわからないが、畑野智美なのに何故だ自分 うーん読めなかった〜
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電車が止まった時、それでも人はそれぞれ事情がある。
そんな人々を上手く描いたお話。
それぞれお話としては独立しているが
電話が止まったところから始まることは同じ。
人それぞれってこういうことかな…
とも考えさせられるお話でした。