あなたは私の教会に来る前に、まず真実の教会においでになったわけですね。よかったですねえ。
2009/10/23 01:55
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投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
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ハイジ_福音館古典童話シリーズ_福音館書店
と
アルプスの少女ハイジ_2010年カレンダー_CL−284
の二つのハイジのところに、すでに書評を書いているのですが、リンクを貼ることができなかった書評があるのでもう一つ書くことにしました。この二つの書評とは異なる内容のことも書き加えます。
ハイジはクララと過ごしたフランクフルトからアルムの山へ帰り、おじいさんといろんなお話をします。その中でハイジは聖書に出てくる放蕩息子のお話をします。父親にお金をもらった息子は家を出て、さんざんお金を使って一文無しになり、父の所へ帰る。父はおこるどころか、喜んでおごちそうを食べさせ祝いをするという内容です。
そのお話に心を動かされたおじいさんは、今までずっと行ってなかった教会にハイジといっしょに行きます。
おじいさんを迎えた牧師さんは「あなたは私の教会に来る前に、まず真実の教会においでになったわけですね。よかったですねえ。」と言ったのでした。この「真実の教会」というのがいいですね。ハイジに出会って、おじいさんは初めて「真実の教会」に出会ったのです。
アニメのアルプスの少女ハイジではあまり宗教色は出していませんが、ちゃんと大事なところは押さえていて、素晴らしいです。それを先の福音館書店のと、2010年カレンダーの書評でもとりあげたました。次の通りです。
*****
「それからね。帰る時に山が火のように燃え上がったの。でもしばらくすると薔薇色になって消えてしまったわ。ねえ、あれはなあに。どうしてあんなになるの。」
「ん~、ああそれはな、太陽がするのだ。」
「ええ~っ」
「太陽は山々におやすみを言う時には、またあした来るまで忘れて貰わないようにと思ってな、自分の一番美しい光を投げてやるのだ。」
「そう。それであんなにきれいだったんだわ。じゃあ明日(あした)もきっと見られるね。ねえ、お爺さん。」
「ああ、見られるとも。」
アルプスの夕焼けが、神様からの贈りものであることを、このように表現したアニメ、「アルプスの少女ハイジ」の一節です。
そう、ハイジの様々な場面は神さまからの贈り物がいっぱいなのです。
*****
アニメのハイジの脚本家たちの力量は素晴らしいものがあります。
原作ではロッテンマイヤーさんが子猫に異常に恐怖する場面があるのですが、これは日本の視聴者にはやや説得力にかけるだろうなという気がします。アニメではハイジはネズミの子供たちとも仲良くなってそれをロッテンマイヤーさんに見せる場面があります。こんなに面白くしてくれて、ほんとにやってくれますね。
他にも原作になかったお話をつくり、新たな感動をよんだ箇所もあります。物語のおしまいのころの場面です。あれほど、ものわかりのよくなかったロッテンマイヤーさんがクララの歩く訓練を階段でする場面が出て来ます。「イチニ、イチニ、・・・、ずいぶん進歩なさいました。これならきっとアルムの山へおいでになれます。」「ロッテンマイヤーさん・・・」そのときのクララのうれしそうな感動の表情がなんとも良かったです。
そういうわけで、“アルプスの夕焼けが、神様からの贈りものであること”に関連して次の所にリンクを貼りました。
浄土三部経_下_観無量寿経・阿弥陀経_ワイド版岩波文庫
わたしと小鳥とすずと_金子みすゞ童謡集
金子みすゞ童謡集_ハルキ文庫
以上のところにリンクを貼ったのですが、あと3箇所、大事なところにリンクを貼ります。
浄土三部経_下_改訳_観無量寿経・阿弥陀経_岩波文庫
これは上のワイド岩波文庫の書評とは異なる書評です。
不落樽号の旅
にあんちゃん_十歳の少女の日記
アニメとはやや違う
2022/09/21 20:17
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメしか知らない世代には、少し、アニメのハイジやペーターは原作小説とは違うのね……。でも、登場人物は、おなじみのメンバーです。ぜひ、アニメしか知らない方、読んでください。
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本棚の奥から出てきたちょっと古めの岩波少年文庫。 その中の1冊にこの本がありました。
ハイジ 上 (2003) 1996年6月第42刷
ハイジ 下 (2004) 1996年6月第38刷
ヨハンナ・スピリ作 竹山道雄訳
思い起こせばハイジの物語に初めて触れたのは小学校入学前、そして小学校低学年・中学年の頃には何度も何度も読み返した物語です。 小学校高学年ぐらいになってからは「よく知っているお話」というカテゴリーに入ってしまったためほとんど手に取ることがなくなってしまいましたが、某TV局で放映されていたアニメ(!)に触発され、大人になってから再度入手したのがこの本です。 因みにあのアニメ、Brunnhilde が中学生の頃に本放送が始まり、その頃は「もうハイジっていう歳でもなし・・・・」と観なかったような気がするのですが、その後の再放送で観たのかなぁ・・・・。 結構大人になってからほぼ全編を観て、思わずこの本を購入することになったような記憶がうすぼんやりとあります。 で、まあ、アニメの話はともかくとして、こんな古典的な物語を再読できることこそこのブログ、この企画を始めた趣旨にぴったりあっているのではないか?・・・そんな風に感じたので、今日はこの本を手にとりました。
久々のハイジの世界ですが、ハイジ、ペーター、アルムおじさん(おじいさん)、デーテおばさん、クララ、ゼーゼマンさん、ロッテンマイアさんという名前が出てくるたびに、あたかも小学校時代は交換日記をつけていたにも関わらず、中学進学、高校進学、大学進学、そして社会人へという人生の過程の中のどこかのタイミングで疎遠になり、その後何年も会っていなかった旧友と再会したかのような思いを抱きました。 現実世界の旧友と大きく異なるところは、現実世界の旧友は時の流れの中で「あれ? こんな考え方をする人だったっけ?」というようなある種の戸惑いを感じることもあるのですが、物語の登場人物に関してはそんなことはなかった・・・・ということでしょうか? もちろん、子供時代には何となく意地悪な存在として認識していたロッテンマイアさんが、決して意地悪なわけではなく、単なる常識人・・・・そして自然児ハイジを相手にオロオロしている融通の利かないおばさんに過ぎない というようなわずかな軌道修正こそ必要ではあったのですが・・・・・(笑)
久々に読んだハイジで何よりも感動したのは、いわゆる情景描写の細やかさです。 モミの木のざわめき、雪が積もった翌朝の輝き、朝日・夕日を浴びた山の姿の何と美しい描写!!! 文章を読んでいるとアルプスの美しい景色が頭の中でどんどん空想でき、同時に山の空気さえ感じられるような気分になっていきました。
実は Brunnhilde は最近群馬県の山の中に終の棲家を持とうとしているのですが、なぜ自分が海よりは山に惹かれるのか、その理由をあまり真剣に考えたことがありませんでした。 でも、この物語を読んでふと思ったのです。 考えてみたら Brunnhilde が大好きな物語の大半は海辺の物語というよりは山の物語、川辺の物語だったなぁ・・・・と。 「夢見る夢子ちゃん」と親からからかわれていた子供時代。 Brunnhilde の空想の世界に海辺や海上の景色はほとんど表れなかったなぁ・・・・と。 この本は山小屋での読書に適した本だったかもしれないなぁ・・・・と。 いずれ山小屋で再読してみようと思います。
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アニメでざっくりは知っていますが、原作を読むのは初めて。
なんて気持ちのいい少女なのか、ハイジ!
そして周りの人々もええ人ばっかり。
なので、ロッテンマイヤーさんの厳しさが際立ってしまいますね。
上巻はハイジがアルムに帰って来るところで終わってます。
下巻が楽しみです。
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2010.3
トリビアで知っていたけれど、冒頭のお祖父さんの過去は結構衝撃…。そんなこととは関係なく、食べ物はどれもおいしそう。「おばさん」とお祖父さんの関係がずっと謎だったけれど、ようやく判明。お祖父さんの息子と、「おばさん」の姉が夫婦だったのね。
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有名なアニメでありますがどんな話だったかな?と思い読んでみました。ものすごく小さいころに見ていたそうですが(母談)流石に覚えていなかったので。概ね、こんな話だったかな、と思っているのと同じお話でした。
この前読んだ米原万理さんの本でハイジがヤギのミルクを飲み、こんなおいしいミルク初めて、と言ったところからヤギ乳ってどんない美味しいものだろう、と思っていたのに実際飲んでみたらクセが強くて…と言う記述がありました。確かにヤギはクセが強そうですねえ。それにしてもハイジはパンとチーズとヤギの乳で大きくなってるなあ、と感心しました。大自然は良いですよね。自分もイナカ育ちなので都会ではなかなか順応できなそうだなあと思い読みました。それにしても大人になってから読んだのでロッテンマイヤーさんの苦労がしのばれました。いやはや、大変な子が来ちゃったもんだ、と(笑)。
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宗教描写も多いが、アニメのハイジが吹き飛ぶくらい素敵な本。チーズもパンも、本当に美味しそう。読んで良かった。
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なんとなくアニメのハイジを知ってるだけだった
素晴らしい!
ハイジがスイスに帰りたい気持ちを押し殺してるところは泣きそうになる
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上巻はクララのおうちで夢遊病になって、アルムに帰るまで。
ハイジは非常に快活な子で、それゆえおじいさんともうまくやっていける。
このつれてこられた子が愚鈍な子だったら・・・と考えると恐ろしくもある(!)。
翻訳も昔のものなので、この(時代の)本でしか味わえない、翻訳の味も味わいながら、すばらしい世界に没頭しました。
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今更ながら、ハイジ読んでます
こんないじらしい子だったのかハイジ……
それにしてもロッテンマイアさんは安定してるな……
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デーテおばさんに連れられて、ハイジはアルムの山の上のハイジのおじいさんの所に行きました。麓の村ではおじいさんのよくない話ばかり。いい仕事に巡り会えたデーテおばさんはハイジをおじいさんのところに置いて世話をしてもらうことにしたのです。
気難しいおじいさんにも、山羊使いのペーターや山羊たち、そして雄大なアルムの山々の自然にもすぐに打ち解け親しんだハイジ。山での暮らしがすっかり気に入りました。
子どもの頃から大好きなアニメ。原作をやっと読みました。
昔の訳だと少し難しい表現かなと思っていましたが、全くそんなことはなくスイスイ読み進められました。
私が最も感動したことは、アニメで省かれているエピソードがほとんどないということです。
先にアニメを知っているので、読めば読むほどアニメーションのハイジ達が頭に浮かびます。どの場面でも浮かんでくる。それってすごい事だなと感動しました。
原作を読んでもやはり、ハイジのいじらしさやまっすぐさに涙します。私の原点だなぁとしみじみ感じます。
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TVでよく取り上げられる「立った!クララが立った!」くらいしかハイジの知識を持っていなかったので読んでみることに。
そうしたら、まさかハイジが夢遊病になっていたなんて…。
周りの大人たちの思惑とハイジの無邪気さの食い違い部分に目がいってしまいます。
後半にはきっと「立った!クララが立った!」が入ってくると思うので、そこを楽しみに読み進めていこうと思います。
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アルプスでおじいさんと共に暮らす、少女ハイジの物語。美しい自然の中で力強く生きるハイジに、勇気をもらえるお話です。
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アルプスの高原で孤独に暮らす老人のもとに、5歳(推定)の少女ハイジが連れてこられます。
天真爛漫なハイジにとって、山の生活は全てが輝いていました。干し草のベッド、搾りたてのヤギの乳、ヤギの牧草の番、焼き立てのパン、作りたてのチーズ。そして輝く草原に山の向こうから出るおひさま。
頑固なアルムのおじいさん(アルムは牧草地という意味)、山羊飼いの少年ペーター、ペーターのおばあさん、孤独だった人々はハイジに触れて人生の幸せを知ります。
しかしハイジは、フランクフルトのゼーゼマンさんのお屋敷のお嬢さん、クララの話し相手として都会に引き取られていきます。
何もかも人工的な都会もお硬いお屋敷のしきたりもハイジには馴染めません。とくに女中頭のロッテンマイヤーさんの厳しさといったら!それでも体の弱いクララや、屋敷の使用人たちにとって、ハイジの起こす騒動は愉快なものだったのです。
やがてハイジは心を病み、心配したゼーゼマンさんたちの判断により、アルムに帰されるのでした。
ハイジ5歳から8歳くらいまで。
牧草地の生活がもうキラッキラですね。
出てくる食べ物が美味しそう美味しそう、生活用品が楽しそう楽しそう。
なにもかも楽しい、誰も彼も大好きというハイジの真っ直ぐさが輝いて見えます。
フランクフルトに移ってからも、ハイジは寂しくてしょうがないけれど、読者としてはハイジが持ち込む騒動がかなり楽しい。
まあ大人になると、お屋敷の厳格なロッテンマイヤーさんがどんなに大変かも想像がつくので、ハイジに厳しくしても「…あなたも大変よね…」と思えるし。しかし私がこの屋敷に居たら、ロッテンマイヤーさんの見えないところでハイジの騒動をクスクス笑って歓迎することだろう(笑)
当のハイジは、クララや、クララのおばあさん、お屋敷の使用人セバスチャンたちのことは大好きで仲良くなるけれど、それでもアルムを恋しがり、でもそれを表に出すことは失礼だと言われて心を病んでしまいます。人間は感情を抑えるとどこかで無理が出ることが身に迫るように書かれています。
そしてハイジに神様の言葉を教えたクララのおばあさん。神様にお祈りなさい。必ず見ていてくれます。今は叶わなくても、最後には良いことをしてくださいます。
欧米のキリスト教社会の小説を読むと、人としてのあり方が読み取れますよね。
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最近では学習塾のCMでも知られている、言わずと知れた児童文学の古典的名作。
何度読み返しても感動し、幸せな気持ちでいっぱいになる。
ストーリーを知っている人も、ぜひ改めて読んでほしい。