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投稿者:yuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は決して犯罪など犯さないと思量しているが、果たしてその決意を貫けるだろうか。そうありたいとは希求するがこの先何があるかは神ではない身では断言する事は殆ど不可能だろう。私を含めこの国に住む人たちの無知と鈍感さに暗澹とする思いである。本書は様々な示唆に富みこの著者・阿部恭子氏の様な想像力的で行動力もある優れた人格の少なくない存在のいられる事がまだまだこの国もTHE END
ではなく救いとなっていると思う。被害者家族の為にも加害者家族への支援が必要であると云う提言は最もであると思います。
加害者家族も崩壊
2018/08/31 23:17
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際に息子が凶悪犯罪を犯した加害者家族が周囲から非難され、崩壊してしまう様子が書かれています。
家族が犯罪を犯したわけではないのに、社会から孤立を強られれる実態が、否が応でもこの本を見れば分かります。考えさせられました。
こういう視点の本は初めて読んだ
2023/01/30 22:14
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう視点の本は初めて読んだ。最初は、いろんな事例を羅列しているだけだと思った。それは、最初にどんな事例があるのかを知ってもらう必要があって書かれていたのだと途中から理解した。犯罪被害者についての書物はたくさんあるが、加害者の側、特に加害者家族については少ない。貴重な本だと思った。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
加害者家族の、悲惨さが読んでいて辛かった。個人的に一般人が罰をくだすのは、犯罪だと思う。ネットってこわい。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
加害者家族のその後の人生を考えると本当にかわいそうで、辛い気持ちになります。しかし被害者遺族の救済のほうが大事だとも思う。
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加害者家族の受けている苦しみと支援を知ることができました。
今のメディアは被害者や被害者家族はもちろん加害者と家族に対してもこれでもかというほど追いかけまわします。
世間は被害者とその家族には同情するのに被害者家族にはむしろ背中を押す傾向にあります。
私もそうでした。
この本を読んで加害者も苦しんでいるんだということがわかりました。
確かに家族を加害者にしたかったわけでもなりたかったわけでもないんですよね・・・。
それでも私はもやもやしたものを抱えてしまいます。
犯罪者の中には親のしつけが行き過ぎていたりして家族との関係がよくない場合があります。
同情するわけではありませんがその批判を受けないでいたりすることには葛藤が生まれます。
だから被害者支援ほど素直に応援できないのかもしれません。
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家族が犯罪の加害者になった際に受ける差別や社会的制裁などの事例を通じて、新たな被害者となっていくことを止めていこうとする支援を行っている筆者からのメッセージ。
一方、私は被害者支援の活動を学んでいますが、この活動が身近にあったらと思うだけに、加害/被害にとらわれない支援が必要だと思います。
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とても考えさせられる本である。加害者が非難されるのは、当然であるが、本来、その家族は関係ないが、この本を読むと残された家族の過酷さがわかる。欧米諸国の例も取り上げてあるが、いかに日本が加害者家族に対する対応が遅れていることがわかる。社会的なレベルの低さが、現れている。
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なかなか読んだことがない。認識したことがあまりない
視点でした。
きれいごとと思われる部分はあるかと
思いますが、逆にきれいごとで何が問題なのか?
加害者の子供が夜中の誰もいない小学校で
走ってお別れを言うっていうところは単に感傷的になる
だけではなく、心が痛む話でした。
自分の息子が犯罪者になる。自分が犯罪者になる。
となった場合に自分がどうなるのか?
自分は大丈夫なのか?自分の家族は大丈夫なのか?
ということに完全に自信を持てないところがあるのは
しょうがないかもしれませんが、そういうところから
考えることが意味があるのだと思いました。
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■加害者支援とは何か
・加害者支援を提唱するにあたって,「支援」を「応援」や「保護」と区別して,「加害者家族が抱える問題に介入すること」と定義している。
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小説かもおもってたら、まさかのノンフィクション。
前半8割の実録集を通して、加害者家族の苦悩に触れる。後半2割が重要で、著者の生い立ち経歴が語られる。書評するのも憚られる。
読んでおいて損はないです。
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わが子を殺人犯を育てようと思う親はいないはずです。
愛した配偶者や、血縁、知人を、わざわざ犯罪者にするために縁を結ぶひとも、おそらくいません。
なのに、凶悪犯の家族は、いつも、糾弾され、責められ、追いかけ回された挙げ句、忘れ去られていきます。
秋葉原事件の犯人の弟が自殺していること、それは、贖罪になるわけではない事実です。ある幸せな未来があったかもしれない若者を、死に追いやったことを、兄を持った責任というのは酷すぎると思います。
殺された人は被害者です。
身内が殺されて、怒りをぶつけるならどこかにぶつけなければ生きていけない苦しさも、想像に難くありません。
殺人事件の背景を分析ごっこしながら消費する瞬間に立ち会わないこと。
そんな映像が流れてきたらすぐテレビを消すこと。
見出しに出ていたらその新聞は買わないこと。
背を向け、糾弾の輪から距離をおくことでしかできずにいました。
支援と簡単には言えませんが、一人の人とその人の人生を気軽に壊す権利は、だれにもないことを教えてくれる一冊です。
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加害者に人権などない。
罪を犯したものは、その罪を一生償え、死を持って償え、同じ苦しみを味わえ!
家族だって同罪だ、だってそんな奴を作り出したのだから。
そう思う人も一定数はいる。
凄惨な事件であれば、幼子が死ねば、その怒りの炎は鎮まらない。
しかし、だ。
家族、親族が同罪だ、というのはあまりに行き過ぎではないか。
それらは短絡的思考に他ならない。
自分だって、いつ、その立場になるか。
そもそも連座制を持ち出すなんて現在の法体系を否定するものだ。
村八分、非国民、そうやって私たちは誤った考えで大きな過ちを犯してきたではないか。
もちろん、中には家族そのもののあり方に大きな問題があることもある。
だが、「加害者家族は一様に責められ、形式的な謝罪会見が絶えないが、全く無意味と言わざるを得ない」(60頁)のだ。
私が気になるのはとりわけ「犯罪者の子供」の立場の人々だ。
社会学のラベリング理論に当てはまる、負の再生産が行われてしまうことを私は恐れている。
ずっと疎外され、差別される立場であれば、子供に歪んだ認知を抱かせてしまうことは容易に想像がつく。
そして、社会に対し憎しみを抱き......犯罪を生み出すのは、社会、いや、私たちではないか。
その意味で、被害者家族への救済や支援は必要なものだ。
加害者家族しかできない事件への向き合い方、これができれば、今も家庭の中にある「芽」を摘めるのではないか。
そこからが犯罪を減らし、償う事の始まりであり、つまはじきにすることは結局私たちが犯罪を容認することにつながるのだ。
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書名にギョッとされた向きもあるかもしれません。
息子さんがいる親御さんなら、「何を縁起でもない」と眉を顰められた方もいるでしょう。
ただ、犯罪者は、一般に想像されるように崩壊した家庭からのみ生まれるのではありません。
むしろ、どこにでもあるような平凡な家庭から生まれるようです。
本書は、加害者家族支援に長年携わってきた著者による問題提起の書。
書店で何の気なく手に取って読み始めたところ、知らないことばかりで読み耽りました。
本書には、加害者家族の実例がいくつも載っています。
ある日突然、警察が自宅にやって来ます。
「息子さんのことで話があります」
親はそこで初めて、息子が殺人事件の犯人であることを知らされます。
自宅を報道陣が取り囲み、それまでの平穏な生活が根こそぎ奪われます。
ようやくマスコミが退散したと思ったら、今度は近所からいわれのない誹謗中傷に晒されます。
息子にきょうだいがいれば、学校でいじめに遭う可能性が大きいです。
それどころか、校長や教頭から暗に転校するよう勧められます。
「育て方が悪い」
「もっと厳しく躾すべき」
そんな声が聞こえて来そうです。
しかし、本書によると、実は犯罪者には、厳しく躾けられた人が少なくないとのこと。
特に、「人に迷惑をかけるな」と厳しく教わり、迷惑をかけまいと自分を抑圧し、親や他人にも相談せずに生活を送った果てに、何らかの引き金を引いて犯行に及んでしまう。
そんな犯罪者が実に多いのだとか。
本書には、息子だけでなく、妻や夫、あるいは母親など、身近な家族が加害者となってしまった家族の実例が、これでもかというくらい出てきます。
そして、その多くが、加害者の家族だという理由で、社会から厳しい制裁を受けます。
特に、日本は伝統的に地縁、血縁的要素が強く、さらに治安が良いため、加害者家族にも厳しい目が向けられがちです。
では、加害者家族を追い詰めることが、果たして犯罪の抑止につながるのでしょうか。
もしつながるのなら、加害者家族に対する制裁にも意味はあるでしょう。
しかし、現実にはむしろ逆で、結果として再犯を後押しすることだってあり得るのです。
「加害者家族を追いつめ、罪を犯した人が更生するための重要な機会や更生の支え手を奪う結果となりかねない」
という本書の指摘は重要です。
より安全な社会をつくるために、広く読まれるべき本ではないでしょうか。
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何ともショッキングなタイトルだが、書かれているのは加害者家族の実態と、なぜ彼らと向き合うのか、向き合う必要があるのか、といったこと。
家族の中から犯罪者が出るとその一家は悲惨な道を辿ることになる。
新書版なのでページ的に難しいのかも知れないが、被害者家族に対する言及がもっとあっても良さそうな気もする。