紙の本
日本を代表する15の財閥の成り立ちとその後の歴史を紹介した本です。
2009/06/20 21:20
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本を代表する15の財閥の成り立ちとその後の歴史を紹介した本です。
よく知られている三井・住友・三菱・鴻池などはもちろん、あまり知られてない薩州や旧鈴木などの財閥も紹介されています。しかし、現代まで残っている企業は、有名な会社ばかりです。
「あの会社がこの財閥から生まれた」という新たな発見が数多くあります。
財閥のほとんどが、江戸期から幕末の動乱期に大きく成長したものばかり。やはり動乱期には成長のチャンスがあるようです。創業者や創業家はさまざまですが、どの人もたいへん苦労して大きく育てたということは共通しています。
財閥といえば、その中核になるのが金融機関。
銀行の金融機能を中心として、企業グループが形成されていく様がよく理解できます。
ただ、銀行を持っていない財閥もいくつかあります。
そういう財閥は、他の銀行を持っている財閥に徐々に吸収され、やがて一体化するケースもあれば、個々の企業がそれぞれ違うグループに参加していくケースもあります。
特に昨今では、個別企業の考え方で動くケースが増え、それが財閥の存在意義を薄める結果になっています。
その大きな原因となっているのが、資金調達方法の多様化。
大企業にとって金融機関の存在が過去に比べ、大きなものではないということなのでしょう。
現代は財閥というものは過去のものになりつつあります。
しかし、日本のそうそうたる企業を生みだした財閥の歴史的な意義は重かったと言えます。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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みずほ銀行、三菱東京UFJ、三井住友銀行、これらのルーツがもともとどこの財閥だったかわかるだろうか。
この本に出ている財閥の系図を見ているだけでも勉強になるし、面白い。
閨閥を繰り返してた華麗なる一族のような世界がそこにあるのだろうか。日本の近代を築いてきた財閥は戦後も財閥系企業同士で仕事の回しあいをしていて21世紀になって統合を繰り返して今では名前すらないところも多いのは時代の皮肉だ。
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題名の通り、戦前日本にあった財閥の歴史と、それらが大戦を経て現在の企業集団にどうつながっているのかを記した通史です。
私は一般企業に勤めているわけではないため、会社の事情といったものにはとかく疎くなりがちで、本書を読んでいて実感めいたものはあまり感じませんでした。しかし、4大財閥のような有名な財閥から、川崎金融や浅野、山口といったあまり耳にしない財閥の起こりなどが網羅されていて、近代史の別の側面を覗いているようでした。特に旧鈴木商店の項目はとても面白く、「成金」とよばれた企業の顛末をしっかりと見ることができました。
私個人としては、新興財閥である日窒や日曹、理研なんかもぜひ読んでみたかったのですが、それは別の機会に期待しましょう。
(2009年6月入手・読了)
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今の表紙は青ベース。財閥と戦後大企業の合併・分離の様子がわかりやすい。
鈴木商店の取り扱いは小さいが、もうすこし読み込んでみたい企業史ではあるL。
総合商社が健全財務偏重に動く中、積極的なリスクテークでハイリターンをつかんだ鈴木に学ぶものも多いはず。
その時期時期で振り子のように触れるものとは思うし、あるべき議論だと思う。
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2010/11/11 読了。
就職活動を通して、沸々とわき上がってきた疑問が、旧財閥系企業のつながりであった。欧米のような各業界のメジャーが寡占・独占している横割りの経済でなく、旧財閥系企業が各業界でしのぎを削る日本的な縦割りの経済を理解するのに役立った1冊。
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有名なあの企業はどこの誰様?
いろんな企業のルーツがわかるおもしろ本。
コレを読むと、街の看板がべつの視点で見えてくる。
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[ 内容 ]
三井・三菱・住友・安田など、幕末から明治初期にかけて勃興した財閥。
第二次世界大戦後のGHQによる財閥解体以降、各産業界の財閥の流れを汲む主要企業がどのような合併・再編を繰り返し、現代企業を形成するまでに至ったのか。
企業の足跡をたどれば、ニッポンの未来が見えてくる。
[ 目次 ]
財閥とは何か
三菱財閥、三菱グループ
住友財閥、住友グループ
三井財閥、三井グループ
安田財閥、芙蓉グループ
浅野財閥
大倉財閥
渋沢財閥、第一観業銀行グループ
古河財閥、古河グループ
薩州財閥(川崎造船財閥)、川崎グループ
川崎金融財閥
山口財閥、三和グループ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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有名企業の源流を知ることができて興味深い本。三菱・三井・住友以外は馴染みがなかったので、勉強になった。
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三井や三菱など、良くある財閥なら名前くらいは知っていたけれど、それらのおおまかな流れが書いてあり、勉強になった。それにしても銀行ってやはり旧財閥多いんだなぁ。
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日本の三大財閥と言えば、三井(越後屋)・住友・三菱と答えられたのですが、戦前に日本経済を抑えていてGHQから解体命令を出された10財閥は知らなかった私にとって、それを含めた15財閥や、明治直前までは三大財閥と言われていた鴻池財閥(p226)についても解説されていて興味の持てる内容でした。
会社形態の勉強をしたときに、合名、合資会社というものを知りましたが、財閥の原型の会社形態であることを知ったことは私には新鮮な内容でした。本書で取り上げられている15財閥が現在の日本経済を牽引している会社の大元だということも理解できました。
以下は気になったポイントです。
・通常15財閥は、GHQが指定した10財閥(三井、三菱、住友、安田、浅野、古河、大倉、野村、日産、中島)と、渋沢、川崎造船、日窒、日曹、理研を指す(p20)
・三井は貿易、三菱は加工産業、住友は素材産業に強く、すべての分野を網羅していたわけではない(p22)
・取り付け騒ぎ後に、三井・三菱・住友・安田(富士)・第一の五大銀行体制が確率、鴻池・山口・34銀行が合併して三和銀行が誕生して6大銀行となった(p24)
・安田、第一、三和銀行は、出身母体の財閥に固執せずに、新興系企業集団を形成した(p29)
・三井と三菱は熾烈な値下げ合戦を行った後に、1885年に共倒れを懸念して合併して日本郵船となった(p47)
・1893年、岩崎弥之助は、三菱合資会社を設立、1934年に三菱造船と三菱航空機を合併して三菱重工業となった(p49、50)
・1937年には、株式会社三菱社、1943年には株式会社三菱本社として、財閥本社という位置づけを明確にした(p51)
・世間では俗に、「三菱(電機)殿様、日立(製作所)野武士、松下(電器)商人」と呼ばれていた(p61)
・住友の保有していた伊予(愛媛)の別子銅山は、国内最大の産銅額を誇り、住友家の発展に貢献した(p75)
・戦前の三大財閥の資産比較は、三井:三菱:住友=7:5:2と言われていた(p83)
・住友銀行とさくら(太陽神戸三井銀行)は合併したが、その数日後には、三井海上、日本、興亜火災海上保険の経営統合が発表、これは、さくら銀行と三和銀行との合併を前提としていたと考えられる(p85)
・「住友と国家の利益が相反する場合はどちらをとるか」の問に対して一番良い答えは「国家の利益と相反する事業には、住友は手を出さないはず」である(p87)
・1909年に三井合名会社(持株会社)を設立して、参加の合名会社(三井銀行、三井物産、三井鉱山等)を持株会社に改組した(p103)
・三井合名を解散すると膨大な含み資産の清算所得税を納める必要があったので、1940年に三井物産が三井合名を吸収合併して、事実上の三井合名の株式会社化となった(p106)
・戦前には三井の影響下にあった、トヨタ、東芝、王子製紙、小野田セメントは、戦後しばらくは三井グループから距離を置いたので��独立系企業と認識された(p110)
・三菱、住友は製造業中心なので年功序列のチームプレーを重視、金融・商業中心の三井財閥は「抜擢」を重視した(p115)
・富士銀行は優良企業を選別して、そのメインバンクとなった、例として、浅野(日本鋼管、日本セメント等)、大倉(大成建設)、日産(日産自動車、日本冷蔵、日本油脂)等(p130)
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本書は、三井、三菱、住友、安田などの財閥の戦前から戦後へのあらましをまとめた本である。その性質上、内容は薄まっているが、経営者の血縁関係も含めいろんな繋がりがあることがわかり面白い。
名前の知ってる企業の意外な歴史にふれる事が出来る。
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広く浅く日本の財閥、企業史をまとめたもの。知ってる企業の意外なルーツやグループごとの風土を知れたり、三井住友銀行ができたこと(2つの総合財閥内の会社の合併)がどれほど衝撃だったかということの背景を理解できたりと非常に勉強になりました。
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三井・三菱・住友など、幕末から明治初期にかけて形成された主要財閥を中心に、戦後どのような再編を繰り返し、現代企業が形成されたかを、企業系統図や家系図と共に記す。 三井・三菱・住友・安田など、
幕末から明治初期にかけ勃興した財閥。
第2次世界大戦後のGHQによる財閥解体以降、
各産業界の財閥の流れを組む主要企業が
どのような合併・再編を繰り返し、
現代企業を形成するまでに至ったのか。
企業の足跡をたどれば、
ニッポンの未来が見えてくる!
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感想は以下
http://masterka.seesaa.net/article/448533995.html
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系図が好きなのでこの本を手に取りました。
系図ではないけれど、あの財閥とあの財閥かくっついて離れて…という図は、大好きです。