紙の本
従来の経済学理論では説明のつかない身近な市場の矛盾を解説した画期的な書です!
2017/11/19 13:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、行動経済学という、いわば従来の経済学から見れば異端として批判されてきた分野の視点から、様々な市場の矛盾を指摘していく画期的な書です。伝統的な経済学では、「自己の利益の最大化」を目指して、最も合理的な行動が起こるのですが、実は現実の市場ではそのように人々の行動は起こりません。現実の市場に起こる様々な矛盾を指摘しながら、行動経済学を説いていく画期的な書です。
紙の本
必ずしも理屈どおりにはいかない人間の判断・考えを理論化する試み
2017/11/06 01:45
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あられ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授が、1998年から経済学会の専門誌に連載した論文(共著が多い)を一冊にまとめ、1992年に出版したThe Winner's Curse: Paradoxes and Anomalies of Economic Lifeが原著。今から20年近く前に書かれています。
日本語翻訳(2005年に亡くなった篠原勝氏による)は、1998年に『市場と感情の経済学』というタイトルで出版されたのが最初。行動経済学という学問が広く知られるようになったあとの2007年に、現在のように『セイラー教授の行動経済学入門』として出された改題新版が本書です。
巻末の編集部の注によると、『市場と感情の……』が改題新版として再編集されたときに、人名の表記や専門用語をアップデートし、「一般ビジネスマンなどより広い層の読者が関心を示すようになっているという現状を踏まえ」というよくわからない理由により、「前回は掲載しておりました原書注や引用文献の表記などは割愛し」ているとのことで、せっかく今は一般化した知が一般化する前に書かれた専門的な内容の著作なのに、残念です。そう思う人は原著を買えということなのでしょう。
内容は、元々が専門のジャーナルに掲載された学術論文なので、一般人にとっては「入門」とはいえないのではないかと思います。少なくとも「公共財ゲーム」「ゲーム理論」などについて一通りの知識がある人にとって、行動経済学という新たな考え方の「入門」ということになるのでしょう。
収録されている論文は、第1章の「合理的行動モデルはどこまで正しいか」(経済理論と「例外」)に始まり、第14章の「金利差と為替レートの謎」(外国為替市場)まで、ゲーム理論、損失回避、心理会計、株価予測など多岐にわたるテーマにそったものです。締めくくりに「エピローグ」として「行動経済学が描く新しいパラダイム」という短い文章が置かれています。元が論文なので「読み物」としてすいすい読むというわけにはいきませんが、訳文はたいへん読みやすいです。
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行動経済学については興味深いと思うんだけれど、本書は少々回りくどく、ボリュームが多かったので、「入門」という書名に対する違和感が大きかった。
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物事の多くには【例外】が存在するわけで,特に金融市場には【例外】が多い.
その【例外】について本書では具体的な事象で解説している.
人間が勘で思うことは理論上多くが誤りである.だから行動経済学・金融工学が発達してきたと思う.
入門のわりには読みにくいです!
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合理的経済人が構成している経済からはみ出す例外事象に目をむけることを指摘している本である。具体的な例で問題の本質はよくわかるが、とくに解決法が書いてあるわけではない。例外事項といっても、まったくのランダムではなく、法則性のある例外が紹介されており、その点では隠された理由があるのであろう。「不公平なら断る」とか、「手放すものは得るより価値がある」とか、「選好の逆転現象」とかは、どれも人間の感情に根ざしたものだ。要するに人間はムシがいいのである。オークションにおける「勝者が敗者になるべく呪いをかけられている」という指摘は重要であり、インターネットオークションなどに参加するときには注意すべき点であろうと思う。株式市場については、カレンダー効果など面白い実例があがっているが、よく分からない部分も多い。
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経済学部生には面白いのかもしれないが、門外漢にはなにやらさっぱり。テーマといい視点といい、ものすごく興味深いのに、残念。だれか、まとめて。
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入門というものの、読むにあたっては経済学の基本的な知識は必須である。行動経済学の主要なフレームの解説というよりは、それらの結論に至るまでのさまざまな実験の前提および過程・結果に関する記述が主要な部分を占める。したがって、行動経済学というよりはむしろ実験経済学の本である。行動経済学の入門ということであれば、他にもっとわかりやすい本があるはずである。
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The Winner's Curse
Paradoxes and Anomalies of Economic Life
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1980~90年代に書かれた論文を1冊にまとめたもの。今読むと古いというかまとまっていない感じがするが、行動経済学の最初の1歩だったのかな。論文だからか、訳の問題か、全体的に単調で読みにくい。
入門といいつつそういう感じではあまりないので、この分野を初めて読む人には「予想通りに不合理」とか最近の本の方がお勧め。
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良くも悪くも入門のための本です。
この分野に詳しい人には理論だけでなくエピソードも含め、
知っているものが多数あり、あまり新しい発見はないかなと。
とはいえ裏を返せば、有名どころを抑えたい人には悪くないですし、
ちょっと興味があるくらいの人でも、手に取ってみてよいのではないでしょうか。
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行動経済学についていろいろな事例をもとに語られています。特に私が面白いと感じたところは、期間選択(学校教育をどこまでうけるか?誰と結婚し、子供をもうけるか?)のところです。期間選択には、待つ楽しみと待つ不安があります。「人々は利益は一刻も早く手にしたいと思い、損失はできるだけ先送りしたいと思うハズ」なのに、お金以外の時間選好においては、映画スターにキスをしてもらう希望日を3日も先に伸ばす選好が多かったのです。これは、人々は利益を得るための「待つ楽しみ」を感じているということ。なるほど~待つ楽しみ。楽しみにしている旅行の準備や、デート前の妄想?なんかが楽しかったりするのは、待つ楽しみだな~と感じました。
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経済誌に連載されたコラムみたいなものを集めた本らしく、実験結果をもとにしたしっかりとした内容で、結構難しい。
タイトルは行動経済学入門だが、一つの章だけがカーネマンらとの共著になっていて、そこでプロスペクト理論も紹介されている。それ以外の章はどちらかといえばゲーム理論に関係する話なんじゃないかな。
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非合理な行動パターンの理由を述べている。賃金格差、高値づかみ、ギャンブルなど。
よくわかる行動パターンで読んでいて愉しい。行動経済学、なかなか興味深い。
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20150218 オークションの話とか序盤は興味を刺激される話が多かったけど、株の話ぐらいからはあんまり面白くない。ココロをいかに落ち着けるかで良い結果が出るね。
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人の心理、行動からどのような消費真理が生まれ、
購入に繋がるのか?
この点は興味深い内容であり、
題名から購入した1冊ではありましたが、
自分にとってはほぼ既に知っている内容だったので、
流し読みで終わりました。