紙の本
地球環境史という大きな視点から、人類と対峙してきた感染症の正体を究明しようとした一冊です!今こそ、読んでおきたい書です!
2020/04/26 11:00
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、地球環境史という大きなマクロ的な視点から、人類と対峙し続けてきた感染症の正体を究明しようとした画期的な一冊です。感染症は、今や地球上の頂点に上り詰めた、ほぼ無敵とも言われる人類にとっての唯一の「天敵」です。人類がそれらの天敵の撲滅のためにワクチンを開発しても、それを上回る耐性をもった感染症が出現してきます。インフルエンザ、エボラ出血、テング熱、そして近年の新型コロナ・ウィルスなどは、その典型例です。同書は、「序章 エボラ出血熱とデング熱―突発的流行の衝撃」、「第1部 20万年の地球環境史と感染症」、「第2部 人類と共存するウイルスと細菌」、「第3部 日本列島史と感染症の現状」、「終章 今後、感染症との激戦が予想される地域は?」といった構成で話が進められます。世界が新型コロナ・ウィルスの恐怖にあえいでる今日、改めて読んでいきたい一冊です!
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先史以来の関わり
2018/02/12 10:50
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類と感染症は、先史以来の関わりがある。いや、生命が誕生したときからかも知れない。感染症と人類の興亡と共生共助も描いた本書は、現在も人々の周りに多数存在する微生物(細菌やウイルス)と人類との関わりを歴史的に分かりやすく教えてくれる。
紙の本
いろんな病がある
2020/05/10 21:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しゅうろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本に限らず世界に様々な病があり、今の新型コロナも将来的には、この本の中に取り上げられる一つに過ぎないのだろう。その時に、新型コロナは、過去の感染症と比べ、どのような病か。今の対応がよいのか、検証されるのだろう。豊富なデータベースの本でした。
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感染症と人の関わり
2020/07/17 17:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までに世界で猛威を振るった色々な感染症についての本。
どの様な経路で人の元までやって来たのかだとか、どの様にして感染するのだとか、そう言った話だけでなく、人間の歴史にどの様に影響を与えたのかということも書かれている。
図や表もちょいちょいはさまれているのでとらえやすいかも。
紙の本
話題の感染症に関する基礎知識が身に付きます。
2023/05/30 21:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Order 6601 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近頃、話題である感染症に関する基礎知識が身に付きます。それの同時に生物学の基礎をまなぶことができるでしょう。
電子書籍
いまこそ読みたい!
2020/05/07 21:09
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yu - この投稿者のレビュー一覧を見る
新型コロナウイルスの世界的流行の影響で、今注目されている本です。
書名ぐらいは聞いたことのある人が多いのではないでしょうか。
いま世界のあり方を考えるのに役立つ本ですので、ぜひ一読することを勧めます。
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感染症と人類がどのように関わってきたのかを紐解いている。人類の敵としての感染症がほとんどであるが、奇妙な共存関係にある感染症も少なからず存在するところが興味深い。ウイルスの種類によっては人類という種が耐性を持ってしまったり、凶悪なウイルスであっても型によっては、人類との共生を選んだかのようにほぼ無害なものさえ存在しているなど、人類と感染症が深く関わっている様子が読み取れる。
衝撃的だったのは日本が感染症後進国という事実である。ハシカ、風疹は度々大流行を起こし、洞爺湖サミットでは注意喚起までなされてしまった。他の先進国においては、ハシカ、風疹はまずかからない感染症であるが、日本ではそうではなかったのである。原因は予防接種をやめてしまった。ただそれだけである。現在では再開しているが、空白期間の世代において流行し、またキャリアとして世界中に感染症をばらまいているのである。もうすぐ2020年の東京オリンピックであるが、ハシカ、風疹の大流行により中止などということは避けたいものである。
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一章を読み進めているところですが、
わかりやすい。
それに、エボラに関しては、
話題になる時は、ニュースは取り上げるが
その後どうなったかをメディアは取り上げないので、
その顛末が書かれているところも、よい。
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『チチカカコヘ』フェアで購入したもの。
エボラからインフルエンザ、結核、性病といった感染症をテーマにした人類史。
今回買った2冊はけっこうアタリだったので、今年の『チチカカコヘ』はもうちょっとチェックしたい。
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ちょうどコロナが拡大しはじめる直前に本屋でみつけた。ちょっと古いけど、著者の石さんは、学生時代に、『地球環境報告』なんかの本で知っていたので、手に取る。
ワクチン後進国・日本
いろんな意味で、沈没する日本。。。
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新型コロナウィルスが猛威を振るう今こそ読むべき良書。
初版当時に流行したデング熱やエボラ出血熱から始まり、2009年の新型インフルエンザ辺りまでの感染症の歴史が綴られている。どの感染症にも言えるのが人の移動だ。もともと細菌やウィルスの宿主は蚊やネズミなどの動物であり、これらは渡り鳥でない限り長距離は移動しない。だが、人間は文明の進歩に伴い長距離を簡単に移動する。現在のパンデミックもまさに人の移動が原因だ。また高齢者施設の集団感染も指摘されており、現に多発している。
新型コロナの一刻も早い終息を望む。
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感染症の世界史をわかりやすく。ジャーナリストがまとめてみた
●本の概要・感想
環境ジャーナリストの石井氏が感染症の歴史をまとめて紹介する本。「感染症の世界史」というタイトルだが、著者は感染症や感染症史の専門家ではないことに注意。本書では感染症史の大きな流れやストーリーを抽象化するような話はほとんど含まれていない。あくまで、ジャーナリストによって分かりやすく編纂された感染症の歴史である。ピンポイントで事実を抑えたい人にお勧めする。感染症史だけでなく、そもそもの感染症の原因であるウイルスの特性や発生源についても学べる。
●本の面白かった点、学びになった点
*なぜウイルスは宿主を殺してしまうのか?
感染症を引き起こすウイルスは免疫との戦いの果てに、宿主を殺してしまうことがある。免疫にウイルスが目をつけられれば、「どちらかが死ぬ」まで戦いが終わることはない。免疫がウイルスを殺す過程で人間を傷つけることもあれば、ウイルスによる作用で人類が傷つくこともある。感染症によって人が死ぬのは「ウイルスが人の免疫メカニズムに勝利」した証拠なのである。となると、ウイルスの運命も数奇なものだ。自分たちの勝利が決まった瞬間に、居住環境は壊れてゆき、やがて宿主からは何の栄養も奪えなくなる。免疫に勝っても負けても、いつかはウイルスは死ぬことになる..。
*ウイルスを取り込んで動物は進化する
ウイルスは常に悪者というわけではない。生物が進化する手助けをすることもある。>>「生物は、感染したウイルスの遺伝子を自らの遺伝子に取り込んで、突然変異を起こして、遺伝情報を多様にし、進化を促進してきた。人も含めて、どんな生物にもウイルスに由来する遺伝子が入り込んでいる。」
*都市開発によって未知のウイルスが人間社会に入り込みやすくなった
新しい感染症は、動物にもともと潜んでいたウイルスが人に侵入できるように進化してもたらされることが多い。野生動物との接触がより身近になった現代社会では、未知のウイルスがより入りこみやすくなったといえる。コウモリやサルが暮らすジャングルを開発し、人と野生動物の距離が近くなったため、感染症をもたらすウイルスが人に入り込みやすくなった。
加えて、かつてないほど人間が世界各地を行き来する「移動文化」の発展が、感染症をより広めやすくもしている。
*都市社会が感染症に弱い2つの理由
1. 人が多く、過密
2. 様々な地域から人々が往来する
*家畜を飼っていると花粉症やぜんそくにかかりにくなる
*14世紀に流行ったペストは少なくとも三、四十年は流行しつづけ、ヨーロッパの人口の3分の1に相当する二千五百万人から三千万人が死亡した。それによって森林面積は上昇。二酸化炭素の排出量が減った
*日本でのペスト拡大も収束までに27年かかっている。ペストが最初に日本に侵入したのは1899年で、収束発表があったのは1926年となる。実に27年間かかったものの、ペスト被害国のなかでは上手に収めた方である。日本だけで2215人の死者があったが...
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<目次>
まえがき~「幸運な先祖」の子孫たち
序章 エボラ出血熱とデング熱~突発的流行の衝撃
第1部 二十万年の地球環境史と感染症
第1章 人類と病気の果てしない軍拡競争史
第2章 環境変化が招いた感染症
第3章 人類の移動と病気の拡散
第2部 人類と共存するウイルスと細菌
第4章 ピロリ菌は敵か味方か~胃がんの原因をめぐって
第5章 寄生虫が人を操る?~猫とトキソプラズマ原虫
第6章 性交渉とウイルスの関係~セックスががんの原因となる?
第7章 八種類あるヘルペスウイルス~感染者は世界で一億人
第8章 世界で増殖するインフルエンザ~過密社会に適応したウイルス
第9章 エイズ感染は100年前から~増え続ける日本での患者数
第3部 日本列島史と感染症の現状
第10章 ハシカを侮る後進国・日本
第11章 風疹の流行を止められない日本
第12章 縄文人が持ち込んだ成人T細胞白血病
第13章 弥生人が持ち込んだ結核
終章 今後、感染症との激戦が予想される地域は?
あとがき~病気の環境史への挑戦
<内容>
現本は2014年の洋泉社から。現在のコロナ禍を踏まえて読破。第8章が参考になる。20世紀初めのスペイン風邪(スペイン発症ではない)から始まり、近年の鳥インフルエンザや2009年の新型インフルエンザ、いずれも感染者をゼロにした訳ではない。免疫ができたり、対処薬ができたりして、その患者・死者数が減っただけだ。ウェブサイトで見たが、最近のインフルエンザは、2009年のインフルエンザだそうで、それを今は誰も噂にすらしない(数年前私も罹りました)。今回の新型コロナも、その流れが予想される。今年の冬や来春も、同じように流行しているだろうが、どれくらいの人が気にするのかな?という感じ。ウイルスや細菌もどんどん進化(いわゆる遺伝子変異)していくので、数年後には違うタイプの「新型」コロナになっているだろうし…。グローバル化に対するツケかもしれない。そういうことが十分に読み取れる本でした。
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とにかく良く効く睡眠薬であった。笑
あらゆる感染症は、出ては収まり又出てくるという歴史を繰り返しているのだ。
300ページ位でざっくりと、有名な感染症について知るには分かりやすくて良かった。
インフルエンザもスペイン風邪以前(1500年代)から存在しているのだから、今回のコロナも簡単に終息など出来るものだろうか?と思った次第である。
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(要約)
微生物が人や動物などに寄宿し、そこで増殖することを「感染」といい、その結果、宿主におこる病気を「感染症」という。人類はおよそ20万年前に地球上に登場して以来、繰り返し感染症の脅威と闘ってきた。しかし地球上に40億年前から途切れることなく続いてきた微生物からみれば、人間こそがその生存を脅かす。人間が病気と闘うために薬剤をを開発すれば、微生物は遺伝子の構造を変えて耐性を獲得し、人間の攻撃に耐えられるように変身する。地上で最も進化した人間と、最も原始的な微生物との死闘でもある。
人類と感染症の関係も、人が環境を変えたことによって大きく変わってきた。新興感染症の七五%は動物に起源があり、森林破壊によって本来の生息地を追われた動物たちが人里に押し出されて、病原体を拡散させるようになった。「移動手段」が、徒歩、馬、帆船、汽船、鉄道、自動車、飛行機へと発達するのにつれて、これまでにない速度と規模で人と物が移動できるようになり、それに便乗した病原体も短時間で遠距離を運ばれる。歴史上、人間は幾度も戦争を繰り返し、その都度多数の犠牲を払っているが、死亡した将兵の少なくとも三分の一から半数は、感染症による病死だったと推定される。
しかしすべての微生物が、人間と敵対するわけではない。人体のほぼあらゆる場所には「常在菌」と呼ばれる微生物が共生している。その総数は、人体を構成する細胞数の一〇倍以上、数百兆個と推定され、共存共栄しながら人体を支えているともいえる。ところが人間が長生きになり、あまりに衛生的な環境をつくりだしたために、細菌との共生関係が変わってしまっている。健康であれば無害な細菌であったのに、人体が免疫を失ったことで、牙をむくこともある。
作者は、環境史の専門家の視点から、「ペスト」「スペインかぜ」「インフルエンザ」「ハシカ」「風疹」「エボラ出血熱」「デング熱」などなど古くから新しいものまで、社会を揺るがした数多くの感染症の歴史を紐解く。そして、自然界にはまだ無数の病原体が潜み、新たな宿主を求めて試行錯誤を繰り返しており、その震源地として最も危惧されるのは、中国とアフリカであると警鐘を鳴らす。