対岸の“火事”ではなく“家事”
2021/03/22 09:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うえありひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが秀逸。
家事労働を担っている人以外にとって家事は、まさしく“対岸の火事”なんでしょうね。
育児と家事の大変さは経験者にしか分からない。そこへ仕事も加わればパンク寸前、自転車操業の毎日を送る羽目になる。
家事労働を担っている人以上に、担ってもらっている人にこそ読んで欲しい一冊。
善人しか出てこない!
2019/05/07 06:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るい - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物が読了して、善人しか出てこないから、色々なことがあっても、読了後、ほっとできる、安心できる、前向きな気持ちになれるのだと思いました!立場が違うと、自分の価値観で相手の事を観てしまうのは、あること。中傷の封書をポストに入れてしまう白山はるかという登場人物に対して、自分が詩穂の立場で、相手の立場、価値観を一旦受け入れて、相手の為に動けるかと言うと自分にはできそうに無いけれど、詩穂の懐の深さに魅かれました。ただ、詩穂も父親に対しては、父の立場になって考えられていなかった。父に対しても、最後に向き合っていく姿に魅かれました。文章も私には読みやすく、対岸の家事は、対岸の火事!事情は違うけれど、みんな色々な事を乗り越えて生きている、その中で、関わりを持った者同士、助けあえるところは助け合って生きていく、そこに、性別も年齢も立場も関係無いということを改めて気づかせていただいた心あたたまる本でした!
登場人物がステレオタイプ
2020/06/14 07:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
家事にまつわる人間模様を読みやすい読み物としてよくまとめられていると思う。
ただ登場人物がステレオタイプでわかりやすいけど、「何だかな」という思いがある。
特に最後にでてくる専業主婦に嫌がらせの投書をしていた人物の動機にははてなマークがいっぱい!
「暇な専業主婦」が絶滅危惧種になってしまって時代のエピソードをうまく入れ込んであるので気軽によむにはいいと思う。
投稿元:
レビューを見る
「家事」とは「子育て」とは何かを考えさせてくれる本。
専業主婦である詩穂の視点から鋭く描かれています。
子供がまだ小さい、小学生低学年以下の子供がいる人には切実な話が載っています。
昔は...と思いながら読ませていただきました。それこそ他人事ですが。国の制度の不備というかいたらない部分も考えさせてくれます。
この本に出てくるような人たちのようになれるには...それが課題かな。
子育て真っ最中の人にこそ届けたい本ですが、そうなる前の人や子育て卒業の人にも、現状を知ってもらうにはお勧めです。
この本を読んだ後に垣谷 美雨さんの「四十歳、未婚出産」を読みました。こちらも併せてお勧めです。
投稿元:
レビューを見る
女性(特に専業主婦)の生きづらさがものすごくリアルに描写されていて、ぐんぐん引き込まれました。
専業主婦にせよ、ワーママにせよ、悩みは尽きないわけで、それぞれに事情をかかえている。
みんな、自分の選択に自信が持てないから、自分と違う人と比べて、見下して、自分を肯定しているのかもしれないなあ。。
選択肢が広がった今の世の中だからこそ、みんなどこかに、本当にこれでよかったのかな?という気持ちを持っているような気がする。
自分に自信がなくなったとき、ゲームオーバーになりそうなとき、救いになるのは親や友達でなければならないということはなく、
たとえそれが赤の他人であっても、広い心で迎え入れてくれたら、話を聞いてもらえたら、人って簡単に立ち直るものなのかもしれない。
この本は、男性こそが読むべきかもしれないなぁ。
今減って来ている専業主婦にあえて焦点を当てているのがすごく新鮮でした。
子供が生まれたらまた読み返したいな。
投稿元:
レビューを見る
専業主婦を批判する本かと思いきや最後まで読むと違った着地点でなるほどうまいなと思いました。
ステレオタイプな批判にはもう飽き飽きです。
この本のヒロインのような専業主婦は私の周りにはいないし、表面的に見ただけで専業の決めつけもキライです。
子供の受験のためにお休みして手が離れたら医師に復帰するつもりの専業主婦や大学院に通う専業主婦、実家の会社経営を手伝っている人もいます。
ヒロインの詩穂は人を思いやれる素敵な人だけどいい人すぎるかも。
もっと多様な生き方ができるといいなと思います。
投稿元:
レビューを見る
+++
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。
手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。
終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編!
+++
こんなに真っ向から家事というものに焦点を当てた小説があっただろうか。専業主婦であれ、働く女性であれ、働く男性であれ、ひとり親であれ、独身者であれ、家事とは、生きていくうえで必ずやらなければならない仕事である。本作では、さまざまな立場や状況で、それぞれに家事に向き合い、愉しんだり、悩んだり、苦しんだりしながらも、それを投げ出せずにいる。そして、自分だけがこんなに大変なのだと、他者を攻めてイライラをぶつけ、悪循環に陥るのである。名前のない仕事とも言われる、日々の暮らしの中のほんとうに細かいあれこれから、人はどうしたって逃れることはできないのである。なので、家事というもののとらえ方を狭めてしまうと、人生の多くの時間を無駄にすることになるような気がする。それぞれが追い詰められている苦しさを、少しだけ体感できたような気持ちでもある。時にはほっぽり出すことも大切なのかもしれないと思わされる一冊でもあった。
投稿元:
レビューを見る
あんたの母親を、俺の母親を、この人がしてきた仕事を、これ以上、馬鹿にするな
これは作中に出てくるパパ友(国交省のお役人で育休中の上から目線男)の台詞です。
読む前にこの台詞がどこか書評で引用されていて、なんとなく「専業主婦も頑張ってるし凄いよね」的な主婦持ち上げ話なのかと思ってました。
でも思っていたより深く、表層的な主婦讃歌でもなく、主人公の詩穂のバックグラウンドも丁寧に書かれていました。
面白かった。子育てが孤独な無理ゲーにならず、こんな世界になったらいいな。と思えるような作品でした。
投稿元:
レビューを見る
家族のために、子育てと家事を仕事として選んだ詩穂。
しかし、児童支援センターで出会ったワーキングママに、専業主婦は絶滅危惧種と言われてしまう。
…
私は15年間専業主婦をしました。
家事と子育てと仕事の両立は難しいと思っていたので、詩穂と同じ。
その当時、我が家の近所にも専業主婦は沢山いて、幼稚園バスの見送り後の井戸端会議は常でした。
今はパートで社会復帰をしてますが、自分にとっては後悔のない選択だったと思っています。
ワーキングママを選んだ人達には、尊敬の念を持っています。
家事と仕事の両立は、ホントに大変だと思いますから。
家事には終わりがない分、どこまでやれば正解かの判断はつかないもの。
文中にあった『大事なのは生きること、元気になること。それ以外は後回しでいい。手を抜いてもいい。それが主婦の仕事の優先順位。』に激しく同意。
手抜きの出来ない主婦だったあの頃の自分に伝えてあげたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
みんな、人と比べて「自分はこんなに大変なのに!」と思いがち。そしてそんな自分を肯定しようと、相手を下に見ようとする。何も語らないあの人だってすごく大変かもしれないのに。大変そうに見えるあの人が、実は自分では幸せだと思ってるかもしれないのに。
投稿元:
レビューを見る
専業主婦の詩穂。まわりは仕事をする親ばかりで主婦友がいない。今時、主婦がいるなんてと見下されるばかり。お隣の二人の子供を抱えた礼子、パパ友になった育休中の官僚・中谷さん、そして志穂は自分自身、育児、家事のことを考える。最初は、周りの主婦はいないとか、どれもオーバーに書かれているかなと思ったけれど、それが際立って物語の上ではよかったかのかもね。働く母親ばかりというのは地域性の問題かしら(私のところはそうでない)。結局のところ、主婦は会社の総務的なものと言ったけれど、育児を含め主婦業に徹したい、それが合う人もいるだろうし、仕事がないと(精神的にでも経済的にでも)成り立たない人もいるであろう。自分に満足していれば、他人に文句もなんだろうけど、特に現在の社会の現状では働いている人は辛いだろうね。自分一人で育児をしていくのは、働いていればなおさら無理だし、主婦でも精神的に無理な時もあるだろうよ。昔のように家族や近所ぐるみで見ているというわけでもなし。みんな苦労は同じなんだし、味方を増やしておくというのも立派な家事の一つというのもよく言ったものです。読み手によってだいぶ印象も違ってくると思いますが、育児家事は大変なものです。当たり前に思ってはいけませんね。なかなか面白かったね。
投稿元:
レビューを見る
専業主婦、ワーキングマザー、シングルマザー、いろんな形。それぞれの悩み、葛藤、奮闘、交わらないはずの交わり。
働かない人は暇だろな、と思ってた。
家事に終わりはないとも言うし、子育てはいくらでもやることある。
隣の芝生は青い。
主婦目線で話が進み、さくさく読めた。
子育ては終わりがあり、人生はその後も続く。どんな親も子育てしやすい環境になることを願う。
投稿元:
レビューを見る
対岸の火事ではなくて、対岸の家事かぁ(笑)
対岸の彼女ともまた違って、バリバリ正社員で主婦で母の私でも、かなり楽しく読ませて頂いた。
絶滅危惧種の専業主婦かぁ。
育児、家事を担う専業主婦の仕事量は、正直会社員の何倍も大変なのではないかと思っている私は、専業主婦に敬意があっても軽視する気持ちは無い。
現在の日本の女性を、主婦、ワーキングマザー等、色々な立場から代弁してくれている、非常に清々しい作品。
投稿元:
レビューを見る
いろんな人が共感できそうな本。
子供いないけど、息苦しい世の中だよ。
中谷エピソードが一番思い当たって
何度か涙で読めなくなった。
たとえおとぎ話でも、
とりあえずハッピーエンドでよかった。
投稿元:
レビューを見る
良かった…ここんところの中で一番かも。専業主婦をバカにする働くママや育休中のエリート男、子供ができないのをとやかく言われる医師の奥様…みんな違う環境で違う悩みや孤独を感じている。この本、良かった…何度も泣けた。泣く理由が説明できないけど、無性に泣けた。人はひとりじゃないんだなぁ。