税金の不公平さはエグい。
2022/02/20 18:47
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
税金といっても、沢山あります。本書では所得税・法人税・消費税・相続税・贈与税・酒税・たばこ税・流通税・事業税・固定資産税・都市計画税などについて、丁寧に解説されています。丁寧ではありますが、正直、解りにくいです。これは本書の解説が悪いのではなく、個々の税の仕組みがかなり複雑だからです。税のエグさを目の当たりにしました。
そんな中で本書で解った唯一の事は、税金は決して公平なものではなく、また理不尽な内容・仕組みになっているという事です。
解りにくいながらも懸命に解説された内容ではあるので、税金の内容・仕組みに関する辞書として手許に保管し、いつでも参照出来るようにしておきます。
現行の税制について考える本
2020/03/10 12:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akihiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
税制の仕組みを解説するよりも、現行の税制について著者が問題と認識していることを述べている割合が多いと感じました。ただ、「〜かもしれない」という曖昧な表現が多く、具体的な根拠を伴う主張は少ないです。
税制の仕組みを理解したいと思って読みましたが、回りくどく感じる言い回しもあり、やや読みづらかったです。税制の仕組みを解説する本というより、税制の問題点について著者と一緒に考えるための本だと思います。
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序章 私たちは誰のために税を負担するのだろう?
第1章 所得税―給与所得が中心だが
第2章 法人税―税率引下げ競争の行く末
第3章 消費税―市民の錯覚が支えてきた?
第4章 相続税―取得税方式に徹底すべきでは?
第5章 間接税等―本当に合理的で必要なのか?
第6章 地方税―財政自主権は確立できたのか?
第7章 国際課税―国境から税が逃げていく
終章 税金問題こそ政治
著者:三木義一(1950-、東京都、法学)
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20181004~1021 第3版。以前の版よりも筆者の主張や、税制の現状についてよりわかりやすくなっていると思う。現在消費税増税の影響を和らげようと軽減税率や商品券?クレカによるポイントバック方式が議論されているが、そもそも社会保障費の増大や財政悪化に対応するための財源なのだから、そんな小手先の対策はしないほうが良い。著者は「最低生活水準を維持するのに必要な消費について負担した消費税額分を所得税額から控除する」方式を評価しているが、私も支持する。医療費控除と似ているし、理にかなっていると思う。もちろん、業者にはインボイス制度の徹底を図るべきである。
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冒頭に出てくる安倍内閣の消費税値上げ先送りを総選挙で問うという欺瞞性の指摘からこの本は始まる。税に関する実務知識ではなく、税金制度そのものの問題点を考えさせてくれる「政治的」な本と言えるかも知れない。直間比率のこと、所得控除と税額控除の格差社会解消という観点からの比較、法人税という制度の持つ意味合い、消費税制度の逆進性を生む問題点、相続税の問題点…。日本の法人税の税率が高いように指摘されるが、実は非課税部分が多いゆえに実施的な負担はかなり低い!とは衝撃的な話。ピケティなどの指摘とある意味中で共通するこの書の問題意識は鋭く、快感さえ覚えた。なお、「夫婦財産契約」という概念は初めて知った!
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所得税、法人税、消費税、相続税など日本の税金について、導入の歴史・背景、問題点などを解説した本。
いわゆる節税対策本ではなく、なぜその税金が課税されるようになったのか、海外と比較すると何が問題なのかといったことがわかりやすく解説されている。税金の入門書として最適。
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今まで税金というものをほとんど意識せずに生活していたが、これから社会に出ていくにあたって知っておかなければならない知識だと認識できた。テレビの報道だけに頼らず、現在の税制の問題を理解するために非常に参考になった。特に、日本の法人税は高いとばかり思っていたが、実質的負担はかなり低いことがデータを基に示されていたのは印象的だった。
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10年以上前に書かれた本は基本読まないのだが、初版2003年で第3版が今年でているので読んでみたら、古さを感じさせない、むしろ内容の充実を感じた。所得税、消費税、相続税、なんとなくわかるが良くわからない税を成立の経緯や行政側の意図、国際比較など多面的に解説されている。特に相続税の複雑さは理解できなかった。税制改革を1年毎から2年毎で議論は長くして、税制はできるだけシンプルにするという著者の提言に賛成する。
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所得税の章は、転職したいと思えるほど刺激的だった。サラリーマンの必要経費実額控除や住宅を控除対象として見るかの議論(利益を生んだものは控除対象となるので賃貸に出せばリフォームなどの経費が認められる)が分かりやすかった。酒税の章は哲学的だった。「酒税が酒をつくる」「酒造の隣に税務署が作られてきたほど、酒と税は密接」などの名言がちりばめられていた。終章の「税金問題こそ政治」はほとんど「詩」だった。著者の魂が込められた詩。「なぜ減税が正義の主張なのだろう。おそらく、税を支払ったことによる恩恵を実感ができない政治がおこなわれているからであろう。」「ロビンフッドが生きていたら反税闘争ではなく約束を守らない富裕層に対して増税闘争をする。」
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日本の税制については複雑極まりないものだという話をよく耳にしますが、その実態を全く知らなかったので手に取ってみました。
単純な税制の紹介だけでなく、複雑な制度になった歴史的経緯や、他国との比較などがさまざまなデータと共に非常に明快に記述されており、日本税制の入門書としては最適な良書と思われます。
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様々な税金の制度・仕組を、目的や背景を交えながら丁寧に説明されているので、とても分かりやすい一冊でした。
今まで漠然としか理解していなかった税金ですが、改めて身近なものとして考え直す良い機会を与えてくれました。
所得税、法人税、消費税、相続税、間接税(酒やタバコ等)、地方税、国際課税と種類別に記載されていますから、興味のある章から読み始めることができるので、とても読み易いです。
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日本人が払う税金には何があるかを説明する本
なかなか面白いけどやはり税金は難しい。
基本的には不平等や租税回避とのイタチごっこである
まあ自分はどういうものを払うのか覚えておくのは大事
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確定申告をするようになって税金もっと理解しなきゃと思い手に取った一冊。
消費者が支払った消費税だが、売上1,000万以下の事業者は国への消費税を免除されているのは驚いた。自分たちは誰に払っているのかと。
税金の種類は多種多様でそれぞれに歴史がある。自動車税は道路を作るために税率が定められたが、かなり道路が整備された今本当に同じ税率が必要なのだろうかとか。
最後の章では国際的な税制について書かれており、金融業界に携わる者としてはかなり興味深かった。グローバル化により、もはや国ごとの税制維持は破綻しつつあり、今後税制もグローバル化していく必要があると言う内容であった。
税金と聞くともう決まり切った世界だと思っていたが、毎年かなりの変化をしているダイナミックな世界と言うのが一番大きかったかも。
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基本的なところがものすごく勉強になった。超過累進課税のこと知らなかった。所得を輪切りにして100万円まではX%、200万円までは、Y%というふうに課税していくんやね。
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税金の基本が具体例交えつつ端的に纏まっており、現行税制の問題点も示されている。身近な所得税から始まって扶養控除、配偶者控除の話や累進課税などを論じ、法人税・消費税の基幹三税を解説した上で、相続税、酒税・たばこ税、地方税、国際課税にも簡単に触れている。
本書だけで税を理解できる訳ではないが、入門編として非常に分かりやすく勉強になった。批判的視点から書いているのも問題点を理解する上で良かった。