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『小さな幸せをひとつひとつ数える』
2018/11/02 20:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こころに残る絵本32冊とその絵本にまつわるエピソードをつづるエッセイ集
『かぜのでんわ』──人は人を思いやる
『からすたろう』──他の人とちがっていていい
『あなたのひとり旅』──別れの悲しみの向こうに
『スイッチョねこ』──猫がのびのびと生きられる世界
『100万回生きたねこ』──そばにいたい人はだれですか
2012~2014年にかけて月刊『清流』に連載した原稿を加筆修正して単行本化
著者は至光社で『あさ』などを手がけた絵本編集者
すえもりブックスを立ち上げ国内外の良質な作品を紹介する
東日本大震災に遭い、「3.11絵本プロジェクトいわて」の代表を務めている
単に絵本のブックガイドにするのはもったいない
2018/11/01 16:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はいってみれば、絵本のブックガイドということだろう。
32冊の絵本が紹介された文章の、2012年から2014年にかけて「清流」という雑誌に掲載された時のタイトルは「絵本からの贈り物」なのだから、絵本のブックガイドであることは間違いではない。
しかし、この本はそれ以上の感動を読者にもたらせてくれる。
いってみれば、それは末盛千枝子さんが書いた「幸福論」であり、「家族の物語」であり、祈りのような敬虔ささえ感じる。
それはおそらく末盛さんの文章の強さから生まれるのだと思う。
美しい言葉は胸をうつ。
末盛千枝子さんは1941年生まれ。大学を卒業後、絵本の出版社に勤務し、その後独立して「すえもりブックス」を立ち上げる。
この出版社から刊行されたのが美智子皇后の英訳によるまど・みちお詩集『どうぶつたち』であったり、美智子皇后の講演をまとめた『橋をかける』である。
しかし、その後この出版社を閉じることになり、2010年岩手県八幡平に移住。そこで2011年東日本大震災にあうことになる。
被災した子供たちに絵本を届けるプロジェクトを立ち上げたのも、絵本があったからこそだろう。
もちろん、この略歴の間あいだに結婚のことや夫の突然の死や残された子供との生活、あるいは再婚といった、末盛さんの個人の事情もからまっていく。
それらをみんな包み込んで、末盛さんは「どんなに大変でも、自分だけが大変なわけではないということでしょうか」と書き、こう続ける。
「そう思える自分を幸せだと思います」。
幸せとは、こんなにきっぱり言える言葉なのだと、気づかされた。
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