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紙の本
古典としての戦争論
2022/01/22 15:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書では戦闘・軍・防御に関する内容が中心となっています。上巻の冒頭の様なインパクトはありませんが、論として真面目に論じられています。
論の運び方が非常に丁寧というか、ある種の型に則って書かれている為、全体的に無理がなく、読んでいて安心感を感じる事が出来ます。或る意味上巻よりも読み易いです。一つ一つの命題に対して丁寧に説明してあり、謂わば懇切な家庭教師の様な印象でした。
紙の本
防御は、攻撃より優先
2007/01/27 17:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争論も中巻に入り、戦争理論から戦術論に展開が進んで来た。まず、戦闘論を展開し、戦闘とは何かを説く。戦闘と聞けば、説明を受けなくても理解出来ると思うが、論理的に戦闘を定義すると案外、難解な論理展開となる。次に戦闘力、主に攻撃について述べる。そして最後に防御について述べる。著者は、戦闘において、攻撃よりも防御を優先しているようである。それは、防御に多くの頁を割いているのを見ても分かる。攻撃には、求心性が有るが、防御は、離心性があるのである。攻撃は、ほおっておいても纏まるが、防御は、そうでは無いのである。それだけ防御は難しいのである。防御では、要塞、山地、河川、沼沢等について具体的に、その防御論を展開していく。防御が重要なのは、野球の世界を見ても良く分かる。時に特異な攻撃性のチームが優勝する場合も有るが、ほとんどにおいて、投手を中心とした守りのチームが優勝するものである。更に攻撃型チームと防御型チームのトップが対戦した場合、往々にして防御型チームが勝利を収めるものである。しかし、私は、1985年の阪神タイガースのような攻撃型チームに魅力を覚える。攻撃型は、爆発的な力を秘めているからである。
中巻も上巻に続いて難解であった。下巻を読むのは、少し間をあけようと思う。
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