紙の本
期待にたがわずまたやってくれたという嬉しさ。
2020/03/24 10:21
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
期待にたがわずまたやってくれたという嬉しさ。致死率の高さよりも、言語能力を奪うという特異なウイルスの恐怖。変異しやすいため絶滅困難(致死率が余り高くないがために感染者は一生ウイルスと共生していくことになる)なうえに、感染力が強いという実に厄介な設定に感服です。かくして感染者増加に伴って、感染者封じ込め→住み分け→非感染者保護・隔離へと対策が変質していった先に、何と感染者の絶滅という究極の発想が出て来る恐怖。流石「リケジョ」らしい著者の凄さでした。コミュニケーション手段としての「言語」とは何かという問い掛けも「リケジョ」ならではの鋭さを持っており、むしろ本書の主題はこちらに有ったのではと思えて来る。先見性のある著者の作品だけに、本当にこんなウイルスが出てきそうで背筋が寒くなります。本当の危機に直面した時に私はどう行動できるかと問われた気がする。
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
未知のウイルスによる感染爆発が、日本でだけ起こった。ウイルスとの闘い、という話ではなく、後遺症として言葉を失う恐怖、感染者を長城の外に隔離する政策の生々しさに、焦点を当てているようだった。
感染者、発症者が気兼ねなく生活するための住み分け、という名の隔離に、ぞっとした。今だってコロナが蔓延してる訳だし、非現実的と言い切れないだろう。こんな世の中になりませんように、と願うばかりだ。
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読むなら今かなと思って読んでみた。新型の脳炎のパンデミックに見舞われた日本のお話。罹患した結果脳の一部が損傷して言葉を失うのが特徴。
感染者と非感染者の隔絶が起こる前と後の交互に描いていますが、あまり効果が感じられず却って読みにくくなっていると感じました。
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日本で未知のウィルスが蔓延した。
その名は『バベル』
発症した人は言語を失ってしまう。
感染した者と、感染していない者との住み分け。
水面下で下された決断。
新たな種族、人類の進化と、希望のある終わり方をしていたので、後味は悪くないんだけれど、面白味に欠けた。
よくあるストーリーな分、もう少しインパクトが欲しかったかな
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すごく面白い設定で、時間が行ったり来たりしながら進むのも面白かったけど、だんだん話の展開があれ?って感じで、終わり方もよくわからなかった・・・ 福田和代作品にしては何かすかっと終われなかった・・・
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新ウイルス系は致死率の高いパニックものは多いけど、後遺症をメインにしたパンデミックは珍しい。面白かった。これは映像化必至。ハリウッド映画になってもおかしくない。
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ダイハードとバイオハザードとターミネーターが場面場面でオーバーアップしたパンデミック小説。
初読の作家だったが、面白かった。
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ある日突然に日本中で脳炎にかかる人が続出する。
後に新型のウイルスだと判明し、
『バベル』と名付けられる。
バベルに感染してしまうと脳に後遺症が残り、言葉を失ってしまう人々。
感染に伴い国が出した政策に驚かされる。
今現在、猛威を振るっている新型コロナウイルス。
この事がなければ素直にエンタメ作品として楽しめたと思う。
しかし、どうしても今の状況と照らし合わせてしまう。
どうにも他人事とは思えず、ゾワゾワしながら読了。
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コロナ禍のさなかに知った本。新型脳炎が日本で感染爆発を起こすというプロットが生々しい。新型脳炎に罹患した者は言葉を失う。だから通称バベル。なるほど、と思う。著者は理系出身なだけに、「言葉」に対する科学的な知見から本書を著したのではないだろうか。それが、ウイルス感染を基本としたパニック小説として実現したのではないか。
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現代のコロナ禍との相似形に、作家の想像力の凄さを思う。
この作品、初出は2012年の別冊文芸春秋なのに。
物語は、同棲している恋人が突然原因不明のウイルスに感染されるところから始まる。
肺炎を誘発するコロナウイルスに対し、こちらは脳炎の症状となる。感染すると、相手の話すことは理解できるが、自らは言葉が発せず、死に至るケースもある。
旧約聖書に書かれたバベルの塔の物語にある、言葉が通じなくなるエピソードから、「バベル」と名付けられたウイルス。
日本での感染拡大に、各国は日本への渡航や日本からの入国を全面的に禁止する。この危機に、一人の政治家が、感染者と未感染者とを住み分けるという政策を打ち出す。
感染の、BEFOREとAFTERとが交互に語られる。BEFOREの現実に対し、AFTERはSF小説的に。
所々に綴られる出来事が、まるで現在の状況を表しているかのよう。
「報告を受けた発症者の数だけでも数千件に上がっている。感染者はさらに多いだろう」
「動物や人間の体内で今も変異を続けているのです」
「インフルエンザのように咳・くしゃみ・鼻水による飛沫感染を起こして」
「厚生労働大臣が昼過ぎに会見を行い、不要不急の外出を避け、二週間程度の食料を用意して自宅に待機することを勧めるという談話を発表した。企業には可能な限り社員の在宅就業を認め、通勤電車や、社内における感染を防ぐようにという出ている。海外への渡航も自粛すべし」
「レジで頭を下げる店員は、釣銭を直接渡さない。必ず四角いカルトンに入れて、客の側に滑らせる」
「委員会は紛糾していた。彼らに与えられた検討材料は、時々刻々と増え続ける発症者と感染者の数。それに、ワクチンや抗ウイルス薬の絶望的な開発状況」
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ある日突然、同棲している恋人が高熱で意識不明の重体となり、
救急車で搬送される。彼に付き添い続けた悠希にも、魔の手がしのびより……。
感染爆発が始まった原因不明の新型ウイルス「バベル」に、人間が立ち向かう術は
あるのか?
日本政府はある対策を講じる決断をする。
近未来の日本を襲った緊迫のバイオクライシス・ノベル!
まさか、ここで非言語コミュニケーション(マージョリー・F・ヴァーガス 新潮選書)を目にするとは思わなかった。30年ぐらい前に読んだ覚えがある。
結末は、ややありきたり。
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日本を襲う強力な感染症バベル。様々な立場から苦悩しウィルスに抗う人々。感染爆発のBeforeとAfterがパラレルに展開するストーリーに引き込まれた。著者の丁寧な取材の結果が随所に反映され内容に深みがありまた感染症に対して参考になる点が多々あって好感が持てた。
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コロナ渦中に読むパンデミックもの。今度は小説で。感染回避か経済活動か、隔離か共存か…現実と同じような問題が突き付けられる。終盤はそれなりに盛り上がるので、前半のまどろっこしさが惜しい。もう少し短くてもよかったかなと。
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設定が無理と言うか小説にするためと感じました。
リアルじゃ無いですね。
ラストも解決して無いですよね。
ウイルスがメインだけに難しいのかな。
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後半まではスピードもあり早く早く読みたくて時間を見つけては読んでいたが最後の首相が感染したあたりからページ数の問題からか急速にダウン。
今時期コロナで現実と小説と混同してしまいそうになる文章だっただけに残念。
面白かったのに。。。