紙の本
渋沢栄一の論語の捉え方
2022/10/03 09:29
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投稿者:令和4年・寅年 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代に武家社会が哲学としていた学問を西洋文化制度を吸収する方法として捉えた点を分析する。父の教えの商家の分にとどまらず、倒幕へ。矛盾とも思える行動の原理。
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多様な視点で丹念に資料を読み込み、渋沢像を深堀りする探求心には頭が下がる。
無私で高徳なイメージの渋沢が、女性関係には自由であったという意外さは、ある意味お茶目な側面を見たようでほころんでしまった。
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日本資本主義の父と言われる渋沢栄一の伝記作品。筆者は18年間もの長い間、紆余曲折を経て本作品を完成。ライフワークと語るだけあって極太のドキュメンタリー作品に仕上がっている。本作品は、思想家であり行動家たる所以。資本主義の本質を如何にして見抜いたか。人生における選択の局面。モラルを商売の本質としたルーツ。そして卓越した経営者ではなくプランナーとして500社にも及ぶ会社をいかにして立ち上げてきたか?など、歴史上有名人との触れ合いも交えながら克明に解説を進めていく。ドラッガーをして明治の奇跡と言われた軌跡をとくとご覧あれ~。人生訓がタップリつまった指南書です。
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渋沢サイコー もうどうにでもしてと言わんばかりの愛情あふれる渋沢栄一論。著者の渋沢溺愛ぶりを抜きにしても、あらゆる角度からよく調べてあるみたいだし、まあ他にはないであろう渋沢伝として価値は高い一冊ではないかと。
中でもやっぱりすごいや渋沢と思ったのは、一見偽善とも見られがちな社会福祉事業を手掛ける理由。福祉事業を手掛けることが巡りめぐって社会の全体最適を促すという論理を軸に、その意思を押し通すところ。偽善とは対極の利他主義。
渋沢栄一は、自分が何のために生まれてきたのかを本当によくわかっていた。それってすごいことだと思うのです。
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埼玉県の偉人、渋沢栄作氏の伝記です。下巻論語編は、渋沢氏の明治以降の業績、社会福祉事業、民間外交、そしてプライベートなことなどが書かれています。
さまざまな会社設立を通し、私欲を抑え公共の利益に努めた氏の姿は流石だなと思います。そんな一方で、91歳で亡くなるまでそんなバイタリティを持ち続けられたのは、やはり色事も好きだったようで笑
やはり、人生をうまく運ぶことには仕事もプライベートも充実をさせなければいけないと思った話でした。
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【単なる金儲け主義では、長続きできないのだ】あらゆる日本の近代産業の創設にかかわりながらも、後半生を社会貢献に捧げた生涯。日本人に資本主義のあり方を問い直す1冊です。
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著者の主力武器であるフランス第二帝政下万国博覧会に
渋沢栄一のパリ留学がとびこんできたことを掴んで
その面から明治維新の一面を照らす評伝
渋沢栄一の明治における活躍はサンシモン主義の影響下にあるという論証と
評伝としての構成が
かなりながめの連載作品ということもあってとりちらかっており
著者いつもの決めつけを隠さない書きぶりとか
小説風だったりする挿話場面を挟んでみたりだとか
いろいろ適当で繰り返しも多いが
そこが歴史読み物として魅力でもあるし評伝として欠点でもある
タレーランやナポレオン三世を描いたように
この作品も渋沢栄一を中心とした日本経済近代化物語としたほうが
まだまとまったと思うけれど
それはそれで筆がとっちらかるさまが目に見える気がする
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上巻から続き、晩年の渋沢栄一の業績から、明治時代に出合った元勲たちに対する渋沢による評価や人間渋沢栄一に迫る一冊です。渋沢の女性関係から子供たちに接する様子などあらゆることが著されているので、本書を読めば渋沢栄一の大体のことは分かると思います。派手な業績を打ち立てた様子を著した上巻よりは、地味には感じましたが、良い評伝だと思います。
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上巻、下巻と読み進めるうちに、渋沢栄一という人物ににどんどん引き込まれた。
究極の平等、客観的感覚。それなのに、人間味溢れるバランス感。
日本が誇るべき偉大な人物なことが、著者のマニアックな程の描写で、面白く知ることができた。
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NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一伝の下巻「論語篇」。ドラマチックな部分はほぼ上巻「算盤篇」に収められていて、「論語篇」では財界の大物となった栄一の中年から晩年に掛けての様々な仕事、政治や民間外交との関わりがテーマごとに描かれ、最後には渋沢の私生活、特に渋沢の女性関係や渋沢家の人びとのことが描かれています。産業人にも論語の必要性を主張しその地位確立に尽力した栄一も、美しい女性には滅法弱かったという一面を見てホッとするのは男なら誰でも納得してくれるのではないか。92歳まで精力的に活躍した栄一の物語を読むと、まだまだ自分もこれから志を持って生きいきたいという活力が湧いてくる、か。