映画化決定!(になるに違いないというか、しなきゃ)
2019/08/17 23:35
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投稿者:こゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルから「刑事弁護人の仕事はこのようなものです」という紹介本かと思って手に取りましたが、違いました。日本史の中でも数えられない程しかおきなかったであろう、極稀な法廷での闘いを追ったノンフィクションでした。
始まりは連続窃盗事件。逮捕された人は実際に犯罪をおかしていて、それを認めていて、弁護士がついて、だいたい量刑も予想できて……という平凡な事件に思えたのですが、依頼人の一言によって事態は急展開!!
秘密裏に被疑者の車にGPSをつけて証拠を集めたという警察の捜査手法は違法ではないか?!放っておいては誰がGPSをつけられてプライバシーを侵害されるか分からない世の中になってしまう……という、日本という国のありようを問う問題が提起されます。
最初に弁護を引き受けた亀井弁護士は気の合う弁護士仲間(みんな若手)に相談し、たたかいの気運が盛り上がり、裁判が続くに従ってこの問題は益々大きいものになっていき、クライマックスは、殆ど使われることがないという最高裁判所大法廷。
ノンフィクションでこんなドラマティックな盛り上がりがあるのかという……まるでハリウッド映画並みの展開です。
読み物として抜群に面白いし、司法制度についてもわかりやすく説明があり、この裁判がどれほど一人一人にとって重要なものなのかも伝わります。
個人的には今年最高の一冊が確定。
最高裁の裁判官の皆様をちょっと見直しました。(裁判官どうなってんの本を沢山読んだので評価ダダ下がりだったのです。この判決は内閣総理大臣や裁判官の出世に影響しないジャンルだったのかもしれませんが)
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投稿者:本が好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
本著でも繰り返し書かれている例に漏れず、私も刑事弁護人の仕事つまり「罪人を弁護する意義」を見出せずにいた一人でした。本著を読み、その意義が、人が人として生きることへの追求だったり、権威に立ち向かうことであったりすることだと初めて知りました。先入観を捨てることができて本当によかったです。
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投稿者:もり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「令状なきGPS捜査は違法」の最高際判決についての本です。いっとき話題になりましたが今落ち着いているということで、思い出そうと思いましたが、話題になった本当の理由がよくわかりました。とてもいいです。オススメです。
読みだすと時間がたつのを忘れる
2019/11/24 08:39
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投稿者:カズ - この投稿者のレビュー一覧を見る
法律系の仕事、業務にかかわっている人なら、かなり興味深く読める本だと思います。
GPSの違法性を争った事案なので、その詳細を知ることができるのは非常にプラスだったと思います。
ただ、あくまでも判例の一つなので、事案によって結論は変わる可能性大ですね。
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全てが実話。迫力と感動の法廷ドキュメント
のキャッチのとおり、いやそれ以上です。
へたな法定物の小説が霞んでしまうくらい、わかりやすくおなかつ感動します。
なんたって、最高裁大法廷ですよ。
大法廷のすごさは本書を読めばわかります。
圧巻は大法廷での弁論部分。緊迫感が違います。
また、この本は亀石さんの人柄・考えが強く主張されている本だと感じました。結婚に至るエピソードもすごいし、人を巻き込む力もすごいです。
これを読めば、彼女が選挙に出る理由もよくわかります。
亀石さんたちにとってラッキーだったのは、被告が警察のやり方に納得せず、最高裁まで上告させてくれたこと。それ以外は弁護団の努力と実力だとわかりました。
司法を志す人にも、一般の人にも読んで、感じてほしい本です。でももっと普及させるにはドラマ化・映画化かもしれません。
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刑事事件裁判のリアルな実態を描きながら全く飽きさせない。
舞台は「裁判所」、主人公たちは「社会正義を心に秘めた弁護士」で相手の悪役は「警察・検察」。
展開には「スリル、サスペンス、スピード」があり、最後の大団円に「大舞台での大見得」まであるとあっては、まるで推理小説かドラマのようだ。
この事件の裁判結果は、当然マスコミにも大きく取り上げられていた。しかし、その内容がこの様な経過を経たものだったとはと、あらためて瞠目した。
本裁判の経過はドラマにしても充分面白い。ただ配役上悪役となるのが「警察・検察」である以上、昨今の情勢下では難しいとも思った。
本書を絶賛したい。
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選挙前の出版だったし「亀石さんすごいぞ!!」という賛美本かと思いきや、
「令状なきGPS捜査は違法」最高裁判決を得るまでの過程がとてもおもしろかったです!!
とくに控訴審判決後~最高裁あたりが。。
後藤先生のアドバイスもらったり。
裁判所の塩対応も「ありそう・・・」っていうかんじで。
裁判所からは見えない、弁護人の考え・活動・苦労がうかがい知れる気になります。
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インパクトのある表紙(と言うか実はデカい帯)写真に釣られて手にとったが、中身は法廷ノンフィクションとでも言うべきもの。刑事裁判の裏側や、司法の世界の様子がどんな感じか何となくわかるし、法律的な論点としても面白い事件を扱っている。
また著者は他にもタトゥー裁判やクラブ裁判といった話題になった裁判を手がけたそう。
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「刑事事件? わたしには関係ない」こと、だろうか。… / 最初に彼らが共産主義者を弾圧したとき、私は抗議の声をあげなかった。なぜなら私は、共産主義者ではなかったから。彼らが労働組合員たちを攻撃したときも、私は抗議の声をあげなかった。なぜなら私は労働組合員ではなかったから。やがて彼らが、ユダヤ人たちをどこかに連れて行ったとき、やはり私は抗議の声をあげなかった。なぜなら私はユダヤ人ではなかったから。そして、彼らが私の目の前に来たとき、私のために抗議の声をあげる者は、誰一人として残っていなかった。
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亀石先生の美しさに思わず手を取りました。GPS裁判という大変な裁判で若手弁護士たちが画期的な判決を取るまでのノンフィクション。
感動しました。刑事弁護士という世間からは誤解の多い仕事を、己の信念を貫き通す。誰もが刑事被告人になるかもしれない。ささやかな自由を守るために闘う。
さらなる活躍を期待したくなりました。
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警察のGPS捜査の違法性を問うたノンフィクションです。小説タッチですが、講談社現代新書から発売されています。
法廷物のミステリーを読んでいるかのようで最後までページをめくる手を止めることができませんでした。そして最高裁大法廷での弁論までたどり着くドキドキするドキュメンタリーです。刑事弁護の流れも詳細によく分かります。
また、刑事弁護は、被告人のみならず国民の自由を守る砦であること、手弁当でやらざるを得ないことがわかりました。
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文章は上手くないが、事件から最高裁に至るまでの弁護団奮闘劇として面白い。法律は決して完璧ではない規律、それを少しずつでもいい、人権を守るためによりよい規範をつくろう、それが法治国家としてあるべき姿なのだと感じる。
勝手に閣議決定で解釈を変えると公言する現在の腐敗した政権を誰が裁くのか、三権分立も怪しいこの国の主権は間違いなく国民一人ひとりである。無関心は同罪。
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あまり普段法律系の本は読む機会がないのでが、この本は読んで良かったなと感じた。犯人目線から始まるストーリーの序盤。先にどんな事件のことに関して展開されていくのかがわかって読みやすい。中盤は著者の裁判に臨む準備の話などがあって少し緩むが、終盤にかけて一気に展開が白熱する。最後は本当に一気に読み切った感じがした。
なぜ被疑者(犯人)の弁護をするのか。この問いが出てくるが、著者の説明がとてもわかりやすかった。「「罪を犯すヤツの権利など守らなくていい」という考え方は、いずれ、罪を犯していない人間の権利さえも守られない社会を受け入れることになる」
最後の場面は最高裁での弁論だが、ここがまたかっこいい。プレゼンという意味ではビジネスマンも参考にするべき点があった。
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刑事弁護の一般的な話かと思いきや、窃盗事件が最高裁大法廷にまで発展するとは予測せず、興味深くどんどん読めた。
若手弁護士の心中描写も多かったことから、友達の友達の話を聞いているような感覚で、ぐいぐい引き込まれた。
最高裁がまっとうな判断をしてくれたことに、安堵。
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とても勉強になりました。もっとはやくに読めばよかった。裁判って縁が無いように思っていたけど、いつ何時裁判に関わるかもしれないと思いました。私には関係ないと思わなくなりました。