紙の本
今回も楽しく読みました。
2019/03/08 04:58
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投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治の世界はカネが動いたり癒着があったり…これは些細なものを言うと政治の世界にとどまらず我々の日常にも見られることですが…読んでいて気持ちのいいものではありません。
『本丸 目付部屋』のシリーズは、政治の世界が大いに関係しているはずなのに、読むととても爽やかなのは、私腹を肥やす連中が主役ではないからでしょう。
脇役でもなく、脇役のさらにさらに脇役くらいで顔をのぞかせている感じです。
次巻がますます楽しみです。
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献上の品 一つでさえ、受け取って頂く方を、吟味しないといけないのは、武士道と言え大変な事なのだと、第一話から、思い知らされた。
国持大名 20石以上ではないのだが、盛岡藩の南部家の家臣 神崎が、ごねる理由は・・・
そして、老中の方は、手塞がりであった。
どう采配してくのか?十左衛門。
第二話の系図を読みながら、昔数十年もの前に、イタリアヘ行った時に、ローマのスペイン広場の土産物屋で、古い陶器を売っていたのだが、、、古く見せるために、土の中に入れて、わざと年代物と化し、観光客に売りつけるのだと、聞かされたのだが、、、、この江戸時代も、系図を砂で、紙の和紙をささくれ立つようにして、年代物にしている事に、驚きを感じた。
第三話の物語りは、母親と息子の縁切りについてだが、お家断絶でさえ、良しと、考える母親の根本折江。
ぼんくらの息子が、妻にした非情な行いに、腹をすえかねたものだ。
武家の出なのに、お家断絶でさえ、そして、命さえも投げ出す母親で、嫁は、生きる事の大切さを学んだと、思う。
第四話 農民の苦痛を訴えた関口与五右衛門。
農民を思うばかりなのに、捕らわれる。
ただしい事を直訴しても為政者に弓引くものは、主張が、正しくとも世間を騒がす者として厳罰に処せられる。
それを、逃がすようにしてやろうと藩主 右京大夫がするのに、逃げもせず、自分が、先例を作るために、江戸まで、来ることに・・・
一話から、偏屈に見えた 老中 松平右京大夫輝高が、素敵な人柄に思えるようになって本を読み終えた。
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シリーズ第3弾。
大名はその石高だけで家柄が決まるわけではない。
古く徳川幕府創世の時に、家康のが恩を感じた大名は石高とは関係なく一つ上の扱いをされていた。
長く続けば慣習が緩んでくる。
献上の品を受け取る側の地位も時には下の地位のものが受け取ったりすると献上する側は軽く見られたと悲観する。
人と人の受け取りが関係を生むなら、そこにも問題が生まれる。
続け様に御家人などが被害者の3件の辻斬りが発生する。
そこで目付け衆が捜査を始めると。
家を取り潰しても構わないと母親が息子を目付に、訴える事件。
いつも元気な老中が江戸城にに出てこれない事情が、探ると国許での問題が。
他のシリーズでは出てこない、江戸城内の役目が色々出てくる興味深いシリーズ。
奉行だけでも多種多様。