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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
辛い。
重い。
でも見届けたい。
そういう物語でした。
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
重く苦しい気持ちになる内容だけど、殺人鬼が何のために罪を犯しているのか、またその殺人鬼を信じて探している相棒の存在など完全に救いがないって雰囲気じゃなくて非常に好みな作品でした。
しかし、出てくる大人がほぼほぼクズなので、そこはちょっとイライラします。
<僕>たちの物語、こういう関係もなんだか羨ましく思える。
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「死ぬくらいなら、僕にならない?」――生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来〈高木健介〉として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは……。
高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。
かつてない衝撃と感動が迫りくる――緊急大重版中『15歳のテロリスト』に続く、衝撃の慟哭ミステリー最新作!
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自殺寸前で命を救われ、「死ぬくらいなら、僕の分身にならない?」と誘われ不思議な生活に陥っていく主人公・立井潤貴。どん底の生活を抜け出せたものの、自分がなりすました高木健介という人間の背景と過去には壮絶な悲劇が隠されていました。
前作「15歳のテロリスト」に引き続き発行された今作もある重要な社会問題をテーマにした作品でした。
「大丈夫。世界は僕たちに興味がないからー」
他人の人生を与えられた人間と他人に人生を与えた人間が導き出した答えとはなんだったんでしょう?
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なかなか重いテーマだった。
生きているのに存在しない人間。
僕はここにいる。
彼らの魂はここにある。
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立井潤貴は自殺の直前,高木健介に自分の分身にならないかと誘われる.覆面作家として執筆に忙しい高木に成り代わって,大学生活を満喫する立井だったが,高木健介が殺人の容疑をかけられ立井の前から姿を消す.
松村涼也先生の作品はこれで3作目だけれども,いつもながら読みやすくて,いい.
悪が連鎖し次の悪を生むというのは「15歳のテロリスト」と同じ構図なんだけど,連鎖が閉じてしまうと物語の厚みが失われてしまうような気がして,少し残念.
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読み始めはもっと単純で、きっとこの後こうなるんだろうなって少しがっかりしながら読んでいたけど、中盤からガラッと変わった。
「僕が僕をやめる日」って立井純貴が立井純貴をやめる日だと思って読んでいたけど、後半では高木健介の事を言っていたのだと思った。高木は生まれたその日にはまだ「僕」ではなく、父親が死んでからやっと「僕」になれた。そして、また自分の手で「僕」をやめた。一番最後は2人が「僕」をやめたんだね。
前半の様々な所でのフラグが後半に回収されていくのは本当に面白かった。
後半部分から、
「自分には正しく生きたい願望がある。
人としての正しさ、高校生としての正しさ、クラスメイトとしての正しさ_数えきれない尺度の中で、認められる存在でありたい。その正しさは時に窮屈で、他者に強要すれば時代錯誤だと白眼視されてしまうとしても。」
個人的に、この部分に、酷く心打たれるものがあった。私情にはなるが、私自身とても真面目で真面目故に損をしていると思った事が何度もあったが、その心の内を上手く言葉に出来なくて、でもこの文章を読んだ時に、「私は正しく生きようとしていたんだ」と改めて気づく事が出来た。普通の高校生で、普通の成績で、普通の、何の当たり障りもない良い人でいたくてずっと苦しかったしそんな事誰にも言えなかった。きっと、本書を読んだ他の方は違う部分に心打たれ、その文章を噛み締めているのだろうけど、(私にも他に好きな文章やシーンがあるけれど)私はこの文章によってこの作品が魂に届いた気がした。
法の下で私達の今の生活が成り立っている。上手に生活する為に法律が作られて、みんな守ろうねってなった訳だけど本書では誰が悪かったのかな…?
それぞれが誰かを想って行動して、側からみればやりすぎな訳だけど、当人からしたらそれが一番良いと思ったのだろうし、私もそう思ってしまうかもしれない。全員が全員幸せになれる日なんて絶対来ないけれど、少しでも幸せだと、誰かを守らないとって思える日が皆さんにも訪れますように。
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シンプルな物語の流れに反して、内容はかなり重かったです。
自分が気づかないだけで、無戸籍児は身近に沢山存在するのかもしれません。
目を背けたくなる境遇でも、当事者にとってはその生活が当たり前…悲しすぎますね。
個人的に峰さんの心情が気になります。
ニュースを見て一体何を思ったんでしょう?
立井君と高木君が別々の形で救われた事に、本当に感動しました。
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本屋で見つけて、直感で面白そうと思った本
直感を大事にするのはいい事だと思う
やっぱり面白い本だった
そんなに難しい話でもなく、どんどん読めた
学べることも沢山あった
初めて作者に興味を持った
小説家が小説家の話を書くという、なんか夢の夢みたいな話で、不思議な感じがした
凄く切ないお話で好き
今年の読書感想文は、「僕が僕をやめる日」にしようと思う
追記:読んでから一年以上たってるけどやっぱり何度も読み返したくなる。私の一番好きな本かも。僕たちの魂はここにある(だったかな)って言葉が本当に大好き。今自分はここに生きてるって感じがして、いつもそれを読むと少し強くなれる。
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「死ぬくらいなら、僕の分身にならない?」自殺寸前に声をかけられて「高木健介」として大学生活を送ることになった立井。徐々に明らかになる主人公の過去に、読んでいて眉間に皺が寄る。そしてある経緯から高木自身の過去を探り始める立井。こちらからも壮絶な過去が掘り起こされる。なぜこうなる、なぜこうなった?ラストの回収に目まぐるしく追われながら、こういうとき必ず犠牲になる子供たちを思い、怒りと切なさと悲しさで感情が迷子になった。秀逸な題名とプロローグの彼の一言が刺さる。「大丈夫。世界は僕たちに興味ないから。」
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自殺しようとした時。潤貴は“高木健介”として彼が合格した大学に通い、健介として生活する。その間、本当の健介は作家として執筆活動に専念するという提案を。「大丈夫。世界は僕たちに興味ないから」
折しも入学の季節、大学に本当の高木健介を知る人はいない。背格好も似ているためか疑われもしない。最初は不安に思っていた潤貴も徐々にその生活を楽しむようになっていた。そうやって一緒に暮らしてきた健介が失踪するまでは——。
潤貴は父親が失踪し、母親が病気になったため、高校を中退し働きます。しかし、その会社が倒産し、日雇いの重労働をするうちに腰を痛めて働けなくなります。母親も亡くなり、頼れる人がいなかった潤貴は、役所に相談しますが、紹介されたのは弱者を食い物にする怪しげな宿泊施設でした。未来に展望が持てなかった潤貴は自殺を決意し、健介に救われたのです。
健介が失踪して二日後、やってきたのは警察でした。
栄田という男の溺死事件に健介が関わっているらしく、、「死ぬくらいなら、僕の分身にならない?」と声をかけられた。立井潤貴は訝しく思いながらも声をかけてきた男、高木健介の提案を受け入れてしまうその確認にきたのです。警察が健介を疑っているのは明確でした。潤貴と健介が入れ替わっていることを話せば身分詐称は免れず、健介のことも心配なのは勿論のこと、何より恩人を裏切る訳にもいかず、潤貴は白を切ります。
そして、潤貴は真実を知るために健介の所在を探そうと動き出します。
健介の戸籍を辿ったり、友人に会いに行ったり。
その結果、健介が“潮海晴”(しおみはる)として執筆した小説にヒントを見出します。
潤貴が知った真実はとても哀しいものでした。
社会的弱者がこんなにも救われないことが哀しいです。
DVの被害者、ネグレクト、本人の意思とは関係なく与えられる運命。そこから抜け出すには普通のことでは駄目なのでしょうか。
潮海晴が執筆した小説『杭』の原案にはとてもつらい現実が描かれていて、胸が痛みます。
健介が選んだ手段は社会的に受け入れてはいけないものです。しかし、彼が望んだもの、残そうとしたものはとても優しいものだったように思えます。
「世界から忘れられても僕たちの魂はここにある」
つらい現実を受け止め、それでも発せずにはいられない彼らのメッセージではないでしょうか。
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立井は死のうとしたとき声をかけられてその人物である高木になりすまして生きていくことになった。
2年間同居したのち高木は失踪、高木が起こしたとされる殺人事件の被疑者としてみなされ彼の行方を追う中で一連の殺人事件の真相と彼の目的が発覚する、、。
この物語は貧困や恵まれない家庭環境、無戸籍の子供について描かれてる。
高木が単なる殺意で殺人を犯したのではなくて、
自分の父親がきっかけで不幸が伝染してしまう病原菌のようなもので止めなきゃいけないという使命感で動いていたことに胸が痛かった。
唯一の妹を護りたくて、安全に生きていくために身を寄り添いあってきたのにそれすら失った。
絶望を感じつつも不幸の連鎖に当てはまる立井くらいは救いたかったと考えていて本当は殺人以外の手段を取りたいのに法律は僕たちは救えないという事実があまりにも切なかった。
顛末は情状酌量を計画し高木が立井になり変わり自分が殺したとして逮捕。
立井は高木が書いていた小説を完結させて出版した。互いに救いあいこれからも生きていくんだろうな。最後大切な妹との記憶を世界に刻むことができてよかったね。
どこまでも純粋な、鎮魂と祈りの物語だった。」
「彼らの魂はここにある」という言葉で完結、
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構成は特に難しいものではなかったけど、アイテムの使い方を意識されていたし、少しずつ暴かれていくのがとても面白かった。また言葉選びが凄い。「世界は僕たちに興味ないから」現代社会を生きる私達にとって、重くのしかかる言葉だと感じた。もう一度読みたい。
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スピード感がありとても読みやすかった。
全てが最後に収束し、
読み終わってスッキリする本。
短い時間でサラサラ読めるので
初心者におすすめ。
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いい意味で思ってもなかった方向に進んで行って
物語も淡々と進んでいき
ページを繰る手が止まらなかった。
スっと読めて、面白くて満足。