紙の本
手塚治虫を思い浮かべました
2022/08/29 10:08
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投稿者:ま - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆるディストピア小説で、近未来の全体主義国家を描いた小説です。主人公は国家と同一化して国家と同じ考え方を持っていますが、とある女性に出会ってから、すべてが変わっていきます。読んでいて、なぜか手塚治虫の描くSF漫画を思い起こしました。女性も手塚治虫の描くヒロインの絵で頭に浮かびました。むろんザミャーチンのほうが手塚より前なので、手塚が各種SF小説の影響を受けて漫画に生かしたのだと思います。
電子書籍
過去から見た未来
2020/05/04 17:16
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀初頭のソビエトに絶望した著者が、次の世代に込めた希望が伝わってきます。権力を握り政敵を暗殺し続ける、現職の大統領を思い浮かべてしまいました。
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ディストピア小説の古典が新訳で登場。
恐らく最も『有名な』ディストピア小説といえば、オーウェルの『一九八四年』か、ブラッドベリの『華氏451度』になるのだろうが、では、一番『好きな』ディストピア小説となると、私としてはこの『われら』を挙げたい。
数学的な記号で表記される登場人物の扱いもそうだが、『われら』という邦題も良いと思う。
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ソ連の作家によるディストピア小説です。
当時の祖国に作品内容を受け入れられず、著者は亡命を余儀なくされました。
<単一国>が管理する空想上の国に生きるД-503を主人公に、物語は無機質なものから有機的なものへ展開していきます。
理性によってコントロールされる世界に迎合しない女性I-330の出現が、周りの男性の人生を狂わせていくのです。
非常に癖のある作品なので、真剣にではなく適当に読み進めると良いかもしれません。
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今から約100年前にかかれた、1000年後の未来を描いた作品。表現がとても未来的で時代を感じさせないところが驚き。ストーリーはSF映画にありがちな、完全に管理下に置かれた未来人が自我に目覚め革命を起こしていくものだが、執筆年を考えるとその走りなのかも。
ただ、終盤にかけて表現が難解で先が見えた感もあっていい加減な読み方となってしまった。
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ロシア、ソ連の作家によるディストピアSF。
ディストピアものは、『1984年』『すばらしい新世界』を読んで主なものは読み切ったつもりでいたのですが、『三体』の劉慈欣氏のインタビューで「ディストピア三部作」として本著が並び挙げられていたので(※)、まだあんの!と思いながら読了しました(笑
しかし、よくよく考えてみたら『華氏451度』もまだ読んでないし、「読み切る」なんて不可能な気がしてきました。
※大ヒット中国SF『三体』を生んだ劉慈欣「私の人生を変えた5冊の本」
https://news.yahoo.co.jp/articles/de883ae01986b05403d9ed197cf265d88e090607?page=2
驚くべきは、本著が完成したのは1921年。翻訳が素晴らしいのもあってか、そこまで昔の本とはとても思えません。
描いているのはざっくり1,000年後の未来(今からだと900年後ですか)で、「単一国」のもと各人の行動が管理されている社会。
この社会の描き方は『すばらしい新世界』ほどキラキラしてはいないものの、『1984年』のように鬱々とはしておらず。フラットな文体ではあるものの、ただ『1984年』以上のスーパーリアルガチの管理社会になっています。
その管理社会で色々な出来事が起こる訳ですが、私の読解力が低すぎるのか、ストーリー展開はまるで白昼夢を見ているかのような飛び飛びのシーンに感じてしまって、ちゃんとした理解はできなかったというのが正直なところです。。
そこを気にしなければ(笑 、読みやすい翻訳や、やたらとモテる主人公、やたらと出てくる「色」の表現なんかもあってスイスイ読めます。
1点、面白かったのは「時間タブレット」の存在。解説で触れられていましたが、まさにiPadじゃん…。
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今まで様々なディストピア小説を読んできたが…これは、何だか"真っ白"と言う印象を受けた。表現としては、青やピンクなどの色が出てきて、カラフルなんだけど…それはきっと、主人公の側に"個"が認められないからだろう。ぜーーーんぶ同じ。明言されているわけではないけど"個"が認められているのは、トップのみ。上の考えが全てなので、だからそういうイメージなのかも知れない。
私がディストピア小説で好きなところは、徹底的に管理された世界で、そこからはみ出した人が矯正されたりなんだりする、みたいなところなのだが…今回も存分に徹底的に管理されていて、そして…
あー、面白かった
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古典ディストピアシリーズ
支配みたいなものに警鐘を鳴らしたというより、機械化による理性をとことん突き詰めた合理主義をよく描いている
詩的な文章で分かりにくいため情景を思い描くのに苦労する
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読み始めて少し経った頃、まさにロシアが世界の話題の中心になってしまった。この時代にロシア文学を読むのはきっと意義があるのかも、と思い読み進めました。
主人公の一人称視点で独特の世界観なので、イメージが掴みにくいところもあった。あとがきにもあったが色々な比喩表現がされていて、そのあたりが分かるとさらに深く読めそうな気がする。また少し時間を置いて読んでみたい。
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岩波文庫の紹介文では「ロシアの政治体制がこのまま(1920年当時)進行し、西欧のテクノロジーがこれに加わったらどうなるかという未来図絵を描いてみせた、アンチ・ユートピア小説」と説明された。2019年にこれが新訳となったことを有難く思いながら拝読。
文章や構成はわかりやすいとは言えないので、紹介文に惹かれて読むと挫折しやすいかもしれない。ストーリーよりも世界観を楽しむ小説だと思う。
自由なき幸福か、幸福なき自由か。ドストエフスキーの問うたものを更に突き詰めているようにも思えた。
アンチユートピアつながりで読むなら、出版順には反するけれども『1984年』と『すばらしい新世界』読了後に読むことがおすすめ。また、本作末尾の解説を読んでから本文に入る(本文を読み進めている途中に解説、でも良いかも)ことも話の理解の助けに良さそう。
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まず、難解な小説である。全体主義で管理された社会に生きる(存在する?)uによる記録集。遠い過去に一度滅びかけた世界では、緑の壁により秩序が保たれかつ管理された社会が広がっている。
過去の遺物であるマンション部屋よく訪れ煙草を吸うlに会い、惚れ込み、緑の壁の外に暮らす野蛮人(とは言え、それほど野蛮でもなさそうだ)に会い、自分が正しいと信じ込んでいた世界が恩人によって過剰に管理・抑圧された社会だと気付いていき、、という話。
至る所に数式が出てくるのだが、微分積分(波を平らにしていく)で没個性を表しているよう。
やたら女性に好かれるところからも、理系のこじらせ男子の妄想が入ってるんじゃないか。ザミャーチン自身造船技師でばりばりの理系だ。
村上春樹ぽい。(村上春樹はザミャーチンに影響を受けた、と言っているらしい)
この小説、その後に続くスターリンの抑圧など暗い歴史があるので、重々しく捉えがちだが、案外ザミャーチンは、社会主義への変革に向かうロシアを、案外改革でこんな社会になっちゃったりして笑、みたいなノリで書いたのかもしれない。
カフカの変身も、カフカ自身友人へ音読する際ゲラゲラ笑いながら読んでいたという。
私達は変にかしこまって、ザミャーチン様、ははーっと平伏しすぎなのかもしれないのだ。
そう考えると、この小説は実はこじらせ男子の恋愛小説として読む事もでき、この難しさが少し愛らしく感じてくる。
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ソ連成立前夜の1921年に完成されたと言われるロシアのディストピア小説。本屋でディストピア特集をやっていて、目にとまったので読んでみた。ディストピア小説も本場(?)のロシア人作家が書くとこうなるかと思わせるラストで、ある意味衝撃的。"Brave New World" や "Nineteen Eighty-Four" を読み返したくなる。
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ソ連最初期1920年代あたりに書かれたロシアのディストピア小説。
凄いのはそれよりも先の時代のソ連の様子、特にロケットを打ち上げる宇宙開発やソ連崩壊を予言していることです。
ザミャーチンはソビエトロシアの心を見つめていたのかもしれません。