紙の本
彼に共感できるなら
2021/01/21 15:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:usa_0814 - この投稿者のレビュー一覧を見る
親の都合で、中学二年生の秋に新潟に越してきた望月洋平は、舞原月乃と今宵という双子の姉妹と出会います。朗らかで誰からも好かれる月乃に恋をした彼は、またすぐに転校することになると、考古学が好きで大阪の大学を目指すという月乃の言葉を忘れずに勉強を続けますが、受験に失敗して静岡の大学への進学が決まりました。このまま静岡に進学する道と、ifとして語られる、浪人しても大阪の大学を目指す道で、彼らは双子の姉妹と再会します。
まず恋愛とミステリを絶妙に調和させた展開が見事。文章も読みやすいので、ミステリと言われると敬遠しそうな人にはこういう作品から読んでほしいという作品です。恋愛小説としても、叶わぬ恋に対する思いが切実に語られていて、理性的になれるはずもない想いの強さが伝わってきて、恋愛小説が好きな人にもおすすめできる作品です。単なる読者としても、双子の姉妹の恋のゆくえを応援したくなるお話でした。
なので、ただ一点、主人公の性格も言動も受け入れがたいことが気になりました。恋愛などというものに理屈を求めても仕方ありませんから、誰が誰を好きになるか、好きになれないかなど、どうこうできるものではないでしょう。ただ作中の人物で、彼は後悔してばかりでほとんど何もしていません。彼の周囲の人たちが、何かの行動をしている中で、自分から何かを手に入れようとはせず、すぐに諦めては他人のせいにする彼の性格だけはどうしても受け入れることができませんでした。
結末はあれでよいのだと思います。彼女は幸せになることでしょう。主人公の彼に共感することさえできれば、何の違和感もなくよい作品だと思います。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
財閥のお嬢様でありながら、容姿端麗、頭脳明晰の上、性格もいい月乃。彼女に恋い焦がれる主人公は、ややストーカーちっくでしたが、後半一気読み必至の作品でした。
紙の本
1つ違いの兄弟と双子の姉妹の恋の話
2020/05/24 11:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AO - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生にもしもはないけれど考えずにはいられない後悔ばかりの洋平。そしてもしもの話が始まったと思ったら上手に話が繋がっていた。兄の結婚式に参列して前を向き進んでいくことを決めたのは良かったけど家族の洋平の扱いがちょっと酷くない?姉兄に許したのなら提案くらいしてあげても良くない?そうしたらグダグダいじけずに済んだと思うのだけど。最後の洋平の祈り。彼がそうなれますように。
投稿元:
レビューを見る
『人生にifはない』
この言葉がキーポイントでした。
洋平は転勤族ゆえに、図書館で出会った地元では知らぬ者がいない舞原一族の月乃と同じクラスの気軽さで話しかけて仲良くなるが、クラスでは図書館での気やすさが感じられず、不思議に思いつつ月乃に惹かれていく。そして、月乃には親でも見分けが付かない双子の妹・今宵が居ると知り…
見事に騙されました。ifがまさかこう言う風に使われるとは!正に、人生にifはないですね。
途中切なくなりましたが、兄の言葉がストンと落ちた気がしました。お互い思い込みだった恋だったけど、きっと上手く行くと信じたいです。
投稿元:
レビューを見る
家族でも見分けられない双子、舞原月乃と今宵。月乃は誰からも好かれる朗らかな性格で、妹の今宵は大人びた物静かな少女だった。
月乃に恋をした望月洋平は彼女と同じ大学を目指すが、受験に失敗し、経済的な事情から浪人を両親に禁じられてしまう。
現実の前に頭を垂れた人生と、意志を貫き、親に逆らってでも掴みたかった人生。諦めたはずの人生で再会した今宵と、諦めなかった人生で再会した月乃。
二つの人生を『if』で描く、『月』の恋愛ミステリー。
投稿元:
レビューを見る
綾崎隼さんの花鳥風月シリーズとしての最新作。切ない恋愛小説と一言では片付けられないですが、他にいい表現が思いつきません笑
読み進めるうちに徐々にクリアになっていく全貌にいつもながら、騙されているような気分になってきます。が、そこが大好きなポイントでもあるので、最高です。
何回でも楽しめる一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
どういう仕掛けがあるんだ?と思いながら読んでいましたが、最後の最後にやられました……!
帯の言葉、本の解説、読み終わってから見ると、とても納得です。凄いなぁ。
初恋彗星を思い出す今宵の愛の深さ。今宵には洋平に伝えていない本当のことがあるだろうなと思っていましたがやっぱり想像を超えてきました。
最後はスッキリして好きな作品です。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに綾崎隼を読むともうものの見事に騙されますね。
しかしまぁ幸せになれた二人となれなかった二人。
この対比はきっついですね。
これはもうレッドスワンを新作を早く読まなきゃやってらんないですよ。
投稿元:
レビューを見る
「恋が、消えてゆく」
突きつけられた現実。
確かに経済状況というのは死活問題にもなるが、これは少し理不尽ではないのかと感じてしまうな。
もし高校に入学してから必死に勉強していたら、予備校など行かずとも未来は変わっていたかもな。
「if side.A 月の光」
夢から覚めた時には。
彼女の想いは痛いほど分かるが人として、やっていい事悪い事はあるだろう。
両親ですら間違える事があると言われる二人を見分けるなんて、いくら好きであろうと難しい事ではないだろうか。
「if side.B 別れの曲」
夢を追いかけ続けた。
諦めずに再び出会えると信じて行動していたら、こんな未来もあったのかもしれないな。
一族の名を知った途端、態度を変えて自分の息子を卑下するような事を言うのはどうかと思うが。
「今宵の月に誘われて」
再び出会った二人は。
何年間も想い続けた相手の結婚相手が、自分が家族の中でも抵抗心を燃やしていた相手とは。
彼女からの提案は両親にとっては最高の物かもしれないが、二人の過去を知らないからこそ言える事だろうな。
投稿元:
レビューを見る
恋人がいる身でありながら、こんな恋をしたいと思ってしまいました。歪んだ恋心かもしれないけど、もちろん一歩違ったら犯罪になってしまうかもしれないけど、何年も好きでい続けられる人と出会えたらな、
投稿元:
レビューを見る
だから小説は面白いと思わせてくれた本でした。
1度だけではなく2度もびっくりさせてくれるお話で、さすが綾崎さんです。
投稿元:
レビューを見る
毎度のことながら騙されると分かっていても気持ちが良いほど騙される。けどそこが好きクセになる。もう21になったけど、小学6年生の時からずっと好きなシリーズ。
投稿元:
レビューを見る
エロゲーかな?
しかし、弟と妹地獄すぎるな・・・兄弟ってほんと不思議だよな。
そういう意味では、うちは本当に兄妹に恵まれているな・・・あのひとらやから、いろんなものが大丈夫なんやろな。ほんまありがとうやわ。
投稿元:
レビューを見る
花鳥風月シリーズ7作目。
家族でも見分けられない双子の舞原月乃と今宵。
月乃に恋をした望月洋平との関りとその後の物語。
各部に各年代ごとに分かれて物語は進み。
その中で移り変わる人物背景に。
繊細なトリックに見事やられました!
しかし男の主人公には一切共感出来ず。
彼にこだわるその姉妹にも少し厳しいかなと思いました。
ミステリー的には面白い作品でした。