紙の本
不気味な絶望感
2021/09/23 22:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読了しました。言い知れぬ不安と寂寥にドンヨリと沈思黙考してしまいました。フィクションですが、筆致のなせる故に、リアル過ぎて唖然とするしかありませんでした。
政治家、科学者、一般民衆、各々の立場の『動き』が具に描かれて、感情移入してしまいます。
日本は地震大国です。殊に阪神大震災・東日本大震災を思い出すに付け、本書を読んでいる最中は、怯え・焦り・悲壮感などが心中に渦巻きました。上巻とは打って変わって一日で読了してしまった所以です。
将来に亘って、どうか現実にこの様な事態にならないで下さい・・と祈念しました。事実は小説よりも奇なり、ですから。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
小松左京の小説、ここ数ヵ月ほど一種のブーム(リバイバルブーム)となっているようで、いくつかの書籍が復刊・再版されてますね。
先日読み終えた「復活の日」だけでなく、日本沈没(第一部)が出ていたので購入。第二部は再映画化(草剪君が主演した映画)に伴い購入していたけど、第一部は借りて読んだだけでした。
文庫版(2020ではない)を購入し何とか読み終えました。
以前にも読んだことがあるとはいえ、改めて凄い内容でした。ここまでズタズタにされるのも、SFという土台があっただけでなく、きちんとした「要素」があったからなのでしょう。
日本列島は「隆起した島」なので、このように「沈没」することは無いとはいえ、東日本大震災を含めたそれ以降の地震・火山噴火を経験した(経験している)者からすれば、眉唾な話とも言い切れないのではないかと不安になります。
最終章「龍の死」とは、日本列島を龍と見立てた発想だとして、死んでいく様は悲しいものがあります。頭では「そんなこては起き得ない」としても、列島を一つの命だとすれば、いつかは死を迎える。
これが第二部にどう繋がれていったか、後日改めて「第二部」を読み返してみたいと思うのです。
投稿元:
レビューを見る
沈没後の日本人の有様が気になるけど、続編はとってつけた感じみたいなので、ここで読み終えておくのが良さそうですね。
国際社会の冷淡さがリアルな印象を受けました。
まあ知ったこっちゃないんですよね。よその国の人間が難民化しようが死のうが。だから、日本人諸君、どうするのって話。
投稿元:
レビューを見る
東日本大震災を目の当たりにした今、1つ1つの描写がリアルで、また1970年代にそれをイメージして書かれているという驚きを同時に感じました。
そして、日本人論と言えばいいのでしょうか。
最後にはそのような深い洞察もされていました。
今だからこそ、読んでほしい作品だと感じました。
投稿元:
レビューを見る
辛いことがあっても生きていかねばならならい。死ぬより生きることの方が辛い。故郷がなくなり、人々はどう行動するのか、どんな想いを抱くのか。「島」より「人」に着目した作品だった。
投稿元:
レビューを見る
SF小説の名作だけあって、映画の大作を観ているように、とても迫力のある作品だった。
技術者や政治家たちの、対応についても、リアリティが感じられた。約半世紀も前に書かれた小説とは思えず、今読んでも十分楽しい。
投稿元:
レビューを見る
マントル対流や地殻変動のロジックがどこまでがフィクションなのかわかりづらいところはあるが、次々に発生する地震や火山噴火、津波などによる被害の描写は阪神大震災や東日本大地震を彷彿とさせて痛々しい。
物語が発表された約50年前はネットやSNSもなく、日本を取り巻く各国間のパワーバランスも今とは随分と違っている。日本人を取り巻く環境が大きく変化しているので、同じ題材でもいま執筆したらまったく異なる作品になると思う。そういう意味で、何度も映画化やドラマ化される理由もよくわかる。作者は日本という国を失った後、日本人がどう生きるかを描きたかった、とのことなので、その主題が取り扱われている第二部も読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
約50年前に描かれた世界ですが、10年前の 3.11を経験した今ではとてもリアルに感じます。
国土そのものを失う、そんなことは想像したこともありませんが、地球の果てしない歴史の途上では十分あり得ることなのでしょうか。
下巻巻末に『第1部』との記載があります。日本人の半数以上が海外に避難、移住した後の姿を想定していたのでしょうが‥‥、何か読む気がしません。
辛すぎて、埋もれていきそうで‥‥
投稿元:
レビューを見る
【琉球大学附属図書館OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC0032175X
投稿元:
レビューを見る
読んでる間もリアルで地震があったり、本当に何十年も前に描かれた作品なのかと思うほどのリアリティ、瑞々しさがあり面白かった。第1部完結とは、なっているもののこれ以上、2部が描けなかったのも解説を読んで理解できた。ちなみに、今日の日本は快晴で、とても良い天気。
投稿元:
レビューを見る
とうとう読み終わりました。もし本当にこんなことがあったら…。なんて読むと、恐ろしい物語です。さすがに大ベストセラーになるだけあって、十分な調査と、登場する人たちの様子が細かく描かれていて、リアリティ抜群でした。それだけに、ますます恐ろしい。
投稿元:
レビューを見る
今またテレビドラマもやっている名作を読みました。
1973年の作品ですが、その後の阪神淡路大震災、東日本大震災を予知したかのような地震の描写がとても生々しく感じられます。プレートテクトニクス理論をもとにした日本沈没の理屈もリアルに感じられて怖くなります。また、島国の中で長い歴史を保ち、独自の文化を形成してきた日本人が、国を失い、難民となり、そしてその先に待ち受ける苦難を予感させるストーリーにはハッとさせられました。日本にいると、ユダヤの人々の歴史や、世界各地の難民の問題は、遠い世界の出来事に感じてしまいがちですが、こういうストーリーで語られると、難民となることの恐ろしさをゾクっと疑似体験した気分になります。さすがの名作です。
投稿元:
レビューを見る
富士火山帯が火を噴きまくり、中央構造線(九州東部から関東へ横断する断層)に沿って大地震が頻発、日本の国土は崩壊の一途をたどります。諸外国への避難民受け入れ交渉に各国の思惑が入り乱れ、東西世界の緊張が高まっていきます。祖国を失い難民となった日本人が自我同一性を保てるのかということが下巻の主題だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
政治経済、自然科学、文化人類学…あくまでも、現実から逃れないように書かれている。カタストロフィーの予告など、当たっても、外れても損だという流れは本当なら目を背けますが。
投稿元:
レビューを見る
日本が沈むという設定はぶっ飛んでますが、それに対して描かれている日本人の心情や政治や国際情勢などは、とてもリアルでした。読んでいてどんどん引き込まれる作品でした。色褪せない名作の力強さを感じた。