ミッシングワーカーの衝撃 働くことを諦めた100万人の中高年 みんなのレビュー
- NHKスペシャル取材班(著)
- 税込価格:836円(7pt)
- 出版社:NHK出版
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紙の本
誰でもなり得るミッシングワーカーの実情とは
2020/11/23 16:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
親の介護などを理由に離職した人が長期間働くことから遠ざかってしまい、いざ介護が終わったという時にはハローワークに行く気力を失っていたり、他人とうまく接することができなくなっていたりという問題が日本のいたるところで生じているという。
求職活動をしている人は失業者として統計上計上されるが、求職活動をしていない上記の人たちは計上されず、人知れず雇用統計から消えてしまっている。
しかし、2013年に生活困窮者自立支援法が成立、2013年からの施行により自治体ごとに生活困窮者自立支援に関する相談窓口を設けることが義務付けられ、徐々に雇用統計から消えてしまった、いわゆるミッシングワーカーという人たちの実態がわかるようになってきた。
そしてその数は40代、50代で103万人にも上ると本著には書かれている。
この本を手にとったきっかけはミッシングワーカーという聞き慣れない言葉に興味を持ったからだ。
本著ではミッシングワーカーとされる人たちへの実際の取材をもとに、様々な人が辿ってきた人生、そして困難な現状などが綴られている。
中でも心に残ったのが、20年という父親の介護を終えたものの、働くことができず、1人で家族の思い出がつまった家で暮らす男性の話だった。
男性はおいしい味に慣れないようにと調味料を一切使わずに作った料理を食べ、楽しいことはもうこの先ないし笑ったりすることもこの先ないと語る。
20年間介護をして立派に親を見送った男性。辛い介護にもねをあげずに真面目に生きてきた男性が何故ここまで孤独を感じ、苦しい思いをしないといけないのか。読んでいるだけで胸がつまり涙が出た。
今は自己責任という風潮が強く、働いていない人に対する冷たい目もある。果たして本当に自己責任なのだろうか。この本を読んで、その人が辿ってきた人生も知らずに自己責任と言って終わらせてしまう残酷さを強く感じた。
別の男性で自治体や地域の人からの支えで立ち直り、前を向いてから生きている方のエピソードに少し救われた。
小さなことで役に立つかはわからないが、ミッシングワーカーという人たちがいることを胸にとめ、地域や身近にもし苦しんでいる人がいたら少しでも力になれる人間でありたいし、地域の人をまず知り、普段からつながりをもつことをこれからは意識してしていこうと思った。
また、必ず直面する親の介護問題。他人事ではなく、自分はその時どのような選択をするのか真剣に考えるきっかけとなった。
たくさんの人に読んで考えてもらいたい1冊だ。
紙の本
他人事ではないかも・・・
2020/09/26 18:29
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投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会は不平等にできている。
就職活動をする年が不景気だったら、新規採用は制限され、非正規雇用を推進されて、それが首をしめる。
社会の変革は核家族化を推進し、年老いた両親のために退職して一人で介護を行う。
この憂き目を見ている世代が、40代から50代に当たっている。
本人の頑張りとは関係ないところで負のスパイラルの只中に陥っている世代。
政治も社会もマスコミも長らくそのことに目をつむってきた。
そのことをNHK取材班が明るみに出し、放映して、書籍化した。
この問題は、社会全体のものとして共有すべきこと。
本書の働きは大きい。
紙の本
8050問題、7040問題
2020/08/08 22:14
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミッシングワーカーとは、働いていないにも関わらず求職活動をしていない人。統計から消えた存在。ニートではなく、今まで問題となっていた引きこもりとも少し違う。働くことをあきらめた存在。それが百万人以上存在するという衝撃的な内容の一冊です。そんなミッシングワーカーに該当する人達のインタビューも掲載されていますが、唯一の家族だったインコの死というエピソードがかなり物悲しい感じです。
高齢化が進むなか、抜本的な救いが見えない、深刻な問題だと思います。
紙の本
厳しい現実を思い知らされました
2020/03/19 20:34
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ミッシングワーカー」を取り上げたテレビ番組「NHKスペシャル」の放送内容を、NHK出版から依頼を受けた取材班の方々が、新書として刊行した1冊です。
内容は結構シビアで、現実で生活する事の厳しさを思い知らされました。次にミッシングワーカーに陥るのは私かも知れない、と思うと気が引き締まりました。
辛辣な文章が苦手な方には、辛い内容かも知れません。
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