紙の本
大マスコミと政治家たちの責任は重い
2023/03/07 09:23
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読み始めてすぐに偶然NHKのドキュメントで「イムジン河」の演奏に涙ぐんだ日本人妻たちがいたという話を聞いた、今から思えば、なぜ、あの人たちは北朝鮮を「地上の楽園」と思い込んだんだろう、でも。大マスコミも政治家たちもそれを信じているふりをして彼女らを「地上の楽園」に送り込むことに加担していたのだから無理もないことだったかもしれない
紙の本
綺麗で悲しい写真
2019/06/24 10:21
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投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の写真はとても色が綺麗です。でも、なんとなく、物憂げで悲しげな写真が多いです。それは、歴史に理由があるのでしょう。目で見て、文で読んで、時代に翻弄された人たちの一端がしみじみと分かります。
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「日本人妻」は情報としては知っていた。NHKのドキュメンタリーでやってたのを見た。可哀想とかそういう話じゃなくて、なぜ朝鮮に行ったのかを語る本だったし、ここに書かれている「日本人妻」は普通のひとばっかりだ。戦争の時、残留した日本人がいたことにびっくりしたのと、近いのに遠い場所のままで綺麗な場所のことばかりだから朝鮮は実際どんなところなのかは自分で見ないことには絶対判断はできないとは思うしまぁワタシは行くことはないだろうけど。あと妻に着いていった男のひとはいないのかい?という気持ちにはちょっとなった。
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フォトジャーナリストの林典子さんが、1960年前後のいわゆる帰還事業で北朝鮮に渡った日本人妻たちの現在を取材したドキュメンタリー。
1830人前後の日本人妻が海を渡ったとされているが、本書に登場するのはそのうちの9人と残留日本人女性1人。
かの国で取材許可が出るぐらいの人たちだから、何不自由ない生活を送っておられることは想像に難くないが、私が知りたいのは、海を渡って行ったけど、そこは思い描いていた国とは全然違ったといった現実にぶち当たった日本人妻の声。
無理だろうなぁ、そんな声を聞くのは…。
しかし1830人の大半はそういった人たちじゃなかったのだろうか?
10人の登場人物でさえ、死という問題に直面している。
1830人のほとんどの方はもう亡くなられたのだろうと思う。
国際機関まで巻き込んで大々的に行った帰還事業とは一体何だったのだろうか?
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国交が断たれた状態で
行き来もままならず
故郷を思う姿は やはりとても悲しげで
あまりはっきりと言いたくないことを
くみ取り 写真に写そうとした著者の取材は
とても真摯なものだったと思います
でも 少し奥歯にものが挟まったような
歯がゆさを感じる取材でもありました
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貴重な記録である。
ややもすれば
歴史の中に埋もれさせられてしまい
忘れ去られてしまう
いや
そうあってはならない
人たちに
きちんと出逢って、
きちんと向き合って、
おられる
林典子さんに
大きな感動を覚える。
「記憶は弱者にあり!」
改めて この言葉を 思い起こしている。
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2013年から18年までに11回訪朝し、日本人妻や残留日本人(戦時中に朝鮮半島に住み、戦後も帰国しなかった/できなかった日本人のこと)を取材しているカメラマンによる著書。
以前、彼女がテレビ番組に取り上げられ、北朝鮮で取材・撮影する様子を捉えた動画をみたことがあった。
正直、とても驚いた。
周知の通り、北朝鮮で自由に撮影を行うことはできない。
必ず当局の許可がいるし、北朝鮮人の案内人の「協力」が必要である。彼女は許可を得て、そして時には案内人の積極的な協力の下に撮影を行っている。
これは、日朝間の間で(拉致問題とは違って)、日本人妻の問題は「手のつけやすい」問題だということではないだろうか。1960年代ごろから、朝鮮人の夫について北朝鮮に渡った日本人女性たち。「運のよかった」一握りの女性は、1990年代にわずか3回だけ行われた里帰り事業で日本にやって来ることができた。しかし、当時ですらすでに両親は亡くなっており、再会が叶わなかった人が多くいただろう。
すでに日本人妻自身が高齢化し、この本で取り上げられている女性も取材をしている期間に亡くなっている。
日本人妻の問題も人道的問題だ。政府が早急に取り組まなければならないことだと強く訴えたい。
著者は複数の日本人妻に会い、ただ取材をするだけではなく、対話し、その人の「人生」を記録している。
それは配偶者が偶然、朝鮮人だったという平凡な女性たちが、当然、また帰国できると信じて北朝鮮に渡り、必死で生きていく姿だ。
そして、きっとある時点で、もはや帰国はできないと悟り、絶望し、その絶望となんとか折り合いをつけながら、生きていく・・そんな一人ひとりの人間の姿が描き出される。
本書に収められた写真はそう多くはない。
しかし、人の人生までを映し出す、そんな取材方法と撮影の仕方に、私は初めてカメラの「力」を見た気がした。
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帰国事業について知りたくて手に取りました。
北朝鮮は近くて遠い国、とずっと言われてきているが、より実感した。日本で別れた兄弟や子を思う人が今も多くいると思うと、歴史の一編としてだけでは片づけられない。
チョンなど差別とも取れる言い回しを今でも聞くが、帰国事業に至った経緯を知ると、決して使えない。
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元在日朝鮮人夫たちの声も聞いてみたくなった。取材対象の女性たちは皆すでに夫を亡くしていたため、「ハンサムでしょ」等、彼女らによって語られる部分から夫婦関係を想像するしかない。
朝鮮人と恋に落ち、家族に結婚を反対されるも駆け落ち同然で朝鮮へ渡った人たち。現地では「日本は嫌いだが日本人1人1人を嫌うわけではない」と親切にしてくれる人々。
何人であっても何ら変わらない素朴な人間像を思い浮かべながら読んだ。そうだよね。あたりまえだよね。