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わき役だが
2023/10/29 08:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナムナム - この投稿者のレビュー一覧を見る
わき役であるが、良岑宗貞と紀種子が、人柄が良さげに描かれている。
この人にスポットを当てた作品が生まれてほしい。
歌に生き、恋に生き、そして・・・
2022/01/30 15:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本史のなかの代表的美女であり、歌人とされながら、その実態は謎に包まれている小野小町。
数多い伝説を、当時の複雑な政治的背景の中に織り込み、「宮中の花」として生きた小町の生涯を描いた本作、とても情緒的で読後感がいい。
同じく歌人として名を成した和泉式部のように、自身の思いをつづった日記のようなものも残さず、古今集などに選ばれた和歌と伝説しか、その人となりを偲ぶよすがのない彼女を、才能と美貌に恵まれながらも、ただ一つの恋を心に秘めて宮中生活を生き抜く一人の女性として描いている。
冒頭の当代を代表する男性三人とのやりとりから、男に隙を見せず確固とした自己をもつ女人として登場させたシーンがとても印象的だった。後の清少納言や紫式部に通じる宮中女房の系譜の先駆けとして、圧倒的な輝きを放っている様は眩しいくらいだ。
だが、身内に裏切られたり、皇太后からあらぬ疑いをかけられ、決してバラ色の日々という訳ではない。
さらに彼女には、出羽から京に出てきて間もないころに知り合ったさる貴人に夢のような恋心を抱き、その人にもう一度会うことだけを拠り所として宮中に入る。頃は冬のさなか、ところは郊外の小野の里。雪の舞い散る中での舞の場面は儚くも美しく、彼女の心に強く刻まれたとしても不思議はない。
一方、宮中では心無い噂に翻弄されていた彼女を、仁明天皇は小町の気持ちを思いやりながら助けようと申し出てくれる。仁明天皇は終始小町に優しく、藤原氏との関係にも政治的な配慮を忘れず不必要な波風を立てることを慎重に避けている。仁明天皇から藤原氏との密接な関係が始まったのだが、この作品では彼らの操り人形でもなければ、無意志に流されているだけでもないとても理智的で、情けも解する理想的な人物として描かれている。今まで読んだ作品の中では、初めて見る描き方だ。
しかし、その彼をもってしても「承和の変」は防げなかった。そして自身の藤原氏腹の第一皇子である道康親王を決して藤原氏との対立に巻き込まぬよう小町を始め3人に密命を授ける。
政治的なアドバイザーとして帝に信頼される小町というのは初めて読んだだけに、恋と和歌だけに生きていたのではない彼女の新たな側面をクローズアップしてくれたのは今までに見ない解釈で、それが彼女をより魅力的に見せている。
そして、雪と桜の花との対比が非常に効果的に使われていると思う。温かい思い出であるはずの初恋が雪で象徴され、華やかなはずの桜の花が移り行く時代や心の象徴になっている。最後に小町が選ぶのは・・・?
さらに良房の懐中にある毒はどうなるのか? この綴きをぜひ読んでみたいと思わせる巧妙なラストだった。
小野小町
2020/11/23 20:22
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
小野小町、在原業平、僧正遍照が登場する周防柳「逢坂の六人」も読みましたが、僧正遍照のキャラクターが違い過ぎてそれはそれでまた面白かったです。血縁関係がややこしいので系図が載っていればもっと良かったです。
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